予備校講師でわるかったな！

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	星占いと妄想力	9月19日

  僕は基本的に合理主義を大切にしていて、現代科学をおおむね信用していて、迷信・おみくじ・祈祷のような前近代的な行動を信じない。というのは予備校講師トークの必殺技「奇麗事」であって、実際にはおみくじを引いてしまうし、夜に口笛を吹かないし（蛇を呼ぶそうだ）、悪いことが起こればお払いを受けるし（これはウソ）、新聞やテレビで星占いがあると見てしまう。

  僕はかに座に属するので、ふたご座の次あたりをビクビクしながら鑑賞させていただく。他の星座と比較したことはないけど、かに座というのは基本的にいいことが書いてあることが多いようだ。というのは村上春樹が「山羊座のＡ型というのは本当にボロクソに書かれていてへこむ」というようなことを書いていたので、全般的にどうなんだろうと考えてかに座の項目を読んだり見たりしているからだ。

  基本的には信じていないのに見てしまうというのは深層心理としては信じたいと思っているからなのだろうか。雑誌などでわざわざ星占いのページを探すことは絶対にないのだが、たまたま星占いに出会うとwithout failで見るのだ。だからといってそこに書かれていることを信じるわけではない、と言い切れない自分が悲しい。
  たとえば今日、９月１９日の星占い「かに座」にはこういう記述があった。

異性運良好。ただし甘い態度はつけあがられる暗示です。

  さて、もしあなたがかに座であったとして、晴れた秋の日曜日の朝にこれを読んで何を考えるだろうか？

「異性運良好」。
  これは実にわかりやすい。嬉しい。幸せだ。生きていて良かった。これで少なくとも今日の一日だけは女性にモテルわけだ。対象は女子高生、若い人妻、熟女、メスの野良猫、アメリカ合衆国など、いろいろあるが、まあとにかくモテルんだからいいことだ。
  しかし、今日の僕の外出予定はスーパーに買い物に行くことだけである。どうやってモテルのだろうか。

１、宅急便が突然やってきて、宅配人が女性で、求婚される。
２、スーパーで納豆を取ろうとしたら、美しい人妻（推定２９歳）と同じ納豆に手が伸びてしまい、手が触れ合ってしまい、突然全てを投げ捨てて（スーパーのカゴなど）愛の逃避行にいたる。
３、スーパーの帰り道で自転車に乗っていたら、松浦あや似の女子高生とぶつかってしまい、それをキッカケにスタバでお茶をすることになる。
４、玄関のドアホンが鳴って、「来ちゃった・・・」と言われて危ういことになる。

  どれも可能性が非常に低いような気がする。

「ただし甘い態度はつけあがられる暗示」。
  かなり難解な文章で繰り返して読み直す必要がある。ええと、「あがられる」だから甘い態度を僕が見せると相手がつけあがるのか。「ただし」ということは「いいことがあるけど、気をつけなアカンで」ということであろう。どうやって、何に気をつけるのだろうか？

１、求婚に飛びつかない。ちゃんと家庭背景・貯蓄・人生設計などを問いただし、生活習慣（トイレには芳香剤がいいか消臭剤がいいか）などのすり合わせをするべきだ。
２、カゴは投げ捨てさせず、商品はきちんと棚に戻すように諭すべきである。逃避行の切符はちゃんとワリカンにするのは当然である。
３、スタバで安易におごってはいけない。最低でも飲み物はトールではなくショートを選んでもらう。
４、簡単に家に上げない。エントランスで押し問答をするべきだ（近所の目はこの際気にしない）。

  さて、この星占いは、つまり何を占ってくれたのであろうか？

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