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特別に大リーグに興味はない。ア・リーグとナ・リーグがあって、メジャーとマイナーが日本でいう一軍と二軍みたいなもんで、ワイルドカードっていうのはモゴモゴ、という程度の知識だ。でもまあせっかくのチャンスだから注目している。大リーグの年間最多安打257本までもう少しなのだ。しかし残り14試合で1試合に1・5本のペースが必要だ。
講師室で話していたら、ある先生が「イチローはかなり記録を意識していますよね」と言っていた。僕も基本的には同感だ。あのレベルの選手が短期的な目標を立てずにプレイするとは思えない。この場合大切なのは「短期的」であることだ。つまり目標可能な数値設定をして、それをクリアするように努力する(実際にクリアすることが多いだろう)。
イチローは「1年間200安打が絶対の目標だ」と言っていた。それはつまり「200安打は可能な数値であり、俺はそれをやってみせるし、その能力があるし、ほら、達成できただろう?」という宣言なのだ。
だから年間最多安打の記録が見えた時点で彼は意識をしているはずだと思う。それは可能達成な数字であるということがまず第1の理由。第2にチームが低迷していてそれくらいしか話題作りがないということ(オリックス時代もそういう感じのことが多かったな)。
なにしろこの人は普通の選手と言うことが違う(やることもかなり違う)。たとえばホームラン。彼にとってはホームランは「狙って打つもの」なのだそうな。ゲームの流れが向き、相手投手と自分の組み合わせが向いたときに狙うもの。どうやって狙うかと言ったら「ボールのちょっと下を叩く」のである。少しだけ打ち上げる感じでホームランの軌道を作るらしい。・・・「ちょっと下」って、どういう動態視力してるんだ? そう、彼にはそれを実現するだけの能力があるのだ。
普通の一流選手は「ホームランはヒットの向こう側にあるもの」などというが、イチローはやんわりとそれを否定するのだ。「僕はホームラン打者ではないから」と前置きして。どこまでもクレバーな男だ。
個人的に思うのだが、「できる人」は自分の近くに目標を置くことが多い。たとえば石油王になるとかビルゲイツになるとか言わずに、「まずはこれこれを成し遂げる」と考えるのだ。もちろん最初からビッグになることを目標にして成し遂げる人もいると思う。でも現実的にはビッグになれる人はほとんどいないし(まあ間近に見たこともないからだろうけど)、世間的に高い評価を受ける人は短期目標をかなり厳しく立てているような気がする。
さてイチロー。ギリギリで達成できないと見た。と書くと予想を裏切るんだよね、このヒト。
可能性を見せる男。夢を共有させてくれる選手。僕たちの親の世代が長嶋を誇りに思ったように、僕たちも30年たったら「イチローは凄かったんだ」と言いたいものですね。
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