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最近はこんな読書2 11月14日
  日記でも紹介した「だめんず・うぉーかー」というマンガから。倉田真由美という売れない漫画家がSPA!で連載しているものらしい。

>男を見る目のない女の会だめんず・うぉーかー

の会員であるくらたま(倉田真由美)が、会長渡辺ヨーコ(女流麻雀プロ)とともに
「どんな男が駄目であるか? なぜ私たちはそのような男に引かれる馬鹿女なのか?」
をギャグにして語るという自虐マンガである。

  読者から同士をつのって「なぜにこんなにダメ男が多いのか」を説明してくれるわけだ が、こういうのを読んでいると34歳独身であるオレって・・・と思えなくもない。25 歳以上の人は身につまされながらゲラゲラ笑えると思う。


  吉田修一「パーク・ライフ」。芥川賞を取ったこの作品が文庫化された。最近では「東 京湾景」がテレビドラマ化された作家である。
  日比谷公園で出会った男女の生き様を描く・・・と説明すれば格好いいが、正直に言っ て「で、それで?」という感じもする。

  前にも書いたように、一般に芥川賞は「こいつは(大作家になる)芽があるかも!」と いう作品に与えられるものなので、この作品自体はこんなものでいいのかもしれない。少 なくとも他の作品も読んでみるか、という気にはなった。


  「浮いたり沈んだり」は将棋棋士である先崎学のエッセイ。
  週刊文春に連載されるエッセイはさすがにレベルが高い。見開き2ページ(文庫本だと 4ページくらい)で週刊のエッセイだからかなりの文章力が必要だし、持ちネタが豊富で あることも大切だからだ。

  将棋指しというと普通は羽生善治しか世間の人は知らないわけで、その特殊な閉鎖され た世界を語るわけだから相当難しいはずだ。しかし先崎の軽妙な語り口というか異常な性 格または素敵な文才のおかげで、読みやすく楽しい。さすがに棋士なので作品数は多くな いが、エッセイ好きの人にはお勧めできる。


  久しぶりに辻仁成の新刊「代筆屋」。
  久しぶり、というのは僕が前作の「刀」の購入をパスしたからだ。僕が単行本で買うこ とを基本にする作家は非常に少ないのだが、彼はその一人だ。

  売れない作家が手紙の代筆をする。
とこれだけの話である。10通のケースを紹介する形。1通だけ「いいなあ」という手 紙があったが、あとは肝心の手紙の内容がしょぼい。発想は非常に面白いと思ったのだが 。

  しかしこの人もミポリンと結婚してから多作すぎるんじゃないかと思う。もっとテーマ を暖めて時間をかけて書いてもいいんじゃないか、と余計な心配をしてしまう。また一方 で変わった構成の小説なので普通の小説に飽きたなあ、というコアな小説読みの人は楽し めるかもしれない。


  最後に村山由佳「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズ。
  彼女はつい最近「天使の梯子」という新作を上梓(=出版すること)した。この作品は 名作「天使の卵」の続編だということ。

  さて「おいコー」は現在、文庫では6作目まで出ていて、8作目(?)以降はウェブ小 説として公開されているようだ。
  19歳の男の子と24歳の女性の恋物語である。実に淡い恋で、稚拙というか幼いとい うか、お前らハッキリしろというか、早い話が

「早くヤッちまえよぉぉぉぉ!」

という感じのもどかしい青春小説である。しかしいい大人である僕がハマっているともい える。

  もともと「若い人に本を読んでもらおう」ということを意図してこのシリーズを始めた らしい。恋をしたい・あるいはしたくない中学生から大学生くらいまでの人にお勧めでき る。ただし、「いや、わし、19世紀のロシア小説が一番なんだよね」という人が読むと 激怒するかもしれないなあ。
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