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ときどき昼食を食べに行く韓国料理店がある。時代は韓流ということで(ただのブームとも言う)なかなかに混雑しているから、お昼時を微妙にはずして行くわけだ。
もちろん一番人気のメニューは「石焼ビピンパ」である。しかし僕はそのような初心者向けのものは注文しない。クッパ(ご飯のスープがけ)やチゲ(鍋料理)やポッポ(だっけ? 炒め物のこと)が基本である。
注文すると、まずスープとキムチと小皿料理が出てくる。もちろんご飯とおかずで食べたいと思っているから、「なんだなんだ?」という感じがする。だってそうでしょう? ビールを飲んでいるわけじゃないんだから、キムチだけで食べたくはないし、少なくとも
ご飯が必要じゃないですか?
だから「????」という顔をするしかないが、とにかくその3品は目の前に出てくるのだ。しかもその速さは注文して30秒以内(何があっても1分はかからない)である。なんだろうーなーと思っていたのだが、最近その事情を知ることができた。
韓国では「料理は少しでも速くサーブすること」という流儀があるそうなのだ。いやしくも食べ物屋に入ったら即座に注文し、店の人間は即座に食べ物を出す。チェ・ジウさんの例をひくまでもなく、「食べるの大好き!」の韓国人にとっては、「食事を待たされる」なんてのは我慢ならないことらしい。
そこで注文したものが到着しないと、客は 「ハリハリ(早くしてよ)!」 と叫ぶ。したがってメインディッシュができる前に前菜としてキムチなどの小皿料理を出すらしいのだ。知らなかった。
炒め物を食べ終わらんとするとお店のおばさん(この店は料理人も給仕さんもネイティブの人ばかり)は「足りるか? ご飯お代わりしないか?」と質問してくる。
辛い料理だから、ご飯は常に少しだけ足りない感じなので、ちょっとだけくださいと頼むとキッチリ1杯よそってくれる。むむむむ、こんなに要らないよなあと思いながらも汁が辛いので食べきるとまたおばさんが寄ってくる。
まだ食べられるやろ? 炒め物のスープが残っているやろ。そこにご飯入れて混ぜて食べるとよろし。すごく美味しい。うん、キムチもサービスする。食べろ食べろ。おなかイッパイまで食べなはれ(うそ。関西弁は使わない)。
なんだなんだと断ると(本当に腹いっぱいなのだ)、おばさんは悲しそうな顔をする。ご飯はともかく、なんでキムチまでサービスしてくれるのか?
どうやら、韓国では「料理を全て食べてしまう」のは「食い足りないんだよ、もっと出せよ」というサインであるらしい。もったいないとかそういう考えは存在せず、サーブする側は食べる側が残すまで料理を出すべきと考えるらしい。ちなみに、これは中国でも同じらしい。らしいが多いけど、あくまで書物による知識だからしょうがない。
でも、本当におなかイッパイなんです、おいら。
値段は少し高いけど、とてもいい店である。紹介できないのが残念だ。
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