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家探しの詳細 その2 1月7日
  新築マンションは、現物完成前に完売となる。
  ときどき「完成物件」とか「残り3戸」とか「現地ショールームあり!」とか宣伝されていることもあるが、ほとんどは現物が建つ前に売れてしまい、HPなども「完売御礼」などの画面に切り替わってしまう。


  あれはどうしてなのか質問してみたら、担当係員Aの明確な回答。

「そのペースで売り切らないと、利益が出ないシステムなんですよ。契約が満了することで、(仲介会社が)売主への支払いができるんです。入居が始まって、まだ残っている物件は何かしらの(売り方や施工や立地などの)問題があるんですよね」

  なるほど。
  現物を見ないで買うのはすごく勇気がいるはずだが、もはやそういう世の中のシステムになっているのだ。


  上記の話題をかわしたのは2回目のショールーム訪問時。
  ショールームは単純にモデルとなる物件を見せるだけの場所ではなく、物件の概要を説明する場所でもあるらしい。なるほど。

  ショールームがオープンしたあとも、何のかのと「イベント」が催される。
  ローンの説明会とか管理会社の説明会とか建築構造の説明会とかオプションの説明会とか、そういう感じ。ほぼ毎週末に行われているようだ。
  予備校の体験授業じゃないけれど、様々なイベントのどれかに(客を)出席させて、泥沼(購入)に入らせようと画策しているらしい。


  個別相談はともかくとして、上記の各種説明会というのが非常にワザトラシイ。
  並べられたパイプ椅子に客は座り、不動産屋が「何とかカントカのなんとかが説明します」と言ってナントカさんを紹介する。そのナントカさんが「季節の口上」みたいなものを申し述べてから、柔らかな演説が始まる。

  笑ってはいけないのだろうが、笑ってしまうのはナントカさんが礼をするたびにお客が礼をする(ことが多い)ところだ。
  こっちは客なんだから尊大な態度でも悪くはないような気がするけれど、この辺も予備校の授業と同じで形作りをするのだろう。ふだん僕がやっている授業とは逆の立場にいるわけだから、なんとなくムズかゆいような気もする。


  意外なことに、各種説明に演説者の強烈な販売営業努力の気配は見られない。
  芝居をしているのかやる気がないのがよくわからない。わりに事務的な印象である。予備校の教室と違って居眠りする生徒様、じゃないやお客様がいないということもあるのだろうか。


  しかしナンかな、何かに似ているな。

・毎週のように呼び出される。
・演説者の話をみんなで聞く。
・その目的は購入決定に絞られている。
・なおかつその目的は明示されるわけでもない。

  なんだろうとずっと考えていた(話は聞いているのだが)。


  そうだ。これは、宗教なのだ。
  宗教の入信勧誘なのだ。

  家を買うというのは、
  宗教的行為の一つだったのだッ!

この項続く。
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