各ページのご案内はコチラ
Copyright (c) 2004
takeshi nobuhara All Rights Reserved.
|
|
中山競馬場は交通アクセスが良くない。船橋法典駅から地下道で10分近く歩いてやっと場内に入れる。ダービーが始まる1時間前だから、他のレースの馬券はほとんど買えない。だから道中をともにする人たちは熱狂的なファンではない。まあダービーくらいは買おうか・・・という程度のノンキなファンたちだ。
大学生になったときから25歳になるまでは毎週のように馬券を買っていたけれど、独り暮らしを26歳のときに始めてからはほとんど買わなくなってしまった。仕事と生活が忙しくなって疎遠になり、興味も自然になくした。たぶんそれ以降で3回程度、最近の購入は6年前だと思う。
競馬の予想の根拠はたくさんあるが、まず基本は過去の成績である。これはスポーツ新聞などに載っている「馬柱(バチュウまたはウマバシラ)」なのだが、何しろ6年ぶりで読み方も忘れかけている。出走している馬はもちろん1頭も知らない(基本的に馬の活躍期間は数年程度)。コスモバルクという馬だけニュースで聞いたことがある程度だ。今年の皐月賞を買ったダイワメジャーですら知らないのだ。困ったな。
競走馬は血統が大切なので、両親の名前がちゃんと載っている。母親の名前でスカーレットブーケとアイリッシュダンスだけ知っていた。よし、後者の息子であるハーツクライを買うことにする。4番人気くらいかな・・・。
6年ぶりだと浦島太郎の気分である。まず問題なのは馬券の種類が増えていることだ。僕が最後に買ったときは4種類だったと思うが、「ワイド(3着以内の馬を2頭当てる)」と「馬単(1着と2着をセットで当てる)」と「3連複(1着から3着までズバリ当てる)」というのがある。オッズ(予想配当)のモニターを見るが、どれがどれだかわけがわからない。よくわからないけど、確かにハートクライは4番か5番人気のようだ。買う以上は馬券を取りたい。ちなみに馬券は「当たる」ものではなく「取る」ものである。当たるのは偶然性の強い賭け事に使う言葉で、パチンコや宝くじに適用するべきだろう。
馬券はマークシートで買う。これは経験があったが、今は馬券別に2種類のマークシートがあるのだ。裏面も利用できるようになっていたり、ほかにも知らない記述がたくさんあったりする。これは困ったことになった。うまく買えるだろうか? しかも無人の券売機で買うから、人に聞くわけにもいかない。というか、それ以前にそんなの恥ずかしいじゃんかさ。
1回失敗して(ワイドの概念を誤解していた)、2回目で全て購入できた。馬券の数は5枚である。それでいて汗びっしょりである。予想はいいかげんでもいいけど、まさか馬券購入そのもので汗をかくとは思わなかった。なんという時代の進化なのだ。
競馬のレース中の声援は、騎手の名前を呼ぶことで行う。間違っても馬の名前を呼んではいけない。馬には言葉が通じないからだ。
ハーツクライは大外(コースの一番外側)から猛烈に追い込む。本来ならここで猛烈に僕も叫ぶ必要がある。騎手は横山典弘。
「のりひろぉぉぉ、何とかしてみろ!!!」
しかし1番人気のキングカメハメハには届かない勢いだ(この馬の馬券は買ってない)。だから声援を送ることもできない。テレビ画面に向かって怒鳴ってどうするんだ、などという冷静な人は黙ってなさい。あ、言われなくても黙ってるのか。
よくわからなかったが、3着にハイアーゲームという馬がなだれこむ。僕はハーツクライとこの馬の連単、馬単、ワイドを中心に買っていたのだ。
ああああ、と落胆する。しかしよく考えてみれば「ワイド」が当たってるじゃないか。馬券を取り出してみると、確かに100円だけ買っている。
払い戻し金額が5分後に発表される。もちろん投資額の4000円には届かない。でもまあホクホクとして払い戻しを受ける。
やっぱりこのレベルじゃ「取った」んじゃなくて「当たった」んだろうな。しょうがないけどね。
|
|