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私が住む千葉県某市で「健康相談」があるという。
一般に、地方自治体は40歳を過ぎた市民のために簡単な「健康診断」を実施している。私はまだ何とか30代なので「健康診断」を受診できない。
しかし「健康相談」は年齢制限ナシということでありがたく利用することにした。
そもそも、市民税というものを大量に払っているのに、ロクな行政サービスを受けてこなかったという不満がある。少しでも税金を取り返してこようじゃないか・・・って不純な動機だなあ。
実施場所は公民館。
これがまた、実に交通不便の極みのようなところにある。その業務性格からして地元密着であるのはよくわかるんだが、ほとんどが最寄駅から徒歩15分以上。バスを使うほど田舎でもないのが憎たらしい。
文句を言っていても税金が取り返せない、じゃないや健康が相談できないので、1つの公民館をピックアップ。我が家からの距離。
1、電車で5分→徒歩15分
2、電車で5分→バス6分→徒歩3分
3、電車で3分→徒歩15分
これが公共交通機関。むーん。
4、自転車で20分
5、車で5分
これが私的交通機関。へーい、タクシー!!
ってなことをするほど裕福なわけもなく、ヘイコラと自転車。
クソ暑いのなんの、税金奪回のためにほいさっさ。
公民館着。
しーんとしている。幼児教室のようなものをやっているらしく、どこかから子どもの遊ぶ声が聞こえる。ホールには無人のベビーカーが10台ほど止まっている。ほうほう。若奥様はいるかね・・・。
違った。
健康を相談しないと。どこでやっているのだろう。受付で聞いてみると、「そこです、12時からですけど」とホールを指差す。
パイプ椅子3脚。
パイプ机2個。
おばはん2名がなんかしている。
今は6分前。
盛り上がってるなあ。
せめて「ここで健康を相談してください!」みたいな張り紙くらいすればいいのに。ちゃんと市の広報誌で調べてきた私の立場がない。
時間になった。
パイプのおばはんのトコロに私は近づき、「健康相談って・・・」とドモる(ドモる必要はないはずだが)。
おばはんAはニコヤカに迎えてくれる。システムの説明などはなく、「とりあえず測りますから」と言う。何をだ。
まずは血圧。
えーと、これって俺は毎日測ってるんだけどなあ(血圧計を所有しているし、プールに行く前に測っている)。
・最高値120mmHg
・最低値80mmHg
極めて正常(正常域は最高140未満、最低90未満とか)。
A 「あー、いい数値ですね」
私「はあ」
A 「じゃあ健康に気をつけて・・・」
おばはんAは店じまいの空気をかもす。
ちょっと待て、これで終わりなのか。いったい何を相談したのか? 市役所の広報誌には尿検査もやるって書いてあったぞ。
私「これだけですか?」
A 「あー。体脂肪率も測りましょうか」
オババAは隣に座っているおばはんBに話を振る。
おばはんBは微笑む。なんかすごいとこに来てしまったな、俺。
・体脂肪率18.2%
体脂肪率計測童貞だった私としては、感想の基準がない。
B 「男性は10〜20%が正常なんですよ」
私「はぁ」
B 「じゃあこれで・・・」
おばはんBもまた店じまいの空気をかもす。
ちょっと待て、尿検査は・・・。
A 「あー。やりましょうか」
私「ええ、ぜひ(そんなにやりたくないのか?)」
A 「これに、かけてきて下さい」
短めの割り箸みたいなアレに、リトマス試験紙みたいなのが5種類くらい貼り付けてあるアレを取り出す。かけろ、と。
A 「男性の場合は、まあ大丈夫でしょうが、一応これを使ってもらってもねえ」
とニヤニヤしながら紙コップを差し出す。
「まあ大丈夫」というのは何なのか。「かける」とは何なのか。「男性の場合」というのはセクハラにならないのか。そのニヤニヤは何なのだ。
トイレから「かけた」ものを持って戻る。
オババAは正常値を示す表(5項目あるように見えた)と照らし合わせをする。特に問題ないという。
私「何を調べているんですか?」
A 「蛋白とか、糖とか・・・」
私「他には」
A 「(無視)あー、問題ないですね」
他の3種類は何なんだよ(-_-;)
私は痛風が怖くてこんなところまで来たのだ。尿酸値は調べられないのか、調べられたのか?
と質問する勇気はなく、「今度こそ店じまい」という雰囲気を猛烈にオババAとBはかもしだす。もう、帰れと。
私は昭和生まれの古きよき価値観である礼儀を大切にしているので、丁寧にお礼を言う。
A 「今度は10月にここでやりますから、来てくださいね」
こねーよ(-_-メ)
健康を相談したのは約15分。
その時間に健康を相談したのは私だけ。住民税は取り戻せなかった。正確には、我が血税はムダ遣いされていたのだ!
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