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05日本ダービー観戦記 6月4日
  ディープインパクト。4連勝でダービーに挑戦。


  この50年、無敗の日本ダービー馬は今まで5頭とのこと。
  90年代前半、つまり僕が馬券を頻繁に買っていた時代に2頭もでている。トウカ イテイオーとミホノブルボン。トウカイテイオーはナマで観にいった。
  負ける気配がなかった。正確に言えば、勝つしかないような空気を彼は持っていた 。そして勝った。

  ダービーとは全ての競走馬の目標となるレースである。ダービーは3歳馬だけが参 加を許される。つまり全ての競走馬はダービーに人生で1回しか挑戦できない。ダー ビーを制覇することは、ある1年に産まれた競走馬(国内だと6000頭くらい?) の中で1番強いという称号を勝ち取ることだ。
  極端な言い方をすれば、ダービーに勝つために競馬というスポーツは行われている 。それは絶対的な名誉。


  さて今年のダービーはTVで観戦することにした。
  単勝1.1倍(支持率73%以上)の圧倒的1番人気はディープインパクトである 。僕はこの馬のことを良く知らない。4月の皐月賞だけTVでレースを観たことがあ る。スタートで出遅れて、しかし馬群をうまくさばいて楽勝。ぜんぜんモノが違うん だなあと思った記憶がある。

  人気が片寄るレースで馬券を買うのは難しい。
  僕はA型にありがちな本命重視派なので、1頭だけが極端に人気のある(つまり配 当が低い)レースはかえって苦手なのである。だから馬券は買わないことにした。そ れでいい。熱意はもてないけど、観るだけでも楽しめる空気がダービーにはある。


  ディープインパクトは今日もキッチリと出遅れする。しかしスタンドのどよめきは 少ないように感じられる。彼が勝つ運命にあるレースなんだから、とでも思われてい るのだろうか。競馬に縁遠くなった僕にはその空気は読めない。

  ここまで4戦して無敗の馬。
  馬が何を考えられるのかわからないにしても、負けた経験がないのは必ずしもレー スで有利に働くものではないだろう。負けるレースを知ることで騎手の動き方も違っ てくるのは、テクニカルな目を持つファンからすれば自明のことだ。
  騎手の武豊はディープインパクトにゆっくりとしたレースをさせる。後方から少し ずつ差をつめていくレースの中盤。

  競馬ファンの多くが無敗の馬にあこがれる。ディープインパクトの「単勝1.1倍 」というのは、ハイセイコーを超える史上最高の支持率である。僕はもちろんハイセ イコーを知らないし、今の高校生の親でも知らないかもしれないけど、とにかく異常 な人気だ。


  スタートの出遅れは何も問題がなかったようにディープインパクトはブッチ切りで 勝つ。最後のコーナーでいちばん外を回って、坂上(2400M競争の最後の200 Mの地点)で先頭に立つ。
  引き離す。勝つって決まってるんだという雰囲気を携えて。

  騎手のインタビューを聞いてTVを消す。知らない馬だから、感動はしない。すご いなあと素直に思うけど、それでも感動はできない。


  92年、トウカイテイオーが無敗でダービーに勝ったレースを思い出そうとする。 パドック(=レース前の下見所)だけは思い出せる。
  時間を共有した喜びがそのときにはあった。今はない。決して悪い意味じゃないけ ど。しかし。
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