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私は朝の8時前に小田原駅に到着した。この駅前にある某Nレンタカーで旧型MARC
×という車を借りるためである。レンタカー屋なので大根や砂消しゴムを借りるわけには
いかないのだ。
もちろん予約をしておいた。しかし営業所には店員の姿が見えない。ドアには鍵がかか
っている。ガラス張りなので中が見える。ホワイトボードには「8:00 ノブハラ」の
文字が見える。間違いなく予約は入っている。営業時間は8時から20時である。
寒い朝だ。ちょうど通学時間なので高校生の姿が駅前には多く見える。さすがに静岡ま
でくれば、私こと信原ベッカムの顔が割れていることもないだろう。ボーゼンとして寒さ
の中で立ちすくみ、店員のタコが現れるのを煙草を吸いながら待つ。
8時4分、タコが車で到着した。
「ご予約のお客様ですか?」
お客様以外に、レンタカーの営業所ごときの前で立ち尽くすバカがいるというのか。時
間単位で車を貸す商売の人間が、たとえ4分とはいえ遅刻していいのか。お前はお客様を
なめているのか。俺だってお客様のことを(イヤイヤ)生徒様とお呼び申し上げているの
だっ!
ということは言わないで(当然だ)手続きをする。恐ろしいことに免許証のコピーを取
っただけで車に案内される。保険の問題もあるから契約書を結ぶのが本来の流れなのだが
、いったいどうなっているのか?
「遅れてしまいましたので・・・。時間もありますし・・・」
とタコは恐縮の極みの(ような)顔をしている。私はアホではないので「まあそういう
こともありますよ」と笑顔で車に乗り込む。カルロス・ゴーンのメアドを捜索しなけれ
ばなるまい。問題は、私にはフランス語が一言も書けないということだ。
時間があるので、とりあえず国道1号線を西に進み、箱根は宮の下の富士屋ホテルの前
を通って芦ノ湖畔に出る。とんでもない急坂であり、とんでもなく寒い(湖畔のそばでマ
イナス2℃!)。こんなところで「大学駅伝」をやっていたのか。
さて沼津に出て伊豆半島凌辱(りょうじょく=はずかしめること)、じゃないや1周の
旅に移る。その前に簡単に伊豆半島の地理を紹介しよう。
1、まず縦長の長方形を書く
2、左肩にあるのが沼津
3、底辺の真ん中にあるのが石廊崎
4、右肩にあるのが熱海
5、右辺の上から3分の1くらいに伊東
6、右辺の下から3分の1くらいに下田
7、重心(ど真ん中)のちょっと上が修善寺
8、重心のちょっと下が天城
こういう感じである。前回の「南東北激走!」シリーズについて、「地図を見ながら読
んでしまった」というオタクな読者様がいたそうなので、配慮である。今すぐにメモ用紙
に図を書きなさい。
いくつかの声が聞こえた。
「あの、ハトヤの伊東しか知らないんですけど」
「天城ってカラオケの天城越えですか」
「下田ってペリーが来たところ?」
「石廊崎って天気予報で出るやつですよね?」
「このエッセイ、いつになったら激走するんですか?」
世界を知るには日本を知れ。敵を知るには己を知れ。続きを読みたければ「その2」を
読め、というではないですか。
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