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くつろぎのおやすみ 6月29日
  やたらと暑いでないの。
  梅雨の晴れ間の続きは3日目。今日は仕事も勉強もHPの作業も放り出して何 もやらないつもり。布団を干してから読書。


  『酒中日記』吉行淳之介(編)を読了。
  お酒を飲んだ日の日記を集めたアンソロジー(複数の著者の作品を集めたもの )。詳しくは後日のエッセイにゆずるとして、なかなかおもしろい。

  単行本発行が1988年で文庫本発行が今年。
  したがって収められている文章が非常に古い。おおむね、昭和40〜50年代。ゆえに、著者たちも懐かしい顔ぶれ。編者、北杜夫、瀬戸内晴美、遠藤周作、 黒岩重吾、田辺聖子、星新一・・・、豪華だけど古すぎるような気もする。

  しかし、さすがにこの時代の作家は文章がうまい。
  プロが書く日記ってのはこんなもんだ、という強い自負心が伝わってくる。ダ ラダラとした日常をデレデレと書いている予備校講師、赤面の極み。


  お昼前になった。
  いつまでも布団干しに興じているわけにもいかないので外出。映画を観に行く 。

  『かもめ食堂』。
  ゆるりとした、邦画らしい名作ではないだろうか。
  大きな事件は何も起こらず、血は流れず、宇宙から敵がやってくることもない 。恋愛もセックスもない。名演技も好演出もない。
  フィンランドにある、オニギリをメインメニューとする、小さな日本食堂の小 さな物語。とてもよかったよ。


  帰りにデパートの食器売り場へ。
  特に買うつもりのものはないから、いわゆるウインドウショッピング。窓の中 にあるわけではないけど。

  なぜか高校生のカップルがいる。
  ♂はガングロの馬っぽい奴で、ムラサ×スポーツの袋を提げている。いや別 に、その袋や店が鹿っぽいなんて言ってるわけじゃないけど。
  ♀は5年前の浜崎あゆみ風、というのか。まー、あんまり頭良さそうには見え ない。もちろんアユを否定しているわけでもない。

  しかしね。

ここはガキが出入りする場所じゃねーんだァ!

  ここ、が食器売り場というのはどうかとも思うが(-_-;)
  ついでに書店に寄って5冊買う。これだけ暑いと書店も空いているね。


  帰宅してプールに行ってからまた読書。

  『ZOO<2>』乙一を読了。
  2冊セットの本書の<1>については以前にも日記に書いた。その続きになる ホラー短編集。
  本書のコシマキ(本の帯)のコピーは島本理生。

「正直、やられた、と思った」

 北上次郎のコピーと較べるとイマイチかね。
  内容は<1>と同じように怖くて面白い。島本氏も指摘しているように、ホラ ー以外の作品も書いてほしい作家だ。ホラーが特別にうまいのか、ホラーもたま たまうまいのか、何となく後者じゃないか思う。

  この本の中で疑問が残ったのは「Closet」。
  どうしてもオチが理解できない。2回読んでも理解できないのは、僕の読み方 が悪いのだろう。読んだことのある人は教えてください。「じゃあ死体はどこに あるんですか?」

  笑えるのは「落ちる飛行機の中で」。
  ホラーというよりメタ小説というのか、登場人物と語り手の位置関係がハッキ リしないところが良い。20代作家の小説技術とは思えないくらい。内容はあくま でホラーなのに、笑いが止まらないという小説ってなかなかレアだよね。


  珍しくプロ野球をTV観戦できるようだ。
  横浜ベイとジャイアンツ。新聞のラテ欄を見ると、なんと地上波放送はなし、 BSー i でしかやっていない。そういう時代か。ところで「ラテ欄」でいいのか な。毎日新聞はすでに「テレビ欄」になっているのだが。

  ベイスターズね。
  すごい負けっぷりが続いてますね。昨日までで勝率0.382ですよ。ブッチギリ の最下位。ホントに去年はAクラスだったのかなあ。マリナーズのイチローの打 率は0.357。どっちが上になるか賭けが成立しそうだ。


  野球を観ながら夕食の準備。
  コチのアラを煮付けにして、アスパラと鶏肉を炒め、旬が近くなったナスを焼 く。もちろんビール。アサヒビールの新作「PRIME TIME」は意外にフ ツーの味。でも暑いから、いつもより1缶だけ多く飲む。ちょっとしたゼイタク 。

  汗をかきながら、洗濯をしながら、TVを観ながら、ワインを呑みながら、こ の日記を書く。
  こんなゆるやかな日々が毎日であればいいのに。いや、それは老後の愉しみに とっておこう。
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