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essay エッセイ
最近はこんな読書 7月9日
  もちろん新書にも手を出す。

  「頭がいい人の習慣術」。去年の今頃発売されて、ずいぶんと売れた本である。
「ふううん、どれくらい頭がいいのかな?」
とくじらくん化して買ってみた(立ち読みでは情報を拾えても、知識は身につかないものだと思う)。主にビジネスマンを対象にした内容だ。頭のいい人とイマイチの人の行動・思考様式を紹介しながら展開される。

「イマイチの人は仕事を抱えて結局どれも中途半端に終わるが、頭のいい人は、今日やることの優先順位をつけ、大切なことからキッチリ処理するので仕上がりも完璧」

という調子である。多少の異論はあるだろうが、基本的によい本だと思う。
  しかし、正直に言えば、このような本が売れてしまうこと自体に社会のひずみを感じた。別に、この本の全てに啓蒙される社会人ばかりではないだろうが、こんな当然のことを自覚できないで働いている人がいるのだろうか、ということである。まあそれでも、僕も1割くらいは学ぶところがあったので文句は言えないかもね。


  村上龍は「ダメな女」。彼の小説は苦手なのだが、エッセイはなかなか読ませるなあという発見があった。「ハローワーク」を書いたことからもわかるように、社会全体を見ながら個人に踏み込むという勇気と知恵のある作家だ。
  欠点があるとすれば、表題から離れすぎた話題に終始してしまう(ように見える)文章が多いことだろうか。僕はわりに「女性向け」に書かれた文章が好きなのだが、ちょっと逸脱が行き過ぎで、女性読者がどこまでついてこられるのかなあ、と心配になってしまう。意外に男性が読むべき作家なのかもしれないですね。映画化される「69」とか面白いのかな? 10年以上前に読んだけど忘れてしまった。


  新しいエッセイストに挑戦。酒井順子「アナタとわたしは違う人」。僕よりちょっと年上のようだ。かなりたくさん書いているらしいが、ゼンゼン知らなかった。世界は広いですね。
  しかし、というか当然、すごい毒舌ぶりである。悪魔としか表現できない押し付けがましさである。性的な問題もグリグリ踏み込んでくる。女性でここまで行くんだなあとか偏見を持ってしまう。

「付き合って間もない男の人に、初めて水着姿を見せる、という時、あなたはどんな水着を着るでしょうか」

  読点の使い方が、いかにも、こなれた文章で、何かを、想起するしか、なくなりませんか?
  以下、論旨は2項対立で進められる。簡単にいえば「イケテル」か「イケテナイ」かを論じるわけだが、痛快すぎる文章が多くてびびってしまう。自分を変えたいと思っている女子は熟読しなさい。


  感動する小説は、白石一文「一瞬の光」。少しだけ日記で紹介したような気がする。トラウマを抱えた女の子とエリートサラリーマンの純愛を描く。「セカチュー」とは違う大人の恋なのかもしれない。
  漢字が多くて文字ギッシリという今の時代にマッチしない小説だけど、そこに描かれる恋と人生のテーマは喪失と回復だ。描きたい本質は春樹の「ノルウェイ」に似ているんだろうね。
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