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結局、セブレブ(死語か?)には高校3年の6月まで勤めた。楽しいこともいやなこともたくさんあった。でもまあ、受験を理由にして去ることにした。やめるころの時給は560円くらい。学校が休みの時期を挟むときには4万円近い月収になっていたかもしれない。
仕事そのものは単調と言える。
まず掃除。バイトに入ったら即座にホウキがけ、これは新人の基本。雨模様ならモップがけ。ジーンズのお尻のポケットには常にハタキが入っている。
商品棚の整理。フェイスアップと言って、商品が棚にイッパイに並んでいるように少なくなった商品を棚の前方に出すのだ。とくにオニギリなどの食品は徹底的にこれをやる。残り物に見える食品は買ってもらえない。コンビニだから、短い時間で効率よく品物を売り切ることが必要だ。
冷蔵庫の品出し。勝負はビール。夏場と、特に正月は笑えるほど売れる。ビール1ケース分が30分もかからないことがよくある(注:80年代半ばにおいてはコンビニで酒類を販売している店が少なかった)。冷蔵庫で重いものを運ぶから腰が痛む。考えてみればこの時期から腰に悪いことをしていたことになる。
いやなこと。
ありがちだけど冷蔵庫の裏で誰かが商品を食べてしまったらしい。なぜかヨーグルトのカップなどが発見されて(捨てることを思いつかなかったのだろうか?)けっこうシリアスな展開になった。
薄利多売の逆をいくコンビニ業界ではあってはならないことなので、そのカップは警察に回されて指紋を調べられた。しかしもちろんあまりにも多くの指紋があり、たとえ犯罪者が触っていたとしても特定できない。店長は全ての雇用者を数人ずつ集めて説教。
「こういうことを友達だから見逃すというのは間違っている(まあ奇麗事だよな)。だから知っている人は名乗り出てほしい(ってかマジで知らないんだけどな)」
楽しいこと。
それはまあ、アレですよね。10代後半の若い男女が集まって仕事をするわけですから、ってかなんつーの?
恋の鞘あて(男子は主語に注意しなさい)、 嫉妬(女子は笑いなさい)、 陰謀(大人は苦笑しなさい)、 決闘(ロシア小説ファンはしびれなさい)。
まあ年齢的に考えてそれ以外は考えられないから、まあなかなかにお盛んでしたよね、皆さん。でも一応は仕事場だからちゃんと分別もあったんだけどな。でも冷蔵庫を裏側から整理していたらレジの女子が手を振ってきてくれたのはシビれたな。しかもその後で
「・・さん(僕の1つ下の女の子)が信ちゃんに話があるんだって」
と先輩に言われたのは・・・まあいいや、この話。
バイトをすることでよくわかったのは、やはり社会の多様性だ。バイトも社員も自分とは違う境遇の人が基本である。適当に勉強をしてまあまあの高校に進んで、かなりオチこぼれていた僕のような人には会わなかった。少なくとも、そういう人がいても仲良くならなかった。
同い年の男の子。バイク乗り。だからといって不良ではない。
5歳年上の大学生。僕と同い年の女の子と付き合っていて(ロリコン気味じゃないかと当時は思った)それを自慢する。
1つ年下の女の子。ちょっとだけ男の子に思わせぶりな立ち居振る舞い。
2つ年上のベテランさんの女性(まだ俺が16だったからなあ)。色々と教えてもらった。
誰も名前を思い出せない。
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