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トイレットペーパー的和製英語 12月31日
  和製英語を責めるつもりはない。ピジン英語がそうであるように、英語のような普遍性 の高い(高すぎる)言語を、特定の国が特定のやり方でアレンジするのは全く問題ないと 思う。
  なぜならば、こういう場合を考えてほしい。

  英語を母語とする人が日本に観光に来る。彼・彼女は日本語ができないから(今の時代 に観光のためだけに外国語を練習する必要はあるまい)、英語で意思伝達をしたい。世界 共通語に近づいている英語なのだから何とかなるだろう。
  しかし日本人の使う英語はヘンである。意味ワカラナイアルネ。ストレンジあるね。

  そんなこと言ったって、ここは日本である。ネイティブ的にどうこうとか言う前に、片 言でも英語を理解する人間は10%足らずでも存在するのであり、自分の国にいながら「 共通語」である英語で意思伝達を図ろうとしているのだ。まして相手は英語ネイティブで ある。これはかなり協力的な態度だと思う。

  むしろ、和製英語というか「その国でしか通じない英語」を所持している時点ですばら しいことだと思う。結果はともあれ、その言語(英語)で意思伝達をしようという努力を 行っているのであるから。それだけの経済力やバックボーンがあるのは事実だが、モンゴ ルの辺境で英語が通じるか(島根県あたりではマズイかもしれんが、島根に観光する英語 ネイティブはそんなにいるまい)?


  というのが僕の基本的な考えであるが、最近それをくつがえすトイレットペーパーを見 てしまった。某M新聞の勧誘員が契約継続のサービスでくれたのだ。もちろん外装に印刷 されている文字のことである。引用する(Quaretteというのは商品名)。

Quarette is soft touch and economy
type toilet roll tissue
This propose your confortable life

  いったいどういう「和製英語」なのであろうか?
  「エコノミータイプ」というのもすごいし(さすがにトイレットペーパーにまで economicとeconomicalの違いまでは要求しない)、typeが形容詞になっているのもすごい し、andが繋ぐものがないのもディープだ。3人称単数のsがないとか、おいおいThisは何 を指すんだとかまでは言わないが、confortableとまでくるとは思わなかった。トイレで 、ええと、用事を済ませながら脱力した(それじゃあダメか・・・)。


  某電器会社に「It's a Sony」というのがある。見事な冠詞の使い方である(不定冠詞 とは読み手に名詞を想像させる道具である)。僕はそんなことを要求しているのではない 。

スペルだけでもチェックできなかったのか、あんたら。

  受験生で「へ? どこに・・・」と思った人がいないことを願うけどね。
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