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今回はネットに関する2冊。
僕がこのHPを始めた理由の1つに「ネット社会って、イッタイ何よ?」という好奇心がある。わからないなりに踏み込んでいかなければ、いつまでもネットを利用するだけで終わってしまうような気がしたからだ。
開設3年目を迎えても、相変わらずIT知識・技術は増加も向上もしてないんだけど、まあそれでも。
『超実践!ブログ革命』 増田真樹
僕が知っている範囲で書くブログの特徴。
・素人でも作れる簡易HP。
・日記形式で、最新版がトップページの働き。
・それぞれの日記に対して閲覧者がコメントをつけられる。
・閲覧者が勝手に関連するリンクを貼り付けできるトラックバックのシステムがある。
本書はブログが従来のHPとどう違うかを説明する。
題名と裏腹に、いわゆるハウツーものではなくブログはこういうもの・こうあるべきもの・こう使っていくものという提案をしている。前著である『超簡単!ブログ入門』では「2時間でブログを素人が始める方法」を紹介したことを受けているのか、多少専門的な部分がある。
>SNS(ソーシャルネットワークサービス)は、利用者同士が互いに「関係を結びましょう」と宣言しあうことで、人と人との関係をサービスの中に組み込み管理するというものです。
>最近はネットサーフィンすらしなくなりました。(中略)具体的には、まず関係があったり気になる人のブログをRSSリーダーに登録します。
さて、この2つの部分の意味がわかりますか?
何となくはわかりますよね。ブロガー(ブログをやっている人のこと)なら具体的なイメージがつかめるでしょう。逆に、非ブロガー、つまり僕のような一般の人の場合は
ええと、ブロガー同士で横の提携を取ろうとすることかな・・・
くらいの理解だろう。具体的にSNSやRSSをどう使うのか(極端な話、どこをクリックするのかみたいなこと)はわからない。
そういう意味で、本書は具体的というより原理的にブログの特徴をつかませようとする狙いがあるわけだ。
あとがきにこのような記述がある。
>ブログは私達一般人の声を受け止めてくれるものである一方で、個人参加を望む社会構造を擁するものでもあるわけです。
確かにそうだろうなと思う反面で、「一般人の声なんて聞いてもしょうがねーんだよ、下らないブログがほとんどじゃねえか」と思う部分もある。そう考えてしまう僕のような人がいる状況を踏まえて、ブログ社会をもっとまともなものにしたいとするのが筆者の主張のような気がする。
そういう意味で、本書は少しでもネットに興味のある(たとえばこのページを読んでいるあなたのような)人にとって示唆に富むものである。
『ウェブ進化論』 梅田望夫
ネット社会に無知であるか、嫌悪感を持つ人が真っ先に読むべき本である。
言い換えれば、ある程度の造詣(ゾウケイ=たしなみや知識のこと)がある人が読むと「ふーん」で終わってしまうかもしれない。
まずは立ち読みで本書の223ページにある図を見るといいだろう。
この図が本書の要約である。もう少しハッキリ言うと、この図を見て「??」と思った人が読者になるべきである。
ここでその図の全てを説明することはできないが、興味深いのは「ネットのこちら側」と「ネットのあちら側」という言葉である。
今この駄文を読んでいる読者様がネット素人であるという前提で、たとえ話をしてみる。
・「こちら側」の世界
本を買って読んで本棚に納める。あなたはその本の内容を気に入って、それを自分のものにしておきたいと思うから、本棚に並べるわけだ。すぐに読み返すとか毎日読むとかそういうことではなく、自分にとって必要な(あるいは自分が好きな)内容がそこにあり、それはいつでも手に取れる。
・「あちら側」の世界
本を借りて読んですぐに返す。あなたはその本の内容を気に入っているが、読みたくなればもう1度借りれば済むからだ。たしかに本は自分の手元にないが、図書館に行けば(または友だちに電話でもすれば)すぐに借りられる。自分にとって必要な内容は、手元にあるのと同じことである。
さて、あなたはどちらの世界を自分のものにしたいか、ということである。
以前のITの世界(本書ではWEB1.0と呼んでいる)は「こちら側」が重視されていた。たとえば辞書のソフトをPCにインストールするようなことである。
しかしこれから、または今のITの世界(本書ではWEB2.0と呼んでいる)では「あちら側」が重視されている。辞書なんかウェブ上に常にあるから、さっさと検索して必要な場合だけに利用すればいいのだ。
もちろん以上は、先に断ったようにネット素人の僕が勝手に考えたたとえである。本書では「あちら側」の例としてグーグル、アマゾン、ウィキペディア、ミクシィ(システム的に敢えてリンクは省略)などが挙げられている。
そして、「あちら側」の世界(情報)は不特定多数が作り上げるものである。その世界には権威は存在しない。権威がないという事実のメリットとデメリットを挙げながらも、世の中は「あちら側」に主体を移していこうとしているのだ、というのが(たぶん)本書の主張である。
>ネットが悪や汚濁や危険に満ちた世界だからという理由でネットを忌避し、不特定多数の参加イコール衆愚だと考えて思考停止に陥ると、これから起きる新しい事象を眺める目が曇り、本質を見失うことになる。
>たしかにネット世界は混沌としていて危険もいっぱいだ。それは事実である。しかしそういう事実を前にして、どうすればいいのか。忌避と思考停止は何も生み出さないことを、私たちは肝に銘ずるべきなのである。
善悪・清濁を併せ呑み、情報ってものがどのように姿を変えていくのかを考えることは必要なんじゃないかと。
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