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市進予備校の講師室の特徴は、社員やバイトやカンフェリーや生徒や講師が空間を共有することだ。うるさいと言えばうるさいが、活気があるという言い方もある。受付のお姉さんも含めて、ほとんど全てのスタッフと顔をあわせる。
講師の机は生徒と同じく指定席である。ちゃんと机の上にネームプレートが出ていて、それぞれの講師専用の小さなカラーボックス(書類を入れる箱ね)が用意されている。だからどの講師がどういう名前でどの科目なのかすぐに把握できる。これは業界でも珍しいようだ。だから、たいていの講師は「お? 今日は○○先生がいるのか」とすかさずチェックをする。
校舎に着くと、まず生徒に配る解答と名簿(座席表)を取りにいく。生徒の人数や個人情報はそのファイルに入っている。よく読む人もいれば教室に持っていくことすらない人もいる。スタッフと打ち合わせすることもないので、ここは講師個人の裁量に任せられる・・・といえば格好いいけど、放任という感じもある。どっちがいいのかよくわからない。
僕はたいていの場合、座席表などをよく読んで生徒の顔ぶれをチェックする。ふだんの授業でも座席が指定されているから、生徒の名前を覚えやすい。これは市進予備校の大きな長所だと思う。生徒を注意するときに、「おいこらそこのお前」よりは名前を呼ぶほうが感じがいいだろう(いいのかな?)。
飲み物はセルフサービスで、コーヒーか冷たいお茶か熱い紅茶かアイスコーヒーか。選べる自由があるかわりに、自分でやるべきタスクが一つ多いことになる。喫煙は喫煙所に限られる。質問以外の用事で生徒も出入りする講師室だからこれはしょうがないだろう。
プリントの印刷なども原則的に講師本人がやる(頼めばスタッフがやってくれるが、それはマレ)。面倒は面倒だが、僕は自分で何かを動かしていくほうが好きなタイプなのでありがたい。
マイクなどを自分で取りにいくのは市進も城南も同じ。オシボリは城南がちゃんとしたタオルで、市進は使い捨てのウエットティッシュ。タオルのほうが気分がいいが、安い業者を使っているのかときどき臭うことがある。僕は潔癖症の向きがあるのでこういうのがとても神経に障る。
1時間目が終わったら昼食を頼む。千葉県には宅配弁当などというモダーンなものがないので、「ほか弁」に限定される。市進千葉校の場合は千葉そごうの地下、いわゆるデパ地下のお弁当なのがありがたいが、温かくないという致命的な欠点がある。まあどっちにしてもアルバイトの人が取りにいってくれるのは城南と同じ。
お昼休み以降の講師室は騒がしい。生徒の様子がつかめて面白いという見方もあるが、落ち着いて休めないという欠点もある。僕は個人的に「12時40分までは質問禁止」(12時5分から1時までが昼休み)ということにして、喫煙所に引っ込んで他の講師とおしゃべりをしている。
予備校講師同士はあまり親しくないことが多いのだが、市進は業界中ではかなり講師同士が仲良しであるという。実際、城南では僕は誰ともほぼ喋らないが(挨拶だけはきちんとする)、市進では誰かしらと喋っている。市進の講師同士が比較的仲良しなのは、講師の席同士が近いことと、お互いに名前や担当教科が把握しやすいことが原因だろう。予備校の規模もそれほど大きくなく、同じ生徒を教えていることが多いため共通の生徒を話題にすることが多い。これもやはり生徒の名前を把握しやすいからだろう。
かならず定刻で授業を終わらせる。市進では「延長は最悪でも5分まで」という不文律があるのだ。逆に「5分以上早く終わらせてもいけない」という不文律もある。このへんはいかにも塾からスタートした予備校という感じだ。
城南の場合と同様に、やっぱり質問の生徒はほとんどこない。経験を積むたびに質問の必要が生まれないような授業ができるようになってきた、というのは自分への言い訳だろう。あるいは突き詰めて考えてから授業に入る生徒様が激減したのだろう、というのも言い訳か。アンケートの数字は変わっていないけど、やっぱり多少は人気が落ちてきたのかもしれない。
一服して授業終了の20分後に席を立つ。「お先に失礼します・・・」
とまあ、こういう感じの職場なんですね。
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