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「左肩」の沼津から見えるのが駿河湾だ。「左辺」の地域は西伊豆と総称される、海と
富士が美しい地域だ。
しかし交通の便が非常に悪く、訪問者の数は少ない。それがためにダイビングの穴場と
して知る人ぞ知る秘境なのである。
というわけで知らない人は絶対に知らない西伊豆の町、戸田(へた、と読む)を目指す
ことにする。左肩から左辺の上から3分の1くらいへの移動である。車のナビを起動する
。む。ナビは修善寺(重心よりやや上)を経由する道を示している。
伊豆といえば海べりである。それも西伊豆ならなおさらだ。海岸線に沿う道がちゃんと
あるのだが、ナビはどうしても「そっちに行くな」と指示を出している。たぶん修善寺経
由の方が早くて便利なのであろう。あまねき人々と同じように、私は文明の利器を利用す
るが信用しない。したがって海沿いの進路を取るようにする。利用してないじゃないか、
という反論はいつものように無視。
晴れている。海は青い。群青色というのが正しい、清い海だ。まるで私の心のようだ。
海岸線沿いの道は極めて厳しい。あちこちで落石していて片側通行になっているのはいい
として、どこも補修工事をしていない。おっかねえなあ。
海を右手に見ながら、左手に山が迫っている。スマトラ島の地震と津波のことを思う。
今まさに東海地震が起こったら完全にアウトの地域である。集落があらわれるたびに「地
震に警戒しよう! 津波に備えよう!」というスローガンが現れる。 どうやって備えるつ
もりなんだお前ら、 という感じもするが、まあ事情があるのだろう。津波が来ない限りは
素敵な土地だ。
戸田を通過して更に南下し、土肥(とい、と読む。難しいな)に着く。ちょうどお昼な
のでご飯を食べる。ガイドブックにある店が簡単に見つかり、生ビール。おお、お通しに
出たイカの塩辛が旨い。これは刺身定食も期待できるな。5分後、舟盛り(!)が出てく
る。なんかすごいことになってきたなあ。
店を出て車の中で読書。やはり眠くなってきたので昼寝。舟盛りについてはコメントを
差し控える(くらい旨くなかった。不思議だ)。
またまた南下して左辺の下から4分の1にある松崎に着く。風が猛烈に強く、波しぶき
が車のミラーを汚す。それほど海が近いのだ。
松崎。何もないただの漁港の街だ。これはなかなか辺境なんだなあ。
さて今夜の宿は河津(右辺の下から4分の1にある)である。山を越えて宿に向かうつ
もりだったが、まだ2時だ。思ったより伊豆半島は狭いようだ。感覚的には、千葉県の半
分くらいの面積ではないか。予定を変更して最南端の石廊崎に向かう。見たいものがある
のだ。
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