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もう日雇いはいやだ。大学1年生の5月、僕はフロームAというバイト雑誌で仕事を探す。やりたいのは教える仕事。つまり塾講師だ。僕の人生はここで転機を迎えた。あくまで、結果としては。
僕の希望する条件は厳しい。
1大学と自宅の通学路の途中にあること。
バイトのためだけに移動するのは時間とお金がもったいない。労働効率を考える習慣はこのころについたようだ。
2高校生を教えるチャンスがあること。
教えるのが難しいことはわかるが、ガキンチョ相手ばかりだと疲れるからだ。
3基本的に国語と英語しかできないこと。
理系科目はさっぱりワケワカメである。社会はもう忘れてしまった。
4服装の規定がないこと。
文学部の学生がドレスコード(服装の規定)なんか守れるかよっていうナメタ態度である。
これだけ条件があると大手の塾はまずムリだ。とくに2と4が難しくなる。地道に小さい個人塾を探す。
江戸川区某所に発見。90分2500円。交通費は通学定期が使えない範囲のみ支給。
面接に行ってみると、僕の希望する条件は全て満たされることが判明した。ただし、高校生指導は大学2年生以上というルールがあるので1年間は我慢するしかないとのこと。これはしょうがないか。採用してもらった。
個人授業が中心の地元密着型の塾である。補習的な側面もあるが、ちゃんと4年制大学を受ける高校生もいる。集団授業は10人程度。小学生から高校生まで、生徒は100人以上いたと思う。まあ地元ではそれなりの評価をされているということだ。
新人なので中学生の個人授業からスタート。小学生は扱いが難しいし、だいたい中学受験指導というのはド素人には非常に難しいからだ。集団授業はベテランでないととてもまとめられない。だから個人授業から。生徒は3人、先生が一人である。
そしてもちろんデキの悪い生徒ばかり持たされる(実に当然だ)。まあ悪いと言っても、何とかして都立高校に入り込もうとは(一応)思っているレベルだから、話にならないということではない。
中学3年生の6月。テキストの問題を10分くらいで解かせて、答えあわせをしながら教えてあげる。
He plays tennis in the park.
を疑問文に直しなさい。
生徒の答えは
Is he plays tennis in the park?
ここからスタートした。このバイトは、僕の現在の職業の始まりだったんだ。
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