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予備校講師という不埒(ふらち=ロクでもないこと)な輩はどういう学歴を所有するのだろうか?
今回も「偽名編」と同じく証明する方法がない話題で申し訳ないとは思うけど、そんなのしょうがないですよね? 僕は某大学文学部英文学科90年度入学93年度卒業と公言しているが、証明する方法がない(する気もない)。大学の卒業証書なんてどこにあるのか・・・。
さて学歴。
あくまで本人の証言によるものだとしつこく断っておくと、東大・京大・慶応大・早稲田大などが多いようである。もちろん、いわゆるMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)もトーゼンいる。
ほう、なかなか高学歴なんだなあ・・・と思った読者は社会人ではないだろうか? 学歴は完全なるヒエラルキー社会(階層社会)なので、基本的には自分の属する階級という視点から見てしまうものである。
また一方で、高校生の生徒様からすれば
「MARCH卒なんて低レベルの人が教えてるの?」
となるかもしれない。
まあこれはしょうがない。予備校に通う時点で、ある程度の選抜を通過したあとではあるし、これから先にどういう未来が待っているのか想像できないのが若さの特権だ。学歴なんて、おっさんが語るものだと言ってもいいだろう。
話を戻す。学歴が予備校講師にどれほどの作用をもたらすか、いくつかの角度から検証してみよう。
・採用の段階
大手予備校は「××閥」などという存在がウワサされはするものの、そんなにハッキリしたものではないようだ。僕が予備校講師になった10年以上前はそういう風潮もあったようだが、学歴崩壊・学級崩壊の現代では決め手にならないのかもしれない。
中堅予備校(つまり僕の所属する2つなどを代表にするわけだ)ではそれほど話題にはならないようだ。もちろん参考資料としての重要性まで否定されているとは思えないが、「予備校厳寒(終わらない冬)の時代」においては学歴重視ってわけにもいかないのだろう。今の時代なら、これは大手でも同じじゃないか、たぶん。
・勤務の段階
生徒様にはいくらでもウソをつけるというのが現状だ。したがって何の問題も発生しないし、むしろホラを吹くくらいでちょうどいいかもしれない。
僕も来年こそは「ケンブリッジ卒なんです」と言ってやろうと毎年のように思ってはいるが、実行に移せない(ケンブリッジがどこにあるのか知らん・・・たぶんケンブリッジだ・・・という問題もある)。
・大学院の問題
院卒の講師は多い。現在40歳を越える講師は院卒が基本、学部卒が亜流というところだ。その下の世代になると院卒と学部卒の割合が同じくらいになるだろうか。
大学院入試は大学入試とは全く別物なので、有珠フェニックス大学(仮名)の学部からコックスフォード大学大学院(仮名)への進学も可能である。予備校では「大学受験」が生徒様のステータスシンボルなので「コックスフォード出身なんだよ」として話す講師が多い。コック、ねえ。
そういえば『キスより簡単』という漫画で
「ああ・・・ロクさんのコック・・・」
っていうセリフがあったなあ。懐かしいなあ、本稿と関係ないけど。
・学歴詐称の問題
証明が無理なのは当然として、詐称をする講師は確実にいる。見分け方は「その大学の生活デティール( detail =詳細)」を質問すること。たとえば法政出身を謳う講師に
「ボアソナードタワーってすごくないすか?」
とでも訊ねてみよう。
学歴詐称講師は「ああ、あそこには何もなかったんだよね、でかいよなあ」と答える。アレは大学再開発問題でモメて、閉鎖された大学院棟の時代がしばらく続いたんですけどね。
・高学歴の実情
東大・京大・MIT(マサチューセッツ工科大学)レベル出身の講師は、生徒様にその固有名詞を絶対に出さない。学歴が高いのは当然だという自負があり、自分に自信もあるからだろう。言い換えれば
「こんな高学歴のオレが穢れた(けがれた=汚いことです)商売をしているのか・・・」
という暗い陰があるのかもしれない。
早慶からMARCHくらいのハンパな学歴の講師ほどベラベラ喋るか、ウソをつきまくる。「しょせん、学歴社会では負け犬なんだよな」という引け目があるのだろう。
・低学歴の実情
聞いたことのない大学や2部出身はけっこういる。大学中退もいる。下らない卑下(ひげ=自分をおとしめること)はしない講師が多い。学歴に対する引け目があるのは事実だろう。逆に言えばそれだけ教える腕が高いし、本人にもその自負があるようだ。
僕が見聞した最低(学部卒業)レベルはK学院の2部やN松学舎大学。真偽はともかくとして、予備校講師の地位が学歴だけで決まらないことの良い例であろう。
予備校業界に限らず社会に出れば当然のことなのだろうが、学歴というのは本当に高いレベルにならないと自慢する価値もないようだ。また同時に、必ずしも低学歴ということが不利になるわけでもない。そういう意味では「男性にとっての背の高さ」に似ているかもしれない。
英語で言えば、 So what (だから、何だ)?
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