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家庭料理伝道者への道 |
5月15日 |
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寝坊して10時起床。
9時間も寝るなよ俺。気を使うことの多い人生時期が続いているが、仕事はヒ
マヒマ。特に呑みすぎているわけでもないし、さすがにこの時期に「春眠暁をな
んとやらだな」と書いても読者は納得するまい。本の読みすぎで脳が疲れている
ような気はするけど。ということで昨晩の読書ネタから。
『牛への道』宮沢章夫を読了。
著者は演出家・劇作家。演劇に興味を全く持たない僕がどこかで聞いたことの
ある名前だから、それなりの有名人なのだろう。
シュールなエッセイ集。爆笑。電車の中では読めない。
ところで、この「シュール」とはどういう意味だろう。およそ人は「意味はア
バウトにしかわからないけど」と思いながら様々な言葉を使っている。シュール
、と言われるとイメージはわくが「説明して」とされて言語化を試みると難しい
。
辞書を引くと「シュールレアリスムの略。非日常的なさま」などと書いてある
。
非日常的というのは事実だが、それならはじめから「非日常的なエッセイ」と
書くような気がする。そこで「シュールレアリスム」を辞書で引くとトンデモナ
イ説明が出てくる(一度お試しを)。さて、こういう訳のわからない「シュール
」なエッセイとはどのようなものか。
たとえば、威嚇について。
ピストルを構えて「手を上げろ」と言われた人がそのセリフに従うのは、ピス
トルが恐いという共通の前提があるからだとする。ここまではよくわかるし、よ
くある話なのだが、本書はここからシュールな展開を見せる。
>しかし、包丁を手にボウリングの投球をする構えだったら安心だ。なぜなら、
そいつはばかだからだ。ばかに威嚇されて恐いのは、おそらく何が何やらわから
ないときだ。こうした場合、手にしているのが(中略)、いきなり、中華鍋を両
手で抱えていたりする。鎖の先にだるまをつけてぐるぐる回すとかね。うどん粉
をまき散らしながら全力で向こうから走ってきて、「後生じゃー」と訳のわから
ないことを叫んでいるとかだ。よく理解できないがかなり恐い。
また、ピストルを構えた賊が「手を上げろ」と言うのなら、理路整然としてい
るし、彼がまともだとわかって安心できるが、いきなり、「腰を曲げろ」などと
言ったとするなら、ただごとではない。「鍋つかみでつかめ」もまずい。「あん
をほんげれ」とか・・・。
たぶん、「どこが面白いのか?」と思った人が95%だろう。
残りの5%の半分くらいの人は、電車の中でケータイからこの引用文を読んで
いて恥ずかしい思いをしただろう。シュールさというのはやはり非日常的なもの
であるらしい。立ち読みしてシュールさと自分の相性を確かめてからの購入をオ
ススメする。
正午をはさんで雑用少々。
早い午後は予習の確認と授業準備。そろそろ再来週スタートの1Cタームテキ
ストが来てくれてもいいような気がする。たぶん校正が遅れているのだろう。1
Bタームの英語のテキストはいかにもミスプリが多かったし、さすがに(なんて
書いちゃまずいかw)スタッフも気を使っているだろう。
ここで関係ないが、昨日成立した国民投票法について感想。
投票が18歳以上となった。選挙権は20歳以上だから、整合性がないこと
になる(もちろんこれに関しては議論があった)。世論は「世界基準にあわせて
だからいいじゃん」のようだ。そうかな。
日本は世界基準に比べて幼稚な国ではないのか?
