予備校講師でわるかったな!





各ページのご案内はコチラ 

proflile 自己紹介

diary 日記

essay エッセイ

bbs 掲示板
  

Copyright (c) 2004 
takeshi nobuhara All Rights Reserved. 

essay エッセイ
予備校講師の実情その13 1月2日
  予備校講師の収入のほとんどは授業を行うことで発生する。他にはテキスト・テスト作 成や大御所なら参考書の印税などもあるが、基本は授業に対して払われる時給労働である 。
  そのシステムについて今回は考えてみたい。あ あ、これはヤバイネタだあああ。


  予備校講師のほとんどは1年契約をする。予備校により違いはあるが、基本的には1年 契約をして、その1年の間の「コマ給」を決める。
  「コマ給」とは「1コマあたりの基本 給」である。「1コマ」は90分であることが多い。たとえば90分1コマで7200円 なら時給で4800円、分給で80円ということである。そう、予備校講師とは事実上の 時給労働者なのである。


  「コマ給」は最低賃金を保証するものではない。実際に依頼する授業の数@によって重 みが変わるわけだ。極端な例をあげれば、

「来年は1コマ10万円でお願いします。お願いする授業は週1回1コマです。当予備 校は1年間に22コマです。講習は依頼しません」

といわれたら年収は220万円である。いくら単価が高くても担当授業の数@が少なけ れば低収入になってしまう。1コマ1万円でも1年に221コマ担当させてもらえれば( 労働効率の問題はさておき)年収が多くなるわけだ。

  A(コマ給)×担当授業数@=B(年収)

ということがここまでで判明した(理解できない人はいないと思うが)。


  そこで働く立場からすればB(年収)をいかに高くするか(確保するか)が問題になる 。それをハッキリさせるために、予備校によっては、あるいはその講師の立場によっては 「最低保障コマ数」などもあるという。つまり、1年間で最低でも500コマはやっても らいます(お金を払います)よという告知である。
  しかしこの種の契約をする講師は少ない。悪く言えばそこまで契約をしなければいけな いほどお互いが相手を信用していないことになるし、良く言えばそこまで高い評価をもら える講師は少ないのである。ちなみに僕もこの手の契約をしたことはない。
  言い換えれば例年の実績などから「どのくらいの担当授業数@になるか」は想像がつく ので、とりあえずの関心はA(コマ給)をどれだけ高くしてもらうかになる。


  新年度のコマ給Aに関して、講師の希望が通ることはない。というより、新学期が始ま る直前に一方的に通告されて「はいわかりました」というくらいしか権利がないのだ。し かしもちろん大御所になるとそうはならず、出講できる日数・コマ数・曜日などを前もっ て予備校側がうかがい、それらとコマ給Aをめぐって一席が設けられるという。
  以下は推測だが、某小料理屋(料亭ではないと願いたい)でこのようなやり取りがなさ れる。

「来年? いくらくれんの? え? コマ給2160円アップ? 少ないなあ。じゃあ来 年は出講曜日は減らしますわ。え? 困る? いやあ、困るのはこっちですよ。生活があ るんだからさあ。まあだからさ、そのへんもう少し考えてもらえばこっちも考えますよ。 へ? いくら欲しいのかって? だから考えてくださいって言ってるじゃないすか。別に いいんですよ、どうでも・・・(以下長文略す)」

などとやっているらしい(たぶん)。
  世間の常識からすれば「金くれ仮面」のようで非常に醜い姿だが、厳しい現実を考えれ ばこういうヤり取りになるのは仕方がないだろう。

  ところがやはりこれはごく一部の特権階級にだけ許される悪行(でいいのか?)であっ て、ほとんどの講師は2〜3月に送られてくる契約書を見てガッカリするのである。
essay エッセイ  
これまでのエッセイはコチラ