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essay エッセイ
そろそろ2014年も終わり1 12月31日
  今年も「新語・流行語大賞」の季節。
 このエッセイは『よびわる』創設当初から続くシリーズだが、そろそろ幕引きのタイミングかも、と考えている。僕はTVをほとんど見ないから(ええ、まだ民放のチャンネル番号を1つも知りません)、

よっぽど流行しないと耳にすることもない

ようになっている。去年に比べると今年は相当な不作では、とも思うにせよ。



 年間大賞1
 「ダメよ〜ダメダメ

 完全に聞いたことも見たこともない。
 いや、木更津のアウトレットにある『パパス』の店員と話しているときに聞いたかもしれない。彼女に

「すごく流行っているんだけど、ご存じないですか?」

と言われて不愉快だった。よっぽど

「羊男って見たことあります? 懸垂分詞構文はどう? さすがに美輪明宏の『紫の履歴書』は読みましたよね?」

とやり返したかったけれど、虚しいからやめた。メジャーを突き詰めたからこそ大賞になったのだろうし。


 年間大賞2
 「集団的自衛権

 今年も明らかに政治的意図が働いていますなあ。
 憲法の解釈を変更するのは大きな要件だが、こんな言葉がよく語られたとは思えない。どうしてムリをしなければいけないのか、それを知りたい。


以下順不同。

 「ありのままで

 『アナと雪の女王』という映画に関係するらしい。
 主題歌の題名とかそういうのかな。そもそも『アナ』たる映画が何のことかわからない(聞いたことはあるのだが)ので、判断停止してしまう。そういう映画がヒットしたのだろうか?


 「カープ女子

 野球の広島カープを応援する女子のこと。
 とうぜん見たことも聞いたこともない。「カープ? カープってまだセ・リーグに残ってるの?」みたいな。どうしてカープなんだろう、スワローズじゃ駄目なんだろうか。


 「壁ドン

 女の子を壁際に追いこんで壁に手を突いてチューを迫る動作のこと。
 今の説明であってるのかな。それをやると女子はへたりこんでしまうのだが、と感じる。なお、「独り暮らしの男の家の玄関は狭いほうがいい」と聞いている。若いころの僕は「なるほど」と思ったのだけど、その後の僕の玄関はどんどん広くなるばかりで、ばかりで・・・。


 「危険ドラッグ

 聞いたことがあるなと思ったのは、ニュースで使う言葉だからだろう。
 脱法ドラッグのほうがイケナイ感じがして良かったのだが、ポリティカル・コレクトネスみたいなものが働いたに違いない。そう言えば「母さんオレオレ詐欺」は一般化したのだろうか?


 「ごきげんよう

 『花子とアン』でナレーションの美輪明宏が毎回終わりに言った。
 何度か聞いたことがあるけど、これが流行語だとはまったく知らなかった。大正〜昭和初期のお嬢様しか使わなかった言葉のように思われるが、いまでも名門系の女子校では言わされるそうだ(生徒様本人にそう聞いた)。実用性があるのかなと訊いたら「ありえなくない?」と言われた。ありえない、でいいんでしょうねきっと。


 「マタハラ

 言われてみれば「マタニティ・ハラスメント」のことだとわかる。
 職場の性的嫌がらせが「セクハラ」と言われるようになったのは、昭和末期だっけ。あのインパクトにはとうてい敵わないだろう。

「あ、ステキなスカーフだね」
「それってセクハラです!」

あなたは僕に石になれと言うのか。


 「妖怪ウォッチ

  ゲームの一種なのだろうか。


 「レジェンド

 ジャンプの葛西紀明をイメージするが、他の人もそう呼ばれるそうだ。
 オリンピックに7回連続出場とか、そんなに若手が育ってないのかと心配になる。長野のとき「飛型の船木や一発の原田に比べると葛西は地味だなあ」と思ったけれど、これだけ長く活躍するとは思わなかった。現役選手を伝説扱いするのはアレだが「生き字引」みたいなものか。



 何だかなあ。
 去年が豊作だったせいもあって、今年は相当な不作のような気がする。それでも、ここに書いておけば何年か先に

ああ、昔あったなこういうの

と思えるだろう。つい最近、週刊誌の広告でハードゲイの兄ちゃんの写真を見て懐かしく思ったように。オイ若者、「フォ〜!」って知ってるか?
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