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本八幡、ラング、薩摩揚げ。 5月26日
  9時半起床。
  蚊の音で1度だけ目覚めたが2時からグッスリだった。夢の記憶もなく、睡眠 と覚醒のタイムラグもほとんどなかった。とりあえず良かった。昨日の日記を読 んでないとちょっとわかりにくい感想で失礼。風は強いけどよく晴れている。朝 食はピザトースト。

  10時半から予習。
  1学期後半の分だ。3年生は全て終わった。2年生も半分近くまで来たので全 体で80%以上になった。もうこれで大丈夫だろう。授業実施近くになってから予 習の再確認、プリントの準備などが残ったことになるがいつものペースだ。

  お昼ごはんは恒例のキツネそば。
  今日はずいぶんと暑い。Tシャツと短パンで過ごしている。そろそろ熱い日本 ソバも終わりの季節かも。食後に軽く読書。


  『食欲の奴隷』酒井順子を読了。
  食べ物や食事にまつわるエッセイ集。わりに平凡。

  同じ作家の本をできる限り追いかけるというストーカー体質につき、新古書店 で買ったもの。
  本書は1990年前半に書かれたもので著者は25歳前後。以前にも書いたように、 やはりエッセイストとしての成熟期に入っていないかな、という印象。あまり感 想とは関係ないけど、びっくりしたというか気になった箇所。「立ち食い」の章 から。

>私も、大学時代のクラブの練習の帰り、総武線は本八幡の駅前で大判焼きを一 個買っては、電車に乗るまでの間に食べ切っていたものです。

  「総武線は本八幡、なんて言われても知るかッ!」って言われそうだけど、今 の職場が本八幡なので許してくださいまし。
  この大判焼きの店は今も北口にある。階段を下りて右手徒歩10秒くらい、パテ ィオの1階の宝くじ売り場の隣である。市進市川校に通う高校生なら買ったこと もあるのではないか。

  少々の疑問が残る。
  「電車に乗るまでの間に食べきった」という記述からすると、あっという間に 食べたという意味だろう。大まかに計算する。

・北口の店から階段を上りきるまで20秒。
・階段上から改札まで15秒。
・改札からホームまで25秒。

  たしかに1分あれば大判焼きを食べきるのは可能だろう。
  酒井はデティールにうるさいエッセイストなので、本八幡の南口の構造からす ると、この店は現存する北口の店しかありえない。著者は立教大学で、たしかボ ート部だったはず。いったいどこで練習していたのだろうか。江戸川? 江戸川 が近い南口にはその手の店はなかったはずなんだけど・・・。感想文になってな いなあ。作家ストーカーとはこういうもの(^^)


  1時間だけヒミツの花園。
  天気もいいことだしと衣替えの続きに取り掛かる。冬物にざっとアイロンをか けて段ボール箱にしまう。引越しに備えるような詰め込みかた。引っ越せばクロ ーゼットが広くなるので、Yシャツのような型崩れが気になるものはこの作業を 省けるようになるかも。

  続いて夏物の整理。
  衣替えは4月のアタマから第1弾に入っているけれど「なんか半袖が少ないな 」と思っていた。押入れをのぞくとダンボール1箱発見。すべて夏物。なんだな んだ。半袖シャツ、つまりポロシャツでもTシャツでもないものの数を数える。 授業に着ていける、つまりそれなりにちゃんとしたもので50着以上60着以下みた いだ。冬物の整理はついてきたので、夏物もこの夏と転居を機会に決着をつけた い。10着くらいアイロンをかけた。

  2回目の昼食はあんかけ焼きそば。
  市販の揚げ麺(あんかけソースつき)を使う。具はフライパンに入れる順番で シイタケ、イカゲソ、魚の練りモノ、キャベツ、モヤシ。おおむね炒めあがった ところで水とあんかけソースを投入し、暖まったら揚げ麺にのっける。仕上げに 小口切りのワケギをかけて食べる。なかなか旨いな。麺は揚げ麺でなくてもいい かも。そのうちやってみよう。


