予備校講師でわるかったな!





各ページのご案内はコチラ 

proflile 自己紹介

diary 日記

essay エッセイ

bbs 掲示板
  

Copyright (c) 2004 
takeshi nobuhara All Rights Reserved. 

キリがない 6月5日
  4時半起床。
  4時前に目が覚めてしまい眠れなくなるという恒例のパターン。日付が変わる 前に消灯するというのが良くないのかも。日の出が最も早い季節ということもあ って、カーテンから差し込む陽の光で目覚めてしまうような気もする。まだ眠いんだけど。


  5時半から原稿仕事。
  予想されたように、全体のフレームができてから難航する。微調整につぐ微調 整でぐったりする。やってもやっても進まないような気がする。パソコン上だけ で作業ができればまだラクなのだが、あたりに紙を撒き散らして

「あれ? これはこっちに使ったからこれはこっちに回すと・・・。あれ。整合 性がなくなるな。どうすりゃいいんだ?」

などと独り言をしながら進める。
  適当にザックリやると「ここ、傷があります。 修正してください。できなかったら値引きしてください」とか言われかねないし 、「まあ適当に」などということができればA型なんか勤まらない。血液型とい うのは任務だったのかしらね(^_^;)


  2時間経過。
  これでトータル510分。もう少しあと少しまではもう少しけっこう山積。そうい えば、ZARDの坂井泉水が亡くなってからすでに1週間だ。忘れないようにと いうことを書いた記憶があるけど、やっぱりちゃんと忘れかけているよな。ちょ っと備忘で書いておこう。備忘ということは忘れるの裏返しだが・・・。

  坂井泉水はボーカルとしてデビューする前、蒲池幸子という本名(だったと思 う)でヌードモデルをやっていた。
  亡くなってからそんなことをホジクリだすとは、墓をあばくようなものではな いか(そもそも、マニアはそんなことは昔から知っていただろうし)。むかし、 というのは僕が小学生くらいのころにも、こういうネタは尽きることがなかった 。しかし当時はネットなんていうものがなかったので、俗悪系(大衆系か)週刊 誌で記事を読むしか、その手の情報を知る方法がなかった。

  いまは昔というやつで、好きな人は検索して彼女のヌード画像を見ていること だろう。
  もっとも、僕のように検索していなくてもどこかのサイトで見えてしまうこと もあるし、実際に見たわけだ。まあ20年くらい前のヌードだから、今となれば少 年マンガ誌のグラビアに出てきそうな普通のレベルだったので特に感慨とか感動 とかはなかった(なかなかのナイスバディではあったが、これも今の時代ではま あまあ程度だろう)。
  ところで感じたのは、

「ZARD時代のほうが美人だった じゃん」

ということ。

  こんなことを書いて備忘になるのかどうかよくわからない。
  でも、昔だったらヌード時代の画像なんか見ないで済んだから、その方が幸せ だったかもと思う。情報を自由に得るチャンスが拡大するのはもちろん素敵なこ とで、今さら帝政ロシア時代に戻りたくもないし戻るわけもないのだが、知らな いままでいるというのも美徳だったのかもなあ、と思ったわけだ。こういうのを 懐古趣味という。これから加齢するにつれてこう思うことが増えていくのだろう 。
  もちろん、今の若い人に予告をするために書いているだけね。深い意味はない し、書けばキリがない。それにしても眠いなあ。


  8時半からベッドに戻ってみる。
  とにかく目を閉じて「俺は眠っているんだぞ」と言い聞かせる。次に目を開け たのは10時前。夢のようなものを見た記憶もあるから、なんとか数十分は眠れた のだろう。夏期講習が始まるまで1ヶ月ちょっとだから、そのときまでに睡眠障 害を克服しないといけない。今の平常期は睡眠不足くらい何でもないんだけどね 。

  スーパーへ。
  帰宅して「白身魚フライのり弁当」。白身魚フライの入っていないのり弁があ るのかと言いたい。もちろん読書。


  『となり町戦争』三崎亜紀を読了。
  著者は最近少しずつ人気の出てきた小説家。昔から「読もうかな、どうしよう かな」と考えていて、本書が文庫になったので試してみた。この小説のあらすじ (ネタバレなし)

・となり町との戦争がはじまる。通勤のときに僕はとなり町を通過しているけれ ど、実際に戦争が行われている様子はない。ところがある日、僕の住む町の広報 誌「広報まいさか」に戦死者数が記された。どこで戦争が起こっているのだろう 。そして、ついに僕のところに「戦時特別偵察業務従事者」に任命するという封 書がやってきた。いったいこれは何だ?

