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京都駅を午前11時に出発した。
山陰本線に乗ったことがあるかどうか、記憶がハッキリしない。我が未熟なテ
ツ歴である高校・大学生時代から遠く離れてしまったので、未乗区間がどこであ
るかを忘れてしまったのだ。まあ、乗ってみればわかるだろう。記憶とは消える
ものであるが、呼び覚ますものでもある。
京都駅から二条駅付近までは単線のようだ。
単線というのは、上り線と下り線が同じレールを使うこと。もちろん列車は駅
で行き違いになるから、本数の多い線ではありえない。
30分ほど走ると、いかにも山陰らしい過疎の車窓になる。
山を抜け、集落が現れ、山を抜け、の繰り返し。ある集落ではサルが歩いてい
た。ああ、やっぱり田舎なんだなあ、人家のあいだをサルが歩いているなんて、
とボーっと見つめる。
え。
人家のあいだにサル?
確認しようと振り返っても、そこはテツ旅、その車窓はすでに過去のものにな
っている。
人里にサルが降りてきて「自然と街の境界線がなくなってどうのこうの・・・
」というTV報道がよくあるけれど、実際に街を歩くサルを見たのは初めてだっ
た。目の錯覚ではなかったはず。たぶん。
城崎温泉で各駅停車に乗り換えると、混雑してくる。
全ての席が埋まるというほどではない。この先に特別に大きな街があるように
も思えない。変だなあと思っていたら、車内放送。
「次は餘部(あまるべ)です」
そうか。
あの有名な餘部鉄橋の観光客なのだ。餘部鉄橋というのは、僕の曖昧なテツ知
識によれば、日本で一番高い鉄橋である。そうかここにあったのか。やはり山陰
本線は初めてなんだと確認する(現実と知識の一致確認はテツの大切な行動)。
鉄橋は餘部駅の手前なのか先なのか?
ぬぉぉぉ、と車内から歓声が上がる。
餘部駅の手前だった。たしかに高い。たしか地上100メートル以上だったと思
う。駅が近いせいか、乗客へのサービスなのか列車は速度を落とす。鉄橋の下に
は観光客がざっと50人くらいはいるようだ。列車に向かって手を振っている人も
いるから、僕も手を振る。天皇陛下になった気分。
餘部駅で多くの乗客が降りる。
やはり鉄道から見下ろすよりも、地上から見上げたほうが観光らしいのだろう
。こんど来たときは僕も降りてみよう。
京都駅を11時に出て、鳥取に着いたのは午後5時。
途中から特急のない区間があるのだ。なお、関西地区から鳥取に行くときは、
大阪から播但線を使うのが普通。その場合は特急だけで移動できる。
鳥取駅前温泉の宿「観水亭こぜにや」へ。
1人でも泊まれる温泉旅館ということで選んだが、ここはアタリ。いい宿だっ
た。
部屋について。
8畳で広くはないが十分。目の前に大きな池がある。だから「観水亭」という
らしい。池を建物が取り囲んでいるかたち。部屋は新しくて綺麗。温泉旅館で1
人だとランクの低い部屋をあてがわれることが多いから、これはとても気分のい
いことだ。
風呂について。
大きめの露天があるし、掛け流し。やはり清潔。大風呂のほかに2種類の個人
風呂があり、予約不要で無料。空いていればいつでもどうぞということだが、そ
のチャンスはなかったのが残念。風呂に行くときに外を歩かなければいけない(
もちろん屋根はあるし、館内からドアドアで30秒くらい)のがちょっと良くない
か。でも、少し面倒というのは決して悪い気分ではない。
アメニティは普通よりやや良いくらい。
今は普通になりつつあるが、浴衣を1人2枚あてがわれるのは気分がいい。女
性客の場合は柄を選べるサービスもあるとか(←こういうのは意外に女性が喜ぶ
サービスなのだ、なぜかわからんが)。手ぬぐいタオルは浴場にたくさんあるが
、バスタオルは部屋から持参するシステム。これも少し面倒だけど、手にちょっ
としたものを持って温泉に向かうのは1つの風情だろう。
食事について。
夕食は部屋食。ネットで「肉よりも魚かカニを中心にしろ」と注文をつけてお
いたら、従来のカニ酢、カニ刺身、カニスキに加えて、焼カニを出してくれた(
ヒレステーキの代わり)。カニはもちろん旨いし、他の料理も同じく旨い。千葉
の料理屋で7,000円出せば食べられる、くらいのレベル。悪いはずもない。但し
朝食は普通。
もっと豪華な宿はいくらでもあるだろうが、僕の独り旅経験値レベルだとかな
り上等。
ちなみに「じゃらん」経由で、ビール1本とお酒2合を入れて2万円ちょっと
。鳥取という田舎ぐあいを考えるとチョイ高いかなという感じはするが、ちょう
どいい感じのゼイタクだろう。
ところが翌朝の朝風呂で、大阪人が。
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