予備校講師でわるかったな!





各ページのご案内はコチラ 

proflile 自己紹介

diary 日記

essay エッセイ

bbs 掲示板
  

Copyright (c) 2004 
takeshi nobuhara All Rights Reserved. 

essay エッセイ
addiction 3月3日
  依存症にもイロイロある。
  言い換えれば程度に差がある。たとえば今の僕は、この5年ほど1年間に平 均して364日ほどビールを飲んでいる。決して大量に飲むわけではないし、 この2年間は飲み終えてから日記を書いているくらいだから泥酔するほど酔う わけではない。
  しかし、常識的に考えれば、「あの・・・1年って平均して365日って知 ってんすか?」という感想を頂きそうなペースである。要約すれば「ビール・ アディクト」と呼ばれても仕方がない。

  記憶をまさぐってみると、病的なところまでいかないが「まあちょっとハマ り過ぎ」になったことが1度だけある。
  1999年から2001年。洋服購入依存症。


  99年は僕が一番たくさんの授業をこなした年度である。
  たしか1週間で21コマ。城南予備校横浜校の授業は金曜日の午前中2コマ だった。夕方からは市進予備校市川校で3コマ。電車の移動が1時間弱で、空 き時間は4時間ちょっと。もちろん昼食を取るから3時間ほどの余裕があるわ けだ。

  慣れない横浜までの通勤で疲れていたし(城南は初年度だった)、自由な時 間が非常に少なかった。
  まだ予備校講師としてのキャリアも浅いから、今に比べれば予習に追われて いた。でも、この金曜日の午後だけは自由な時間と言えなくもない。

  横浜校を出ると、必ず「横浜そごう」で洋服を1着買った。
  それだけの授業数を持つということは収入が増えるということであり、やっ と「授業衣装としての服」を手にしようと思ったわけだ。予備校講師稼業も6 年目、少しづつではあるにせよ授業内容以外にも目を配る余裕がでてきた時期 とも言える。
  もちろんそれには何の問題もないのだが、その頻度は週に1回である。通年 授業は22回程度。この「横浜買い物」だけで22着も服が増えてしまうわけ だ。


  00年から01年まで。
  「横浜買い物」はキリがないと思い、今度は数ヶ月に1回のまとめ買いをす るようになった。ちょうどピンクハウスにはまっていたので、今はなくなった 市川妙典SATYのショップに通いつめた。その買い方が尋常ではない。

  1回に3〜5着、ひどいときには1回の支払いが10万円を越えた。もちろ ん毎月それだけ買うわけじゃない。6万円くらいのときもある。1年でならせ ば50万程度だろうか。

  スーツやYシャツも作るようになった。
  これらは冬と春しか着ないから購入期間は限られていたけど、スーツは平均 して1着5万、シャツは1万5千円くらいか。1年でならせば15万程度か。

  もともとお金を使う趣味がないから、あくまで小遣いの範囲内ではある。ク ローゼットは膨れ上がった。季節ごとの管理があまりにも面倒になって、巨大 なクローゼット(洋服ダンス3本分の収納量がある)まで買った。


  こうやって今になって文章にしてみると、「え?」というところがある。
  1年間に65万円も服飾費に使うことを何とも思っていないのだ。たしかに 授業の衣装という意味合いはある。この00年から01年までは市進が市川校 だけの出講だったので、バリエーションを増やしたいと思っていたのは事実 だ。
  しかし、常識を使って考えてみればいい。1月に5万円以上も服ごときに使 っているのだ。もちろん借金はしていない。全てクレジットカードで1括払い 、滞納も1度もなく「プラチナカードに変えろ」という案内が来たくらいだ。 それにしても。

  これを買い物依存症と呼ばすして、何をそう呼ぶのか?


  買い物の熱はだんだんと冷めた。
  理由はわからない。あえて探せば、収納を筆頭にした管理の限界を感じたの かもしれない。あるいは、隠しておきたかった何かの自分の弱みを克服したの かもしれない。

  04年度になってから、ほとんど服を買っていない。
  たぶん、2年間で5着程度だろう。3年間にわたって買いためた服でしのいで いる。00年ごろに買ったTシャツは首の部分が「よたれて」来たから、その いくつかは室内着になっている。特に問題はない。

  そのかわり、1年間に平均して100冊近い本を買っている。
  全て新刊。しかし自分なりの小さなルールを作っている。原則的に文庫か新 書。ハードカバーは好きな作家の作品に限定。1年間でも10万円を越えるこ とはほぼ不可能だ。読めば読むだけ、自分の中に知識が蓄積される。それはT シャツと違って「よたれて」しまうことがない。忘れてしまうことはあるにし ても。

  今の僕は何を探しているのだろう。何の弱みを隠したいのだろう?
essay エッセイ  
これまでのエッセイはコチラ