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カシオペア 2月26日
  音楽のジャンルというのはたくさんある。ジャズ、ロック、クラシック、歌謡曲、レゲエ、軍歌など。その「ジャズ」というジャンルの亜流のようなものに「フュージョン」というのがあるという。と思って辞書を引いてみたら「fusion=ジャズとロックなど他の音楽形式との混合」だという。英和辞典でも同じような説明が出ていた。知らなかった。独立したジャンルじゃなかったんだ。

  カシオペアというのは日本のフュージョングループの一つだ。今も活動しているかどうかは知らないけど、中学生くらいのときから聴いている。真剣に聴くタイプの音楽ではなくて(本人たちには悪いけどね)、BGMとしてちょっとかけてみるか、みたいな軽音楽。僕の兄が高校生のときに聴くようになって、弟がそれに倣ったわけだ。大学生のときには1回だけコンサートを聴きにいったことがある。

  でも今の僕の家にはたった一枚のCDしかない。こんなことを書くのは怖いけど、僕が中学生の頃の音楽ソースはレコードだったんだ。CDももちろんあったけど、まだ普及していなかった(それは僕が高校生になった頃の話だ)。だから実家を出るにあたって、家からレコードを持ち出すわけにはいかない。というわけで一枚だけ兄のCDを頂いて(勝手に持ち出して)今でも聞いている。メンバーが変わった直後に出た「ラスト・メンバーズ」というCD。90年の発売だから、自動的に僕が高校生のころに聴いた曲が入っている。

  音楽は記憶と結びつく。音楽はそれを自分が聴いたときの心的状況を付帯する。音楽がなぜ人の心を希求するのかはもちろんわかっていないけど、僕個人はその音楽を聴いていた過去の自分を振り返る手段なんじゃないか、と思っている。どんなに古い音楽を聴いても感動できるのはそのためなんじゃないかと。新しい音楽を聴いて感動できるのは、それに今の自分を付帯させるからなんじゃないかと。

  今こうやって10代後半の生徒たちに接していると、どうしても大人の視点に立ってしまい、「どうして最近のガキは…」と思ってしまうことが多い。それはしょうがないことだ。若者は大人を憎み、大人は若者を否定したがる。そこにある時代は変わっていくのに、自分の中にある時代は一つしかないからだ。もう少し言えば、そこにある時代よりも自分が抱えた時代の方が大切だからだ。

  でもこうやって自分が心的状況を重ねた音楽を聴いていると、何かが自分の中で動く。そこに「あった」時代と季節を思い出す。

  年をとっても、新しい音楽を聴かないとね。BoA…無理はやめておこうっと。
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