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予備校講師に関して、ときどきテレビや週刊誌で報道されることがある。マスメディアというのは「媒介」という意味なので、当然のごとく多少の(またはかなりの)バイアス(bias=偏見、かたよったモノの見方)がかかった報道になる。
基本的な紹介パターンは「カリスマ講師になると収入がすごいぞう」というやつである。2年くらい前にあったTVでは某Yゼミの講師が紹介されていた。ポルシェだか何だかを3台所有し、2億円の豪邸に住んで・・・というやつだったらしい。たぶんオフシーズンはエーゲ海で泳いでいるのであろう(こういうのをバイアスと言うのだ)。
信原は声を大にして言いたいのだが、
そんなスーパーカリスマは全体の1%もいない
のである。
少なくとも、信原の周りにはそんなカリスマ高収入講師はいない。周りどころか知人の友人の「いとこ」にもそういう予備校講師はいない。もう少しいうと、少なくとも信原はもっとスケールが小さい。ここはハッキリさせなければいけないのだが、車はおろか、この春まで自転車さえ持っていなかった。テレビはあるが16インチの9年もので、テレビ台がないから「天然水・南アルプス2リットル×6本」の空き箱の上にそれは乗っている。お茶碗なんてもちろん実家から頂いてきたものだ。灰皿も家族にもらった。ついでだから恥をさらすと、今まさに僕が部屋着としているトレーナーは高校生のときから着ているレナウン製である。靴下は7年前に買ったものである。カレンダーも自分で買ったことはない。ゴミ袋を買うお金がないから、新聞の更新をするとき(サービスで洗剤をくれるのが普通)に「ゴミ袋ないのかよ。もっとゴミ袋よこせよ、ゴルァ」とすごんでいる。言うまでもないがメロンパンが道に落ちていたら当然拾って食べるのだ(落ちていたことがないから実現していないが)。
他業種で考えてみよう。「野球選手=イチロー」と考える人がいる。決して少ない数ではないだろう。野球に興味がなければ、そして知識がなければ(しょうがないけど)それは当然の話だ。僕だって「女子卓球=福原愛」または「男子プロゴルフ=タイガー・ウッズ」と考えている。しかし、よく考えてみてほしい。イチローの下に控えるプロの選手は日本だけで何人いるのだろうか。1軍登録は1チーム40人くらいだろうか。2軍について知る人はいるまいが、たぶん同じくらいはいるだろう。そう仮定すれば、イチローは960人中のトップである。トップの座を捨ててアメリカに行っちゃうくらいなのである。そう、それはあまりにレアケースなのだ。
さて最後に、僕はプロ野球で喩えればどのあたりにいるのだろうか。たぶん、ロッテマリーンズの2軍の控え捕手候補くらいじゃないか。別にマリーンズの悪口じゃない。だから実際、「稼いでいるんですよね? おごってください」なんて卒業生に言われても困るんだよね。
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