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消えていくもの 11月22日
  晩秋がいちばん好きな季節だ。
  10時前に起床。晴れているけど空気は冷たくなった。もう秋には戻れないよ、 という非情な冷たさが好きなのだ。


  新聞を読むと齋藤茂太氏逝去の記事。
  享年(きょうねん=亡くなったときの年齢)90歳。茂吉の長男にして北杜夫の 兄にして精神科医にしてエッセイスト。「モタさん」の愛称で知られる彼のエッ セイはいくつか読んだことがある。どれもいわゆる癒し系、つまりどちらかと言 えば退屈なものが多かった。

  新聞は訃報記事から読め、という鉄則があると言う。
  去るものは日々に疎し(英語エッセイのここを参照)と言われるように、人は 死んでしまえばニュースになりにくい。その人の最後の消息になるのが訃報記事 だとする考えによるものだ。

  このHPでは原則的に訃報ネタを扱わないようにしている。
  キリがないからだ。先日も漫画家のはらたいら氏が逝去したが(それにしても 絵の下手な漫画家だった)、いまさら「はらたいらさんに1000点!」なんて書い てもなあという心持ちがあった。ただ、今回のモタさんの逝去に関しては、ちょ うど姪っ子の本を読んでいる途中でもあり、個人的な備忘録として書いておく。 ご冥福をお祈りしたい。


  リンゴ、ヤクルト、ヨーグルトなどで朝食を済ませ、お昼前に外食。
  経済的にも健康的にも外食は避けたいが、いろいろ忙しい今週だ。恵比寿ビー ルの限定品など買ってから帰宅。

  『グレート・ギャツビー』を(本当は昨日)読了。
  翻訳家としても知られる村上春樹の新訳が発売されたので読んでみた。
  春樹は30代半ばあたりから翻訳を行ってきて、自分にとっての最高の愛読書で ある本書を「60歳になったら翻訳しよう」と公言してきた。さていかがなものか 。

  著者はスコット・フィッツジェラルド。
  ヘミングウェイと同時に生きた、20世紀前半の人気作家である。詳しくは後日 のエッセイに譲る。今日のところは、再読することの哀しみと新訳を読むことの 喜びだけ書いておく。個人的に、納得できる小説ではない。推薦された本を楽し めない悲しみも覚えた。仕方のないことだとは充分に知っているのだけど。


  10日ぶりくらいのプール。
  意外に体重は増えていない。旅行だ体調不良だとおかしかったわりには64キロ ちょっと。平常時より400グラムくらい重いか。しかし誤差の範囲内。

  市進市川校へ。
  いつものようにこなして授業後は忘年会または送別会。業界を離脱して新しい 世界に跳ぶ先輩を見送る。休前日で「黒ゆでたまご」は満席。予約すれば良かっ たかと「キヨハラ」へ移動して危うく席を得る。

  節度ある下ネタの宴。
  先輩と握手してから帰宅。新しい世界に踏み込む彼と、とどまる僕の構図。何 かを探さなくてはと自分を励ましながら帰路を歩く。もうすぐ冬だ。受験生は健 康に注意すること。


追記:エッセイ225「女性の涙に三角形」をアップしました。
追記2:はらたいら氏と石坂浩二氏の「著名人博学勝負」を観たかった。あるい はどっかでやっていたのかなあ。
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