予備校講師でわるかったな!





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予備校講師の実情その9 11月6日
  授業アンケートの恐怖に関して2発目。
  たまたまその日は授業アンケートである。市進ではその授業に出席した生徒だけを対象に無記名式のアンケートを取る。賛否はあるだろうが、一つの方法である。


1、無記名式であること
  自由で率直な意見が聞けるが、無責任な「つけ方」をする生徒が増えてしまう。生徒様からすれば面倒な作業であり、真面目に答える気もしないので全ての項目を「普通」にしたり、あるいは全て「満足」にしたり、あるいはその逆もあるだろう。
  無記名ということでコメントに暴言が出ることがある。授業への批判などではなく、講師の人格や服装に関する悪口の温床になってしまう場合もある。もちろんその逆もある。

2、当日出席者だけ書けること
  その授業当日の印象しか反映されない危険がある。その日の項目がわかりにくいと感じただけでマイナスの評価をつける可能性も上がるが、逆のパターンも考えられる。
  たまたま講師にとっての信者(崇拝するように講師を愛する生徒様)が欠席すると数値が下がる。逆に講師に不満を持つ生徒様がたまたま欠席してマイナス評価が減る場合もある。

  この2点を考えてみると、やはり全体としては「一つの方法」であると僕は思う。偶然性を排除することができるだけ望ましいが、その偶然性も結局はバランスが取れるので一概に否定することはできない。


  アンケートの日に僕が気をつけることは2つ。

1、授業を延長しない。
2、生徒に媚びない。

  1に関しては物理的な問題である。アンケートが生徒にもたらすメリットはそれほど大きくない。終業のチャイムが鳴ったあとにまで拘束されるのはいい気分ではないだろう。もちろん生徒だから早く帰りたい・次の授業の教室に行きたいなどの希望があるはずだ。一方でいいかげんにつけてもらってはアンケートを取る意味がない(ちゃんと参考にするし、上の人は講師の評価に使う大切な資料である)。
  だから僕は最低でもチャイムより30秒以上早く授業を終わらせて、時間をかけて書いてもらいたいと思う。実際に、僕は最後の礼をしてから
「アンケートがあるから鉛筆だけ残して帰り支度をしてください。よろしく〜」
と言いながら教室を去る。

  2に関しては絶対に守らなければいけない。もしアンケート当日だけ生徒のご機嫌取りをするなら、普段叱りつけながら授業をしている自分を否定することになる。予備校の仕事とは関係なく、実際の生活でも僕は「調子のいい奴」に自分がならないように、そして近づかないように気をつけているくらいだからだ。
「今日はアンケートがあるんだけどさあ、こういう時に刺激する発言は良くないけどさ、この選択肢選んだ奴は終わってんだよ!


  教室を出るときは緊張する。今日はいい授業ができただろうか? この1年、きちんとした授業ができただろうか? そしてそれは数値に表れるだろうか? できればいい方に表れてくれないだろうか・・・?
と肝を冷やすのがアンケート当日なのだ。
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