予備校講師でわるかったな!





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予備校講師の実情その8 11月4日
  授業アンケートの恐怖に関して1発目。
  僕は自分が受験生のときに予備校でアンケートを書いたことがない。Yゼミの単科授業(特定の講師によるオリジナルゼミ)しか受けたことがないからだ。どうやら普通は「本科」と呼ばれる正当なコース(クラス)でしか取らないものらしい。


  さて、予備校の授業アンケートとは何か。生徒であるお客様(逆かな)に、商品である講師(逆じゃないよね)を評価していただくことである。年に2回が業界の通例。これは生徒様の要望を吸い上げて、より良い授業=商品を提供するための工夫である、というのはきれいごとである。
  もちろんそういう側面もあるし、そういう利用方法が本来の姿だが、実際は講師を予備校が評価するための最も重要な基準になる。アンケートが良ければ評価=時給があがるし、悪ければ評価が下がる(早い話がクビを切られる)

  わかりやすく言えば、いい年をしたおじさん・おばさん・ヤング(僕)講師が、20歳に満たないお子様(生徒様)に評価されちゃうのである。ひどい話と言えばそれまでだが、実際にお金を払ってくれるのは生徒様なんだから仕方がない。大人の視点から行う評価も大切なことは事実だが、実際に教室で受講するのは生徒なのだ。


  アンケートの項目は予備校により多少異なるが、基本的には10個くらいである。

「黒板の字は見やすいか」
「声は聞き取りやすいか」
「説明はわかりやすいか」
「授業を受けて力がついたと思うか」
「またこの講師の授業を受けたいと思うか」
「授業に満足したか」

など、だいたい同じようなものだ。3〜7段階で生徒様はマークシートで答える。
  数値化するものとは別に自由にコメントを書くこともできる。もっとも、こんな面倒なアンケートにコメントまで残してくれる生徒様は少ない。


  そして集計。
  項目ごとに各講師の平均値が算出される。もちろん全講師の平均値も算出される。その結果は講師に返ってくるわけだが、これは一般に「講師へのフィードバック」と呼ばれる。クラス別・各項目別の一覧表が講師に渡されるわけだ。
  物理的に講師に手渡すだけの場合もあるし、講師と職員が簡単な面談を行う場合もある。いずれにしても我々予備校講師(商品)はその数値を見て肩を落としたり祝杯をあげたりするのだ。まあだいたいは前者になるんだけどさ。ぶつぶつ。
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