予備校講師でわるかったな!





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5度高い 10月22日
  今日も10時から予習。2Bタームがスタートする初日であり、甘い授業はできないと 自分に言い聞かせる。何度も同じテキストを読んでシミュレーションをする。一瞬の手抜 きが生徒の合格レベルを下げると知っている。求められているのはまあまあの授業じゃな い。力がついた気にさせるなんて馬鹿らしい。満足させるだけなら誰でもできる。全ては 合格に向けた授業でなければならない。僕にできるのは最善の準備だけだ。

  空気が乾いてゴキゲンだ。プールも空いていて20分泳いでも疲れない。このまま永遠 に泳ぎたいけどそうもいかない。今日はスーツを着る日なのだ。


  毎年、スーツを必ず着る日が決まっている。市進では1A初日と2B初日だ。気持ちを 示す道具がスーツだ。
  しかし、10月半ばはスーツを着るには微妙な気温だ。僕の基準は最高気温18度。こ れを下回れば快適な仕事着である。上回れば・・・。

  ほぼ全ての講師に指摘される。
「お、決めてますね」
「ああ、スーツだぁぁ」
「お、スーツじゃん」
「あ、B(ターム)なんですね」

  汗をかく。計算して、カフスボタンの必要がないボタンダウンシャツ。白地に青と黒の ストライプ。ギーブス・ホークス。「背広」の語源となった「セビールロウ(savile row )」というロンドンの通りで、一番とされるシャツメーカー。もちろんオーダーメイド。 そして13年前に卒業生から頂いた緑の細いネクタイ(7月18日のエッセイ参照)。
  腕まくりをする。伝えるべきは気持ちなんだ。

  今日の千葉の最高気温は23度だった。
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