予備校講師でわるかったな！

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	おおマイカー！	2月23日

  予備校講師は車を所有する人が多い。通勤などでは遅刻が怖くて乗れないから、たぶん金が余っているんだろう。だから僕が

「車なんて持ってないっす。こないだ必死で自転車買ったっす。名前まだ付けてないっす」

というと、なんだこいつはという反応をされる。
  車を２台所有しているとか、ジャガー持ってるとか、奥さんの車はＢＭＷだ、俺の３本目の足はカマロだ、ベンツを買った、とか何とかかんとか、みんな車を持っているのだ。

  僕がそれを取得したのは大学４年の初春。
  家族の友人から赤の「ホンダ・シビック」を買った。５速マニュアル、燃費はリッター１６Ｋという当時としても良い車だ。値段は１万円。１万円ですよ、１０万じゃない（ラジコンでもない）。本当は２万円だったけど、引渡しが遅れたので５０％割引ということだ。
  これがすごい車だった。

１、パワステがない（ハンドルが死ぬほど重い）
２、クーラーがない（暖房はある）
３、運転席側の窓が全開しない（三分の一は開く）

  パワステとはパワーステアリング、つまり指でハンドルを回すだけで車輪が左右するシステムのことだ。もう１０年以上前の話だけど、そういう車がまだ存在したんだよね、まじ。
  クーラーって・・・と思う人もいるだろうなあ。昔はそうだったの！
  窓・・・いいかげんにしろって感じですね。

  しかし人生初の愛車である。僕は彼女をとても愛した。ワックスこそかけなかったけど、毎日のようにエンジンをかけ、窓を磨いた。電車で通っていたアルバイトにも車で２０分かけて行った。スピードは出ないし力もないけど京都旅行にも使った（遠かった）。でも、たった２ヶ月で別れることになった。
  クーラーが効かないのだ。じゃないか、はじめからクーラーがないのだ。４月半ばに車庫入れをしていたら汗が流れた。さすがに僕も時代の子なので頭に来てしまった。５月に車検が来ることだし、大学のサークルの後輩に２０００円で売ることした。２万円じゃない（ミニカーでもない）。

  ２代目（でいいのか）は福島県から連れてきた。そこに親戚がいて、銀の「トヨタ・ターセル」を５万円で売ってくれるというのだ。しかもクーラー付き。行きましたよ福島まで。朝の５時前に福島を出発して、いわき市の近くまで出てから常磐道でまっしぐら。調子に乗って１７５キロ出しちゃったりしてね。今と同じく世間知らずだったのでオービスという自動取り締まり機を知らなかったわけね。
  それは確か１９９３年５月２日だった。しかし事情があって、その３週間後に愛車と再び別れる。それ以来、僕は車を所有しない。正直に言えば、車なんかなくても大丈夫だって。

  と、綺麗にまとめようと思ったらこの春休みにマツダ・ロードスターを買ってしまった。８６０万円。

というのは全くのウソで、自転車に早く名前をつけてあげたいものだ。貧乏だなあ。

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