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本来は☆必殺独りデート★の木曜だが、やるべきことがたくさんある。授業の準備も勉強も読書もある。お昼からそれらに没頭する。
今日は誰とも口をきいていない。この2日飲み会(というほどじゃないが)が続いたのでちょうどいい。自分と話をする日が必要だ。
3時間にわたってわき目も色目も振らずに勉強して、休み時間には読書をする(休み時間に休むほど暇じゃないんだ)。夕方になればもちろん泳ぎに行く。昨日スピードを上げる練習をしたので今日はスタミナを鍛える泳ぎ方だ。1キロちょっと泳いでキリがないので引き上げる。すぐに授業の準備に入る。窓を開け放てる季節が嬉しい。
昨日飲んだくれ数学講師と話していて読書がしたくてたまらなくなった。彼はほとんど本を読まない人で、僕はその逆だ。白石一文『一瞬の光』。全く知らない作家だが、「本の雑誌」という雑誌で去年度の文庫ナンバー2の格付けだという帯に引かれて買った。小さい文字がギッシリで600ページ近い。僕は3冊くらいの本を平行させて読むから今日になって読み終えるまで1週間以上かかった。
エリートサラリーマンの喪失を描く悲しい小説だ。恋愛小説という位置づけももちろん可能だろう。高校生が読むには少し難しいかもしれない記述が多い。でももう僕は高校生じゃない。
「この世界には、ほんとうは過去も未来もそして現在さえもないのかもしれない。そうであるならば、この瞬間にも香折はきっと生まれ変わっているのだ」
何もかもを失い、最後に自分に唯一残された女性を想う独白。
僕はふざけんじゃないと心で叫ぶ。時間軸という概念は人間にとって必要なのだろうか? それでも俺は現在のためにしか生きないぞと思う。
素敵な小説だった。孤独な休日だった。
追伸:エッセイ27をアップしました。
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