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2006年6月の記録。
さぁ、激走の季節がやってきた。
去年は北海道だった。今年はどうするか?
うむ、北の最果てを済ませたなら、
南の最果てに行こうじゃないか、ベイビー?
と母に訊いたら、「伯母さんたちも連れていってもらえないか」との返事。
ふむ。親戚孝行。詳しく書きたくないので概略。正確に言えば、年齢は推定。
・伯母A(75歳)
・伯母B(74歳)
・叔母C(60歳)
3人とも子どもがいない。
そのせいもあって、僕は甥っ子として可愛がってもらってきた。
言われてみれば、旅行に連れ出すなら最後のチャンスかもしれない。特に伯母Aは、歩けるものの長距離(100M以上)になると結構キツイ様子だ。
ようし、レッツゴー沖縄。老女4人連れでも、なんくるない!(琉球語はこれで正しいのだろうか)
飛行機が那覇空港に着陸したのは2時半。
遅い到着。旅行代理店のオババにも「こんなに遅い便(正午前に離陸)でいいんですか」と質問されたくらい。こっちは老婆4人連れなの。羽田7時集合とかムリなの。
空港を出るまでに時間がかかる。
那覇空港はそれほど広くはないのだが、それでも空港。到着口から到着ゲートまで700メートルくらいですかね。まあ、旅は始まったばかりなので早足で歩いてくれたとは思う。
空港からレンタカーの出張所までは乗り合いバスで7分。
那覇市内はかなりの都会である。千葉駅周辺なんて勝負にならないくらい賑わっている。かつての僕がそうであったように、伯母たちはビックリ仰天している(腰は抜かさなかった)。3時半になる前にはレンタカーに乗る。ま、悪くないペースか。
まずは首里城へ。市内は混雑していて40分ほどかかる。4時近くなった。ホテルまでは2時間弱かかる見込み。まずいな。
クルマを駐車場に止めてから、僕は足で走る。
伯母Aの徒歩スピードからすると、お城本体に着くまで30分くらいかかりそうだから、車椅子を借りようということ。
お城で観光センターみたいなところを探して、車椅子を借りられる場所を探して、見つけて手続きをして、車椅子をかついで(ウソ。押して)、伯母たちのいる場所に戻って・・・。大汗。梅雨明け直前の那覇はあつい。これも激走の1つか。
しかし彼女は車椅子に乗ることに嫌悪感があるらしく(気持ちはわかる)、それを押して歩くということ。頼むから乗ってくれよ〜、宿まで2時間弱はかかるんだぞう。
母と伯母Bと叔母Cは城内観光へ。
僕は2年くらい前に観ているから観なくてもいい。叔母Aを車椅子に座らせて(純粋に椅子として使うわけだ)、彼女たちが出てくるのを待つ。
車椅子事情その1。
結果的に、多くの観光地では借りられるようになっている。名前と住所を書けば無料。このあたりは日本もC級の福祉国家になってきたのかもしれない。もっとも、僕はこの旅をするまで「車椅子貸与童貞」だったので過去との比較はできない。
観光地の中は、確実に車椅子で回れるようになっている。バリアフリーってやつだ。
首里城は建設されて400年くらいになるはずだが、スロープは遠回りながらも全ての箇所に用意されていた。しかし、乗っている本人が自力で移動するにはキツメの傾斜がほとんど。介助者がいれば問題はないが。
3人は1時間後に戻ってくる。
ずいぶん時間がかかったように思ったけど、周辺の観光施設(玉霊=たまうどうん=昔の王族の墓地)なども観てきたとか。僕はそのあいだに伯母Aと世間話をして、「いつまでかかるんだ?」と2人で心配していた。
あまりにヒマなので伯母を立たせて(座りっぱなしも疲れるそうである)、僕が車椅子に乗ってみる(つまり僕が乗りたいのである)。移動してみる。人生初の車椅子。激走しちゃうぞ。
車椅子事情その2。
意外に操作性がいいものである。確かに傾斜があると厳しいが、小回りは利く。むかしプラモデルの戦車を好んで作っていた。あれと同じように右の車輪と左の車輪を逆方向に回せば、ほぼその位置にいるままで自転できる。
翌日に全自動の車椅子を借りたが、こちらは試乗できなかった。人目が多すぎて恥ずかしかったし、時間の余裕もなかった。あれはかなり楽しいように思える。乗り物大好きな僕としては、今後の課題になった。早く老人になりたい。
5時過ぎ。
ホテルへ直行。走行距離は100キロ程度か。7時前後で日が暮れる。さすが南国。
ホテルはブセナテラス。
いつものように個人ツアーで申し込んでいるから、イメージほどに高い宿ではない。僕が泊まるのは2回目だ。
2泊ともこのホテルにしたのには理由がある。
1、リゾートホテルは年寄りに向いている
2、街中のホテルは年寄りに向いていない
沖縄に限らないことだが、リゾートホテルは設備に物理的なゆとりが多いので、行動がラクだ。
たしかに館内が広いから移動に時間がかかるのだが、老人は狭苦しいところを歩くのが得意ではないだろうし、他の客とすれ違うなどのストレスからも開放される。
また、街中のホテルだと夜遊び(ヘンな意味ではない)がラクだが、老人は夜に街に出て食事をしたがるものではない。伯母Aが歩行に困難を持つ以上、これは適切な選択だろう。
さあ、明日こそ激走するぞぉ(^。^)
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