  校舎へ。
  Lクラスのみ「前回の復習テスト」がある。けっこう難しい。前回は分詞構文 だったので、熟語としての分詞構文が出題されていた。文頭で始まるとして、大 文字で始めよという条件付で記述式。こんな感じ。

1「〜から判断すると」
2「〜と言えば」
3「〜を考えると」
4「ざっくばらんに言うと」

  もちろん入試業界で言えば「当たり前すぎる」ものばかりで、おそらく長すぎ るテキストの前解説(←僕は授業では扱わない)のどこかに載っていたのだろう 。
  それにしても選択肢で選ぶならともかく、これらを全て自力で書くというのは この時期のLクラス生にはきついかもな、と思う。生徒様の様子を見ていると、 2分されるようだ。

1、とりあえずほとんど書ける(スペルミスなので結果的には間違えるものも多 い) 
2、ほとんど何も書けない(答え合わせで黒板の正解を写すので大騒ぎ)

  えらいなと思ったのは、1の生徒が半分近かったこと。
  現状の学力から見て「覚えよう!」と必死で努力しないと書くのは難しいだろ う。受講態度と比例しているのが目に見えて面白かった。暗記ものに関しては、 注意喚起はしても注意はしない。こればかりは、何をどう説得してもやらない人 はやらないままで、どうにもならないから。


  ところで、4の「ざっくばらん」という日本語はどうだろうか。
  おっさんしか使わないラングじゃないか。若い人なら「ぶっちゃけ」となるだ ろう。おじいさんなら「腹蔵(ふくぞう)のない話をすれば」となるかも。僕は 日常会話なら「ハッキリ言いますがね(目下向け)」か「正直に言いますと(目 上向け)」としているだろう。
  一般的には「率直に言えば」くらいだろうし、熟語集などもそうなっているん じゃないかな。正解は Frankly speaking 。ちょっとムリがある。

  英語に限らないが、ある言葉を教える場合に規則がある。
  定義や意味を伝えるとき、学習者または教育者しか使えないラングを避けるこ とだ。どちらかにおもねる必要はないが(この場合なら講師が生徒様に「ぶっち ゃけ」と教えるとか)、ある程度まで一般性のある言葉を使わないと教育になら ない。

  もちろん対応するコトバの数が少なすぎるなどの例外はあるかもしれない。
  熟語で言えば refer to は「〜に言及する」か「〜に言い及ぶ」くらいで、「〜 のことをネタにする」とか「〜のことに触れる」だとちょっと変な感じ。こうい う場合は無難に「〜に言及する」という和訳を与えておいて、例文で意味のイメ ージをつかませるのが1つの方法になる。高校生にとって「〜に言及する」とい うのは使い慣れないコトバだろうから。

I'm not referring to you.
「(何かの話題の途中で)君のことを言っているんじゃないよ」


  ときどき書くように、いつもこういうことを考えている。
  どうでもいい単語は「まあこんな感じの意味」で済ませるけれど、覚えさせる 場合には慎重に和訳の説明を選ぶ。そこを軽視すると、言葉を教えていることに ならないと思っている。あくまで個人的に、ではあるけれど。

  ちなみに「ラング」はフランス語で「言語」の意味。
  ある仲間内で「こういう事象はこう表現しようぜ」みたいなルールのようなも の。言語学の用語かもしれない。詳しくは最寄りの現代文講師に質問しましょう (丸投げw)。


  帰宅してビール。
  メインは豪華で高価な薩摩揚げ。とは言ってもサツマアゲはサツマアゲなので たかが知れているけど。切り分けてレンジで温めるだけで美味しく食べられるの は大きな利点。練り物の代表格3種で差が出るのはやはりカマボコか。次点がチ クワでサツマアゲは最下位だろう。
  わりに普通の食事だったし、長くなったのでこの辺で失礼。


追記:エッセイ257「世の中研究家→達人への道6」をアップしました。

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