  戦争が社会のシステムの中に組み入れられているというくだりが頻出する。
  反戦とか、高度資本主義社会批判とか、そういうメッセージがあるのかどうか すら判別できない不思議な小説。文章は読みやすく、ストーリーテリングも明快 で、メタフォリカルな記述が鼻につくところもあるけれど、ずんずん読み進める ことができる。

  ただし、この小説が読者にどういう働きをもたらしているのか最後までわから なかった。
  ただの実験的なストーリーという気もするし、何かを暗示しているのかもしれ ないし、単純に上記のような社会批判のようにも思える。またあるいは、特にそ ういう意図もなく書き上げられた物語なのかもしれない。早い話が「よくわから ん」小説だ。面白いかどうか単純に質問されれば「ま、ミレニアム(死語すぎる ぞ)越えの小説ってこういうのが多くない?」とお茶を濁した答えになりそう。

  もっとハッキリ書こう。
  村上春樹の影響を受けすぎている。物語としては春樹の『ダンス・ダンス・ダ ンス』(←この小説に関する僕のエッセイはヒマここ)と全く同じと言っていい だろう。登場人物の造形、ストーリーテリングの手順、背景となる思想(?)な ど、同じ日本料理を中華料理皿に盛り付けたようなものだ。他の作家に影響を受 けて悪いことはないが、デビュー作としても「まあ、ヘタな作家ではないが・・ ・」という程度かもしれない。
  それにしても、本当によくわからん小説だったなあ。


  いろいろ省略して検見川浜校へ。
  2年生はもちろん3年生に比べてのんびりしたカリキュラムなので、まだ動名 詞。ハイレベルのクラスではあっても、読解で「動名詞の意味上の主語」が出て くるともたつくことしきり。まだ単語力が低いから、「単語の並びから意味を何 となく想像する」というインチキなことをしないのが低学年のいいところだ。た とえばこういう英文。

>Folk-stories have a profound effect on the mind of a child and of a people without their understanding their psychological meaning.

  2年生ということもあり、このあたりは必ず全訳させるようにしている。
  予想されたように、1つ目の their で「それらの?」となり、2つめの their で 「かれらの?」となり、「じゃあ1つ目の their の働きは? それぞれの their は 何を指しているの?」と問い詰めると沈黙、というパターン。

  もちろんこれは簡単な例。
  意味上の主語が代名詞ではない普通の名詞になると、目的格でも表すことがあ るから、前置詞の目的語に見えてしまうことが多いのだ。単語の意味をできるだ け与えないようにして、形だけで判断させる練習を繰り返しているところ。2年 生の場合は残り時間が多いから、この時期にこういう訓練を積んでおくことが必 要になる。


  ところで、2年生に「ZARDって、知ってる?」と質問してみた。
  回答は「歌手、ですよね、くらいです」とのこと。僕の世代だとキャンディー ズより少し昔、くらいになるのかしらね。いやいや、今の高校生にキャンディー ズは絶対にわからないだろう。僕たちが「殿さまキングス」を知らないのと同じ ような昔話です。キリがないのでこの話題は終わり。


  帰宅して料理。
  正確には、作り置きしておいた。今日の初挑戦は牛肉のタタキ。ローストビー フ風。今日の新聞にレシピが出ていて、ちょうど牛肉が安売りされていたからだ 。100グラム500円という「普通に旨い牛肉」の最低ラインで、モモ肉ステーキ用 厚さ7ミリ程度という「ちょっと頑張りました」的ゼイタクの最低ラインとも言 える。

  調理はシンプルで、しょう油に漬けながら表面をフッ素コートのフライパンで 各面を数回ずつ炙るというもの。
  本来は固まり肉を使うものだが、我が家計にそんな余裕はない。恥ずかしなが ら、今年になってに牛肉を買ったのは今日で2回目(前回は3月5日だった)。 収入が減れば生活レベルを落とすのは当然である。悔しいことではあるが、情け ないことではない。つまり今日は本当に頑張っちゃったのである。

  午後に焼いた牛肉をキッチンペーパーでくるんで冷蔵庫に入れておいた。
  もともとが薄い肉なので、新聞にあったような「超薄切りで」などとはならな い。いわゆる拍子木切り、5ミリ角の肉片が7つくらい(約70グラム)。ポン酢 につけて大葉でくるんで食べる。


  ・・・旨い(*^_^*)

  初挑戦とは思えない仕上がり。
  それほど高い肉ではないのに、サシ(脂身)が程よく入っていて、火も程よく 通っている。切断面の2割くらいが焦げている。これがいい。しょう油とワケギ でも、しょうゆとワサビでも、ポン酢と玉ねぎスライスでもあうだろう。

  比較的安価で、偶然に良い肉が手に入ったこともあるだろう。
  真剣に作ったのも良かった。気持ちが味に加わることはないが、気持ちが料理 の手順を丁寧にすることはある。久しぶりに牛肉が食べられるんだ、という喜び が丹念な調理を呼んできたのだろう。料理とは、やはり、こうでなければ。キリ がないので今日の日記は終わり。

diary 日記  
これまでの日記はコチラ