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予備校講師の労働効率について考えてみたい。考えてどうするのかという質問・反論は固くお断りする。
授業の柱は2つある。基本となるのは、一般に「平常」「通年」などと呼ばれる3・4月から12月までの授業である。原則的に1つの講座を1週間に1回担当し、その合計は20回から27回くらい(予備校・学年によって異なる)だろうか。例外となるのは、一般に「季節講習」と呼ばれる春・夏・冬休みの授業である。1コマ80分で完結するヤリ逃げモノもあるし、14コマで完結するものもある。
僕がここでお題にするのは前者の通年授業の労働効率のことである。
僕の今年度1学期の場合は、城南予備校で5講座、市進予備校で12講座である。つまり1週間で17回講義をするわけだ。1講義で1000円貰えば週給は17000円ということになる。
ただ、これがそのまま労働効率を計算する基準にはならない。給料は実施した授業の数で決まるのであって、それにかけた予習・準備の時間は一切計算されない。そこで考えるべきは「再放送」の問題である。いつか日記にも書いたように、その17回の中で同じ講義があればあるほど労働効率は上がるわけだ。
講義スケジュールを参照していただきたい。僕の今年の場合は、城南では5講座5テキスト、市進では12講座7テキストである。つまり1回予習して授業を2回する(だけで2回分のお金が貰える)講座が5クラスあるわけだ。
予備校の立場から見てみよう。市進の千葉校で例をあげれば「本科英語文法第8回Bクラス」という授業は同じ1週間の中で4回の講義が行われる。同一内容同一テキスト同一レベルだから、生徒はその4クラスの中で自分が申し込んだ1つのクラスで毎週受講するわけだ。つまり同じ講座のクローンということだ。
講師の立場からすると、そのような講座を2回以上(同じ予備校の別の校舎、あるいは同じ校舎)で担当することを「この授業は再放送だ」ということになる。同じテキストで同じレベルの学生に同じ授業をするのだから、原理的にはロボットがやっても同じである。正確に言えば、ロボットが担当すれば同じ授業が再演されることになる。つまり再放送の講座を持つ講師は授業準備さえしておけば、「再放送」は労働効率上ありがたいのである。
「だったら、同じ講座を17回やるのが一番トクってことか?! 異なる講座を17個担当する場合とすごい差があるじゃないか!」
と誰でも考えるだろう。確かに予習・授業準備は1回で終わる。ところがそうはいかない。我々はロボットではないからだ。そう、我々人間には 「金のためだけには働けない」 という悲しい性(さが。性質のこと)があるのだ。
僕の場合は、同じ授業の繰り返しは3回が精神的な上限だと思う。3回目になってくると、ほとんど伝統芸能みたいな予定調和の授業になる。一度だけ5回目をやったことがあるが、ここまで来ると徒労感、俺は何をやっているんだ、これで人生はいいのか、なぜ嫁が来ないんだ、という感じになってくる。
お金のために働くのは事実なんだけど、やっぱりそればっかりでも辛いもんですよね。
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