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城南予備校の講師室の特徴は、講師の出勤時間が早いことだ。授業の25分前に入る僕は一番の寝坊さんらしい。市進だと25分前は一番の早起き鳥という感じなんだけど。
校舎に着くと、まず飲み物と灰皿が出てくる。コーヒーか冷たいお茶か熱い紅茶か。規則性はなく、その日によって何が出てくるかわからない。不思議だ。
次に授業の予定表のファイルが出てくる(教室割や教材アンケートが入っている)。その授業が初日の場合は、クラスを担当するチューターが15分前に出てきて(化けものみたいな文章表現だな)、クラスの名簿を見ながら打ち合わせをする。
僕はチューターに授業運営で何かを相談することはほとんどない。授業の方針を僕が一人で伝えるべきだと思うし、いい大人が結託する(わけじゃないけど)ような真似はしたくないからだ。ちゃんと授業を受ける態勢さえ生徒様に取っていただくことを指示していただければ、それで充分だ。敬語がどっちに向かっているのかわかんないな、この文章。
打ち合わせの内容は生徒のレベルと授業レベルの確認。講師から事務的に伝える用事。チューターから生徒の状況の(ご)報告。
生徒の名簿の偏差値なんてあてにならないし、高校レベル(←やたらとチューターはこれに言及する。これは神奈川県の文化らしい)もどうでもいい。高1ならともかく、受験学年でそんなの関係ないじゃん。模試の偏差値も似たようなものだ。
とにかく実際に授業を受けてもらって、ついてこれない生徒がいないことを願うだけだ。というわけでチューターとの打ち合わせは短時間ですむ。最近はチューター諸氏も、このように信原がいいかげんなので「こいつはほっとくのが一番だ」と考えてくれているようだ。
1時間目が終わったら昼食を頼む。宅配弁当があるが、値段のわりにおいしくない。しかも冷めているので「ほか弁」を頼む人が多い。僕もそうする。アルバイトの人が取りにいってくれるそうだ。サラダと味噌汁を必ず追加する。いくら汗をかいても冷房で体が冷えるから、温かい味噌汁がどうしても必要だ。
講師室は独立した部屋で静かだ。だから自分の机で食事ができるし煙草も吸える。生徒の出入りは質問だけ。それも一人の質問が終わるまで次の生徒は部屋に入れないというシステムになっているので、落ち着いて休める。プリントの印刷やその他の雑用も全てスタッフがやってくれる。そういう講師室専用のスタッフがちゃんといるのだ。素敵だ。
休み時間は20分(講習のお昼休みは80分、長すぎ)。8階建ての校舎でありながら生徒は下りでエレベーターを使ってはいけないというルールがあり、すぐに講師室に戻ってこられる。講師室の中にも洗面所があるので短い休み時間を有効に使える。余ったプリント類は教卓に残しておけばバイトさんが処理してくれる。もちろん黒板消しをする必要もないので、なおさらきちんと休める。このあたりの2つのパラグラフ、僕が勤めるもう一つの予備校に比べてかなり優れているね(笑)。
お昼休みには、午後の教室を担当するチューターがやってくる。例によって
「あああ。頑張るように伝えてください。マーカーペン2本持ってきてないやつ、島流し宣告しといてね。あっはっは」 というなめた対応をする。別に悪意はないんだけどね、チューター諸氏はあきれはてて「この講師に何か言っても無駄だな」と思っているであろう。
かならず定刻で授業を終わらせて(受験当日に延長戦はないから)、素早く講師室に戻る。人気がないので質問の生徒もほとんどこない。今年の夏の場合、僕がいた時期には人気のある先生方が多かったようで、僕だけ独りでボンヤリしている。一服して授業終了の15分後に席を立つ。「お先に失礼します・・・」
アンケートも悪いし人気もないし、よくクビにならないよね。よっぽど顔が良いんでしょうね。
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