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消費財 4月29日
  トイレットペーパーを買ってきた。滅多に買わない必需品。なくなったらちょっと(かなり)困る必需品。
  ほとんどのモノは代価を払って手に入れて、それはいつか形を失う。たとえば、今僕の目の前にあるウェッジウッドのティーカップ。これだっていつかは壊れてゴミになってしまうだろう(理論的には、割れない限り2000年くらいは使えるわけだが)。あるいは、モノはその機能を失ってしまう。たとえば、蛍光灯。昨年末に寝室のそれを取り替えた。これはこの家に引越しする前に買った・・・どころか、初めて1人暮らしをするときに買ったものだ。つまり、約8年に渡って活躍したことになる。8年? ちょっとおかしくないか。蛍光灯は消費されるものであるのは間違いないけれど、8年ももつものなんだろうか。おかしいなあ、と思いながら交換した。

  トイレットペーパー。これはもっと高い頻度で(当たり前だ)買ってくるような気がする。今見てみたら、30メートルで12ロールだという。いつもスーパーの袋に入れてもらえず、テープだけ張ってもらって持って帰ってくる。3ヶ月に1回くらい、この「なんとなく恥ずかしい」買い物をしているのだろうか。だいたい、人は(あるいは僕は)一日にトイレットペーパーをどのくらい使うのだろう?
  気になりだすととまらない。一回に買ってくるのは360メートルということだ。360メートルというと、ええと、25メートルプールを7回往復したくらいか。あれ? 3ヶ月に一回ってことはないよな。それだったら一日に4メートル使っていることになる。ためしにトイレにいって、それを取り出して、4メートル引きずりだして計ってみる。そんなバカな。せいぜい1回で・・・。

  春樹のエッセイだか何だかで「洗面器はなぜあんなにたくさん売っているのか? 洗面器というのは買い換え需要が非常に低いはずだが・・・」という読者の質問に対して、彼はこう答えていた。「僕も大丸ピーコックの売り場で20分くらい眺めていたけど、一つも売れなかった。なぞだ」
  こういうことを考え出すとキリがない。僕は去年の秋に、やはり1人暮らしを始めたときに買った500グラムの調理用の砂糖をやっと使い切った。7年半ということは2700日くらいで、一日あたり・・・。

  どこにもたどり着かない思考。予備校講師も時には暇なんだ。
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