予備校講師でわるかったな!





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夢かウツツか、ウツツも夢か。 7月8日
  恒例の怒鳴り声で目覚める。
  生徒のボケナス、改め大事なお客様にして奴隷のたけしがお仕え申し上げる生 徒様が第5文型がわからないと言いやがるのだ。

「てめぇ、いいかげんにしろよぉ!」

と怒鳴りながらも説明する(仕事だからなw)自分がかなしい。どうせ夢の中な ら心ゆくまでキレりゃあいいのに。


  午前中はまたまたマンション屋訪問。
  女性と逢う頻度が高くなればそれはつまりまあアレがアレしてナニだが、マンシ ョン屋では面白くとも何ともない。ちなみに明日も行かねばならんので、同じ話 が明日の日記も続くことをお断りしておく。日記だから同じ話が出てきて悪い理 由もないよね?

  速攻で帰宅して昼飯に弁当を使う。
  ロコモコ風のハンバーグ弁当。美味。やる気が出たので昼寝。もっとも、時間 が押しているので15分だけ。今度は昔に好きだった女性が出てきたが、いいとこ ろはなかった。夢なんだからさあ・・・。


  蒸し暑さも限界で薄着で校舎へ。
  石垣島産「ミンサー織」の淡い青のアロハ、ハイレグ風下着など。え。

 土曜のCクラスは、アンケートが金曜のそれに比べて劣っていた(英語で言う と inferior )。
  原因を探ると、ちょっとだけだが授業中の作業が遅い、つまり理解や暗記が進 んでいない生徒様が多いようだ。具体的には、先週扱った gulf (溝)の意味を今 日も書き取る生徒様が多いことなど。勉強の負荷を高くすることで授業のリズム も良くなってくるからな、とソフトアドバイス。この手のことは、アンケートな んぞが来る前に丁寧に仕込まなければならないが、誰にも何事にも失敗と後悔が ある(僕の夢など)。


  Lクラス。
  ここがアンケート最悪値。このHPを始めた当初から書いているように、この レベルのクラスでここ数年は苦しんでいる。いったい、どこまでレベルを下げれ ば「良い授業」と評価されるのか。

The more the teacher talked, 〜.

  この英文の more の品詞は何か。
  これを理解しないと「 The 比較級SV , the 比較級 SV構文」は理解できるは ずもない。そこで登場したサブ板書はこれ( this は下を指せる)。

(     ) - more - most
(     ) - more - most


  もちろん上が many で下が much (逆でもいい)。
  こんなところからやるのが、今の大学受験生予備校。とほほ。

  しかも much の品詞が2つあることもやる。まあ、これはちょっと難しいかな( そうか?)。

  他クラスの生徒様♀がずっとヒジをおつきになられていらっしゃる。

「おめえなあ、こんな初歩ってか中学英語からやってもらってるからタイクツな のかぁ」

  そう思うけど、何も言わない。
  じっとガマン。生徒様は金づる、金ヅル、マンションのローン。保身。キレない。自分 が良ければどうでもいい。あそこに座っているのは置物。人間じゃない。俺はプ ロ中のプロ(どっかで聞いたことあるな)。キレない。金、カネ、時給。俺は下 流社会の王道をひた走る卑しい民の予備校講師。


  20分後。
  どっかーん!
  みんな、お待たせ!!
  テポドン発射!!!

  おっとシャレにならんな(^_^;)
  中島義道ばりに(ヒマな読者はここの日記を参照)、言葉で激しくキレる。

「おめぇらはバカなんだと。救いようがないほど低レベルなんだと。今やってる ことは高校入試レベルなんだと。それを自覚しないでヒジをつくなぁぁぁ!」

  上記と全く同じメモ板書をして指名してみたら、案の定こたえられない。
  いやほんと、many と much の級変化ですよ、今やってるのは。たぶん、来年あた りには old - older - oldest ですよぉ、はぁーい? とかやるんだろうなあ。


  キレネタはともかく、これでは困ることがある。
  ここまで受験生のレベルが落ちてくると、「誰が教えても同じ」状態になって しまうということだ。つまり、私教育で教えることにはある程度の専門職であるこ とが必要とされるが、そのスキルのレベルが低すぎて誰でも教えられることにな ってしまうということ。

  たとえば、すでに今の時点でも more and more people という表現を、「 more and more でますます多くの、というイディオム」と教えている講師はいるし、参 考書もある。
  もちろん、それで済む項目ならそれでいい。しかし、その教え方では more が単 独で出た場合にどう処理すればいいかがわからない。 more がその英文の位置によ って副詞にも形容詞にも(ときには名詞にも)なることを伝えなければ、金を取 る意味がない。金の代価として英語力(たとえそれが受験の問題を解く能力に過 ぎないにしても)を与えるのが教育サービス業である。


  しかし、もういっそのこと、その場・その問題でしか通用しないインチキを「 教えて」おいて、余談で笑わせる程度の授業でいいのかもしれない。
  楽しければそれでいい、今をラクに過ごせればいい、生徒が入試でどうなろう がそれは生徒の責任(ある意味では事実か、これは)、そんなもんでいいんだろ うか。そんなの、高い金をもらってやる仕事じゃないんだけど。


  そんなことを考えつつビール。
  北風が吹いて少し涼しい。それにしても、今日は他クラス生に振り回されすぎ たな。マジメにやっているいつもの生徒たちに悪いことをした。いやはや、夢も 現実もうまくはいかないものだ。そんな日もある。
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