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悪貨こそ駆逐するべき |
8月21日 |
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今日も1限は遅刻の嵐。
遅刻者が入室するたびに教室の緊張感は損なわれ、授業のペースは落ちる。
もちろん遅刻者はカンペキに無視して授業を進める。
しかし、その度にその愚か者のために黒板への視界はさえぎられ、授業の進
行が微妙に遅れる。僕は「生徒様の8割が写し終えた時点」説明を始めるよう
にしている。こうすることで講義の絶対量が確保できるし、板書の遅い生徒に
「急がなければ!」という意識が生まれるからだ。
この展開を何回か繰り返すと全体の授業ペースが上がってくる。
授業は1回完結ではなく、10ヶ月全体で行われるものであるべきだ。市進
の場合は10ヶ月で平均して80コマ近く受講してもらうことになるから、1
コマごとに30秒短縮できれば最後の授業では40分以上も余裕が生まれる。
「遅刻するなら教室に入るなよ。お前のやっていることは営業妨害なんだ。も
ちろん授業料は返さない」
頭に来たので叫ぶ。8割以上の生徒様が真面目に授業に参加しているのに、
頭のおかしいグズが全員の足を引っ張っているのだ。
1コマ目が終わって煙草をくゆらしていると、仮名A君がやってくる。
体調が悪いので次の授業は途中で退出するかもしれないのでよろしく頼むと
のことだ。
僕「おい、無理することはないぜ」
A「はい、本当にまずいときは失礼しますので・・・」
僕「いやだからさ、無理してまで受けなくてもいいからさ」
A「いや、どうしてもわからなかったトコロがあって、そこだけは聞かないと
・・・」
A君は1学期はBクラスだったが、文法ゼミを取って頑張っている生徒様で
ある。まだ偏差値に伸びは見られないようだが、夏は挑戦してCクラスにいる
わけだ。彼のような「1学期Bから夏にCへ挑戦」の生徒様は踏ん張りドコロ
である。レベルの違いはもちろんとして、テキスト構成の違いを超えなければ
いけないからだ。
しかし彼の第1志望は学習院大学。この夏は無理してでも英語に勝負をかけ
ているのだろう。僕は頭が悪くても頑張る生徒様を最も愛している(できれば
女子がいいけど・・・)。
2限の教室へ。
1限は欠席の生徒様が睡眠学習にお入りになる。解説内容は、この10回完
成の講座で最も難しい空欄補充であり、しかもきちんと考えればキッチリ正解
が取れる問題である。体調の悪いA君も目を光らせている。ここが勝負だ。
オヤスミの生徒様の机に近寄り、机を蹴っ飛ばす。
「寝るなら消えろや、ボケナス!」
名簿を見れば某B教大学の教育学部が第1志望。A山学院大学と同じく、私
立大学で小学生の教員免許が取れる数少ない学部である。こんな人間に、教員
になる資格はない。
午後のMARCHゼミ。
昨日も軽く注意した居眠り生徒様♀がまた眠っていやがる。ためらわず机を
蹴り上げる。すると言い訳。「違う場所を読んでいたんです」。僕は怒鳴る。
「そんなとこは予習で読んで来い!」
2コマ連続の次の授業で、用意しておいた中央大学の和訳問題を演習しても
らう。生徒様の8%が和訳問題で1字も書けない。もちろんさっきの生徒様♀もその8%に含まれている。
予習で問題点を見つけ、それを聞きたくて悪い体調を克服しようと頑張って
いるA君との差。おざなり(オザナリ=テキトーという意味)の
予習をして眠る生徒様との乖離(カイリ=大きな差)。
僕は目をつぶり、皆さんの目は見ないで喋るよと宣言する。
「この問題で和訳を1文字も書けないヒトが×人ですね。そういうアナタ、M
ARCHどうこうの前に、大学と名前がつくところに入れるための努力が優先
されるね。青森何とかカントカ大学なら入れると思いますが。もう少し自分の
現状を見つめたらどうですかね」
まあ、こういうことを話したところで何の効果もないのだろうし、また同時
にこのHPで書いたところで意味はないように見えるかもしれない(まともな
生徒様しかこのHPは読まないだろうし、読めないだろう)。
しかし僕には確信がある。
「腐ったミカンは全てのミカンを腐らせるし、悪貨は良貨を駆逐する。世界を
腐らせないのは、まともなミカンと良貨であり、その立場にある読者自身が努
力をするべきである。そして僕も良貨の一部だ」
いやいやホントに、世界を変える努力を誰もがするべきなんだって。
追記:エッセイ152「バイトは楽しい!その5」をアップしました。
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