予備校講師でわるかったな!





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家探しの詳細 その7 5月29日
  入居まで1ヶ月を切ったころに、内覧会があった。
  部屋の引渡しをする前に、部屋の内部を客に見せる行事である。売り手としては「これでええやろ、文句あるかいな」と主張するところであり。買い手としては「ちゃんと工事してないじゃないか、バカ」と主張する場所である。多少は異論があるだろう。しかし大まかに言えばそういうことである。

  当日になる前に、いろいろ調べてみる。
  施工不良の見抜き方、その対処、クレームの言い方、その(売り手の)対応など、たくさん出てくる。書店の立ち読みと、もちろん主にネットで調べた。無記名の掲示板のたぐいまで追いかけると、読み終えるのに1年くらいかかりそうだ。

  知人・友人・元教え子などにも聞いて回る。
  これまた色々と出てくる。あいつら(売り手)メチャクチャですよというのもあれば、文句を言ったもの勝ちですよというのもある。明確になったことは3つだけで、

いかに瑕疵を見つけて、
いかに数多く指摘して、
いかに直させるか、

というところである。とりあえずポイントになるのは、内覧会にはできるだけ多くの人数で行くこと、となるそうだ。


  戦力の準備。
  僕自身はもちろんとして、合計で5人を確保した。僕・母・伯母・予備校講師1・予備校講師2である。20〜30歳くらいの若い女性と小学生くらいの子どもを確保したかったが、あてはなかった。人数の多さもさることながら、年齢の幅があったほうがいいらしい。視点のふくらみを持たせるためである。

  当日。
  僕と2人の予備校講師は喫茶店で待ち合わせて、彼らに間取り図を渡す。サイズを計測することとキズの発見を中心に見てほしいと要請。母と伯母は現地集合。2人とも60歳を超えているので、僕からの指示はなし。人数を増やすことで建築会社にプレッシャーを与える要因といった位置づけ。僕自身は全体のコーディネートとサイズ計測といった実働部隊を兼ねることになりそう。


  現場。
  ほとんどの購入者は3人くらいで来るのが普通のようだ。部屋に入る前の説明会場のイスも3つしかなかった。建築会社の人も「あれれ(面倒な客が来た)」という顔色。先んずれば人を制し・・・の鉄則パターンに入ったようだ。入室。さてさて。

  決められた時間は1時間ということだが、事前の僕の調べでは「事実上は何時間でもかけられる」ということ。
  最初の10分は全体の俯瞰をしてもらって、そこから動き回る。僕と講師1・2はひたすら瑕疵探しで、見つかった時点で2人は僕に報告。僕が検分して業者に申告するという流れ。キズはいくらでも見つかる。洗面所下のはめ込み板が傾いているなんていうミスもある。

  母と伯母。
  ただひたすら「あー最近のマンションはすごいのねえ」とか「ベランダが広いねえ」と感心してばかりで、ほとんど何もしない。いや、正確には見て回っているのだが、感心する以外の感想は出てこないらしい。もう少し積極的に探せよなと僕は(たぶん他の2人の講師も)思っているが、ある程度までは予想されたことだった。


  アラを探しまくって、2時間弱で終了。
  建設会社の人も「いやはや、クレーマーに捕まった」とウンザリした顔だった。この会社はいわゆる2流ゼネコンで、仕事に手抜きが多いということも前もって聞いていた。ネットの情報はもちろんとして、1流ゼネコンの会社員にも教えてもらっていた。事前準備は意外に重要なようだ。

  僕以外の4人にはこれで帰ってもらう。
  購入者の僕は確認書などのハンコ押し。そしてマンション集会所でその他の雑用的な打ち合わせ。これがまたカフカ的憂鬱。詳細を書けばキリがないので、新聞業者の談合疑惑を糾弾しよう(恒例w?)。



  机の向こう側に、3人の人相の悪いおっさんが座っている。
  こちら側にはパイプ椅子が2つ。これは何の手続きだと思って座ると、人相が悪いくせにニコニコしているおっさんが話しかけてくる。新聞の勧誘だという。ナンだよそれ。今日はマンションの内覧会で、その説明会場にこんな連中が入り込んでくるのか。どうせ談合だろう。

  3人はA日、Y売、M日の各新聞の販売店員であるという。
  まず不審な顔をした客(僕です)にシステムの説明をA日の人がしてくれる。彼がこの3人の仕切り役らしい。

>最近は法の改正があって、個別に訪問して勧誘することができなくなった。

  嘘つくな、バカ(-_-メ)
  しょっちゅうやってるだろう、お前ら。法律なんか守ったことあるのかよ。

>したがって、こうして売主から許可を頂いて、この機会に勧誘させて頂いている。

  ふっ、結局は談合か。

>最近は新聞業界も不振で、こういう場所で契約を取らせて貰えないと非常に苦しい。お時間を取って申し訳ないが・・・

  アコギな商売やってからそうなるんだよ。予備校業界だって不振なんだよ。

>新聞を取る予定はありますか?


  僕はM日新聞に決めている。
  すでに10年くらい取り続けている。将棋の名人戦の棋譜が読めることと、内容が希薄で読みやすいからだ。その旨を申し上げる(どっちが客なんだよ)。M日のおっさんの目が輝く。A日とY売のおっさんはガックリと肩を落とす。お前ら、漫画じゃないんだから、そんなにロコツな反応取るなよ。

  半年分の契約をする。
  さて次のブースへ・・・と腰を浮かせかけたら、まだA日のおっさんが話しかけてくる。

>あの、半年後はどうしますか?

  Y売のおっさんも腰が浮いている。
  なんだなんだ。半年後?

>いえ、あのさっき申しましたように、ここで契約を取れないともう取るチャンスがなくて、この際に半年後はウチ(A日)にしてもらえれば・・・。

  キレる気もなくしますよ(-_-)
  さっさと帰りたいので反論。

>半年分の契約をして、その次の半年分の契約を同時に(しかも他社で)するバカがいるのかよ。半年後のことはその時点になったら考えるんであって、半年前から考える人はいないでしょう。あんたらバカだからそういうこと言ってもわかんないだろうけど、半年先のコメを買い置きしないでしょ?


  他のブースも回る。
  他もフローリングがどうとか(もう注文したよ)、掃除用品の委託販売がどうとか(とりあえず要らないよ)、そういう営業ばかりだった。内覧会には談合がセットでついてくるんですね、知らなかったよ。少し大人になれた。

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