予備校講師でわるかったな!





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かなしい!楽しい!大好き! 1月5日
  軽い朝食。
  リンゴ半分、ヨーグルト、ヤクルト、カップスープ。あたたかいものを飲んで から外出しないと冬はきついからね。早起きは今日まで。


  横浜通勤のときだけMDを聴いていく。
  小さな電車旅と言えばおおげさだけど、遠くまで出稼ぎにいくのだから音楽く らいのお供は欲しい、というところ。

  MDを買ったのはケッコウ遅くて、今世紀に入ったあたりか。
  正確な記憶はないが、ちょうど倉木麻衣がデビューしたころで、誰かに借りた 彼女のデビューアルバムをMDにコピーして聴いた。だからタイトルも曲名もわ からない。

♪何、信じて、
   何を感じて見つめればいいの
   孤独な世界
   メロディーが耳に流れているよ・・・

   今と違って当時の僕は非常に忙しい時期で、彼女の唄を聴くことそれ自 体が癒しになった。癒しという言葉は全くすきじゃないけど。

  横浜通勤も今日を入れて残り3日。
  このデビューアルバムを繰り返し聴いた。結局は孤独なまま横浜を去るんだな 、と。


  午前の連続コマ。
  何も問題なく終わる。例によって「これが最後だからというトークはない。城 南をクビになったからどうという話をする必要はない。チャイムが鳴るから」と 締めて終わりにする。ピタリとチャイムが鳴った。
  授業はあくまでビジネスだ。


  昼休みの相談の生徒様IM♀。
  この講習が初信原ということ。某女子大学の自由英作文が書けないという。も う、これは手遅れ。

  赤本を始めるのが遅いからである。
  対策を取るのは、国立を別とすれば、年内で終わらなければならない。もし今 まだできることがあるとすれば、年内から引き続いて過去問を昔の年度に遡るし かない。だから、10月2日の日記に書いたように、早い時期で解き始めておくし かないのだ。

  まあその件で今さら本人を責めても仕方がないので、残り時間からみた優先順 位のアドバイスをする。
  もう私立の入試まで1ヶ月くらいなんだから、1年間の総復習を先にやるべき じゃない、とあくまで優しく。いい人すぎて困るぜ(女子に優しいという説も有 力)。


  午後の連続コマ。
  あろうことか、後半の授業で、長文が2題あることに気がつかなかった。「い やに早く終わりそうだな」と思ってゆっくり遠回りに授業を進めてきて、残り25分で「あと1題あるじゃん」と気がついて大汗。

「あ〜、いいですかぁ? このように、入試の現場で残り時間が少ないのにとつ ぜん気がつく、これがサイアクのパターンですよぉ」

とゴマかしたら、生徒様はゲラゲラ笑ってるし(-_-;)
  しかしうまくしのいで、短文演習のプリントもざっと仕上げて、1分足らずの 延長で締める。良かった良かった。


  授業後は相談が相次ぐ。
  僕の講習最終日だとわかっているので、今日まで相談を取っておいたらしき生 徒様が目立つ。チューターがひそかに根回ししたか、賢明で礼儀正しきわが生徒 たちが配慮してくれたかのどちらかだろう。

  このあたりは城南の数少ない、あっ、たくさんある、いや、多すぎて数え切れ ない城南予備校の長所である。
  生徒様が自己都合を優先させるのではなく、講師の都合を配慮しながら、それ でもなおかつ講師を利用するというシステムだ。どの生徒様もきちんとポイント を絞った相談や質問をするし、礼儀も正しい。


  昨日の日記の続きになるが、こういう「きちんとした勉強の場所なんだ」とい うシステム作りを、雰囲気を含めて維持していくのはきっとプラスになると思う 。
  勉強に適した時空(時間と空間)が社会全体に減っていることは事実で、そう いう時空をサービスとして提供してもらうために生徒様が予備校に通うこと。こ の考え方はどんどん重要度を増していくのではないか。
  つまるところ、勉強をさ せてくれ、また勉強したくなる空気のある予備校が生き残るのだと思う。それは もちろん、僕のような講師という立場の人間が意識するべきことでもあるが。


  相談ついでの余談も少々。
  このHPの話や、僕の解雇の件など。なかなか面白い。横浜文化圏には「それ はそれ、これはこれ」という割り切りをする風潮がある。潮風が吹く風土のせい なのか、単純に城南イズムなのか、それは最後までわからなかった。

  僕はそういう割り切りのよさを愛しているから、つくづく横浜強制撤退を残念 に思う。
  職業面という意味もあるが、違う空気に触れることがどれほど大切なことか少 しずつわかってきた。失って初めてわかった、という低いレベルの話ではない。 失うことを予見し、それが実現してしまったことへの、いわば望郷の思いに似て いるということ。


  直前講習について生徒様♂。

♂「先生、最難関(クラス)ばっかじゃないすか!」
僕「あー、嫌がらせかな?」
♂「しかも長文ばっかだし」
僕「その辺がさ」
♂「(信原が)大バッテキか、と(笑)」
僕「だからそれがさ、城南の、あの」
♂「詳しくは日記で?」
僕「おお、ざっつライト!」

  こういう会話は、まず千葉ではできない。
  横浜の明るい風土。ちょっと抜け作な感じもするのが良い。


  それでも相談事は40分でサバいて帰宅の途へ。
  昨晩と同じような夕食。野菜不足なのでエリンギとヤマイモを薄切りにして軽 く油で炒める。焼き目がついて黄金色になったあたりで引き揚げ、ポン酢で食べ ると美味。清酒「八海山」をヌル燗でいただく。

  多忙期は終わった。
  また、新しい恋が始まればいいのだけど。
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