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予備校講師の収入のほとんどは授業を行うことで発生する。他にはテキスト・テスト作
成や大御所なら参考書の印税などもあるが、基本は授業に対して払われる時給労働である
。
そのシステムについて今回は考えてみたい。あ
あ、これはヤバイネタだあああ。
予備校講師のほとんどは1年契約をする。予備校により違いはあるが、基本的には1年
契約をして、その1年の間の「コマ給」を決める。 「コマ給」とは「1コマあたりの基本
給」である。「1コマ」は90分であることが多い。たとえば90分1コマで7200円
なら時給で4800円、分給で80円ということである。そう、予備校講師とは事実上の
時給労働者なのである。
「コマ給」は最低賃金を保証するものではない。実際に依頼する授業の数@によって重
みが変わるわけだ。極端な例をあげれば、
「来年は1コマ10万円でお願いします。お願いする授業は週1回1コマです。当予備
校は1年間に22コマです。講習は依頼しません」
といわれたら年収は220万円である。いくら単価が高くても担当授業の数@が少なけ
れば低収入になってしまう。1コマ1万円でも1年に221コマ担当させてもらえれば(
労働効率の問題はさておき)年収が多くなるわけだ。
A(コマ給)×担当授業数@=B(年収)
ということがここまでで判明した(理解できない人はいないと思うが)。
そこで働く立場からすればB(年収)をいかに高くするか(確保するか)が問題になる
。それをハッキリさせるために、予備校によっては、あるいはその講師の立場によっては
「最低保障コマ数」などもあるという。つまり、1年間で最低でも500コマはやっても
らいます(お金を払います)よという告知である。
しかしこの種の契約をする講師は少ない。悪く言えばそこまで契約をしなければいけな
いほどお互いが相手を信用していないことになるし、良く言えばそこまで高い評価をもら
える講師は少ないのである。ちなみに僕もこの手の契約をしたことはない。
言い換えれば例年の実績などから「どのくらいの担当授業数@になるか」は想像がつく
ので、とりあえずの関心はA(コマ給)をどれだけ高くしてもらうかになる。
新年度のコマ給Aに関して、講師の希望が通ることはない。というより、新学期が始ま
る直前に一方的に通告されて「はいわかりました」というくらいしか権利がないのだ。し
かしもちろん大御所になるとそうはならず、出講できる日数・コマ数・曜日などを前もっ
て予備校側がうかがい、それらとコマ給Aをめぐって一席が設けられるという。
以下は推測だが、某小料理屋(料亭ではないと願いたい)でこのようなやり取りがなさ
れる。
「来年? いくらくれんの? え? コマ給2160円アップ? 少ないなあ。じゃあ来
年は出講曜日は減らしますわ。え? 困る? いやあ、困るのはこっちですよ。生活があ
るんだからさあ。まあだからさ、そのへんもう少し考えてもらえばこっちも考えますよ。
へ? いくら欲しいのかって? だから考えてくださいって言ってるじゃないすか。別に
いいんですよ、どうでも・・・(以下長文略す)」
などとやっているらしい(たぶん)。
世間の常識からすれば「金くれ仮面」のようで非常に醜い姿だが、厳しい現実を考えれ
ばこういうヤり取りになるのは仕方がないだろう。
ところがやはりこれはごく一部の特権階級にだけ許される悪行(でいいのか?)であっ
て、ほとんどの講師は2〜3月に送られてくる契約書を見てガッカリするのである。
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