日本人が未成熟であるのは、それだけ社会システムが成熟しているからだろう
。幼稚な精神構造を持っていても生きているだけのゆとりがあるからだ。ニート
だのフリーターだのワーキングプアだの(僕もこれらの一部だが)が何のかのと
生活していけるのは、社会全体が豊かになったからだ。あながち悪いことでもな
い(好き嫌いはあるだろう)。
しかし、精神性はどうだろうか。
高校を卒業したばかりの子どもが、投票権を行使できていいのだろうか。とり
あえずは改憲問題になるだろう。「改憲か護憲か」「第九条変更か否か」という
高度な判断を、そういう若い人に任せていいのだろうか。政治に関心をもった人
生のスパンが短すぎるような気がする。むしろ逆に、成人年齢を引き上げて(25
〜30歳くらい?)、選挙権も下限を引き上げるほうがいいように思う。まして、
憲法にかかわる投票なぞ、40歳以上くらいでもいいのでは。
そもそも「親学」なんていうことが議論になるこの国、全体に幼稚化している
ことは明らかなはずだが。
日記に戻り、プールは900メートル。
体重は再び65キロを切ったがまだ油断できない。ちょっと時間が押して昼飯は
ナス肉味噌炒め弁当に逃げる。逃げてはいないか。
検見川浜校へ。
高1向けの何かのイベントをやっている。盛況のようで、僕のクラスは狭い教
室へ移動。少人数なので問題なし。予備校のイベントというのは広い教室を使う
ものなのだ。盛況はいいことだけど、何のイベントなのかは不明だった。
少しは宣伝もしておこう。
検見川浜校は新しい校舎だから教室もトイレも綺麗。全館禁煙で空気もいいし
、医療フロアにあるから治安もいい。ヤンキーとかがウ×コ座りなんかしていな
いから学習環境もなかなかです。あんまり宣伝になっとらんぞ(-_-;)
2年生の授業なので今日も余談を少々。
英文中にあった以下の表現に関して。
>a patriotic son of his native land
直訳すれば「自分の故郷の地の愛国心ある息子」である。
しかしこのまま解答用紙に書くのもなんなので(正解にはなると思うが)、どう訳すか。これは入試的な正解を説明しているのではなく、日本語の表現を鍛えるというだけの話だ。
余談は、若者の後の人生に影響を与えるものであるべきだ。
それをいま耳にしたからどうということではなくて、「なんかオッサンが言ってたなあ」というレベルで構わない。しかし何かが若者の記憶に残る、そういうものでありたい。逆の例を挙げれば、今週の授業で
>モーむす? 煙草は吸うし子どもはできちゃうし、大変だよね
などと言っている予備校講師がいれば、その授業は即切りでいいと思う(イマドキはいないと思うが)。
まあ切らないでそれに興じるのも谷崎潤一郎が雪を見ながら書いた名作小説
のようなものだが。
話を戻して、僕の正解見本は「愛国の士」。
余談は「士」を「し」と読ませながら、この漢字にはどういう意味があるか、というもの。正解は「おとこ」である。麻雀の役にもある「国士無双」。これは前漢成立直前に活躍した武将・韓信につけられたあだ名である。国に双(ならび)たつ士(おとこ)無し。韓信はそれほど強い武将だったのだ。漢文の授業かこれは。
なお、この下りは特に調べないで書いているので漢文受験利用者は自分で調べるように。
帰宅して夕飯。
3回目の鶏ハムを作っておいた。しつこい性格ゆえではなく、この料理を手に覚えさせるため。2回目はここの日記を参照。今回は砂糖の代わりにハチミツで仕込んでおいた。絶品。やはりハチミツを加えると肉が柔らかくなるね。これで一応の完成。
見栄えがよくないし、オリジナル料理ではないので「一膳」シリーズには加えない予定。
いつもより日記の内容が薄いな。
アスパラのバター炒めの3行レシピでもいこうか。もちろん今夜作ったから書いている。1人前。
1、2本のアスパラは3つに切り分ける
2、バターと油同量をフライパンで熱し、アスパラの根元部分から順番に(10秒おきで3段階)入れる。常に中火
3、塩を少々ふって、焦げ目が軽くついたら出来上がり
なに。
「アスパラがカタ〜い」だと。そこで奥義を授ける。
秘奥義:3で試食して硬いときは、酒小さじ1をフライパンに投入して火を止める。鍋のフタで閉じて20秒待つ。
するとどうしたことか、アスパラが柔らかくなる。
水を使うと味が抜けるので酒(料理用で良い)を使うこと。
あたたたたたたた!
お前はすでに、柔らかくなっている。
古いよ((+_+))
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