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料理、それは生き様。 |
6月22日 |
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9時起床。
曇すぐにのち本格的な雨。やっと梅雨入りした、と考えよう。朝食は今日もチ
ーズトースト。チーズを使いきれるかどうかが最近の最大の関心事。もっと立派
な大人になりたかった。たぶんこれからなれるのだろう。
今日も荷造り。
CD1枚分の作業で4箱増えた。4枚で21箱。この作業がなければ腰痛が回復
に向かうはずなんだけど、ある程度やっておかないとまずいだろう。予想された
以上に、あるいはそれ以上にモノが多いことがわかる。天の岩戸のような引き出
しをあけると、非常に捨てにくいものが出てくる。
・文鎮(ぶんちん)
・扇子(せんす)
・数珠(じゅず)
文鎮は小学校時代に兄弟が学校からもらってきたものを僕がくすねてきたもの
。
ふだんは机の上にペーパーウエイト(つまり文鎮だ)を常備して常用している
。ちなみにこっちは大学時代のコンパのプレゼント交換でゲットしたもの。物持
ちが良すぎるようだ。
扇子は・・・忘れた。
なぜか留め金が壊れていた。触っていないのに壊れるとは、まさか風化したの
だろうか? 神の使いの小人が地道に分解作業を続けてきたのかも。捨てる。
数珠、ね。
祖母が亡くなったときに、母に貰ったもの。もともと僕が使うように手配され
ていたもので、「この子も自分でこういうものを管理する年頃だろう」と仮定法
の構文みたいなことを唱えながら与えてくれたのだろう。とっておくけど、次に
いつ使うんだかねえ。
腰痛レベルは2(多少の痛みを感じるが日常生活に支障はない)と3(常に腰
に注意を払う)を行ったり来たり、カムアンドゴー。
もっと立派な英語の先生になりたかった。
お昼前に整骨院へ。
「くれぐれも無理をしないように」とクギを刺される。雨で湿度が上がってい
るから注意するに越したことはない。近くの和菓子屋さんでオニギリを2つ買っ
て昼食にする。わかめスープと一緒に。この店のオニギリを食べるのも最後にな
るのだろう。食後は軽く読書。
『魯山人味道』北大路魯山人(編:平野雅章)を読了。
陶芸家、書家、篆刻(てんこく=印章を刻むこと)家、そして何より美食家と
して有名な北大路魯山人(きたおおじ・ろさんじん)の文章を集めたもの。名作
。
本書は魯山人の弟子にあたる編者が、魯山人があちこちに残した食に関する文
章を再録したもの。
あとがきにあるように、実際に魯山人が書いた文章を手直し(旧字や旧かなづ
かいを極力訂正しているようだ)したものなので読みやすい。本書の元になる本
は昭和49年、文庫版は昭和55年。しかし改版12刷を今年の4月に出したため、帯
をつけて世間の目を引くように宣伝されていた。
中央公論新社の地道な努力に感
謝したい。このような名著が、あまりに多く出版されすぎる新刊に駆逐されてい
る、これは出版界の大きな瑕疵(かし)である。
魯山人にかねてから興味があった。
おそらく彼の存在を僕が初めて知ったのは、漫画「美味しんぼ」であろう。主
人公の父にしてライバルである海原雄山は、魯山人の孫弟子とされている。魯山
人は食だけでなく陶芸や書の世界でも有名で、「いったいどういう男なんだ?」
と気になっていたのだ。彼のように多芸多才で知られるのはレオナルド・ダ・ヴ
ィンチや平賀源内など、歴史にある程度の頻度で登場するものでもある。
料理とは何であるか、食とは何であるか、旨いとはどういうことか。
食べることへの憧憬や素材への敬意などが余すところなく語られる。ここで引
用するまでもない。本書のタイトルがそうであるように、「味の道」を語るわけ
だ。うまいだまずいだグルメだと言った話ではなく、あくまで究めるべき「道」
として食は存在する、というのが魯山人の一貫した人生観である。大げさではな
く。
しかしまた一方でおかしいところは、これだけの大人物ともなると、「なんじ
ゃそら」と人をあきれさせるような言動も目に付く。
これは有名な話だが、フランスの高級料理店で鴨を食べて「ソースがうまくな
い」という理由でやおらしょう油とワサビをポケットから取り出し、ワサビしょ
う油で食したら美味であった、なんていうとんでもないエピソードも収録されて
いる。戦前の実話ということだが、レストランに行くときにポケットにしょう油
を忍ばせていくとはいかがなものか。
あるいは笑えるシーン。
「料理の秘訣」と題された小文で、料理の素人さんに秘訣を語る。
>みなさんは、いつの場合でも料理の補助味、すなわち、かつおぶしの良否を眼
で見て判るだろうか。(中略)
味噌の良否、醤油の良否と種類別、酢のよしあしと色別、香り別、油、塩、砂
糖、日頃こういうものを吟味してかかっているか。
こんな話は面白くないなあ、と言うのでは、料理の向上を心掛けることは無理
だッ――と私は突き放す。
「無理だッ」ってあんた、海原雄山みたいだなあ。
しかも突然キレだすし。なんで急に「ッ」なんていうカタカナになるんだよ。
お膳をひっくり返したのかもしれない(星一徹か?)。とまあ、こういう感じの
ユーモラスなところもある偏屈なおっさんの独断エッセイとして読んでも楽しめ
る本である。まずは立ち読みを。
サイトの作業。
「夏のアドバイス」を今年度版に切り替えるだけ。もちろん大まかな変更はな
いが、微妙な変更はいくつかある。1時間足らずで一応終わったけれど、もう1
度チェックしたほうが良さそう。アップは早ければ七夕、遅くても7月10日あた
りだろう。
少々英語の勉強などしてから2回目の昼食。
長崎ちゃんぽん。長崎以外にはないのか。具にふさわしい食材が乏しく、焼き
豚・シメジ・青ネギで。やはりイマイチ。ちゃんぽんは焼きウドンなどと違って
具が多いほど美味しいもの。イカ、キャベツ、ニンジンなどは最低でも揃えてお
きたい。特に魚介は少し入れるだけでも(タコも良し)風味が違う。明日以降は
努力しよう。夕飯の仕込みを終えて校舎へ。
長文は強調構文の2回目。
去年まで1回目に扱われていた教材が2回目に回ってきたせいか、授業がスム
ーズに進み過ぎる。おかしいなと思って生徒様を指名して
「僕の授業、今日に限って極端に早い?」
と質問してみる。あっさりと
「いつもと同じです」
とのこと。おかしいな。
帰宅してから復習をしてみたところ、特別に教えるのを省いた箇所もないし、
手抜きしたところもない。それだけ生徒様の集中力や授業態度が良かったのだろ
う。
BBQ数学講師Cと業界話をしながら帰宅。
もう雨は止んでいる。業界の雨は全く止む気配がない。いっそのこと英会話教
室方式を予備校も導入してみたらと提案。
僕「だからさ、回数券を売って、たくさん買うほど安くするんだよ。80分授業520
回セットとかさ。ウイングネットがあるから、これで解決じゃん。早い時期から
予備校に通わせなくても、まとめて観れるんだから。教育効果は全く知らんワン
ウェイぼったくり方式だけど、企業的にはOKじゃん(OKなのか?)。コムス
×もビックリ。どうだ?」
C「サギで訴えられて終了じゃないですか」
あっさり却下するなよ(-_-メ)
夕食のメインは鶏ハム再び。
前回は5月中旬だった(ヒマここ)。今回は茹でたあとにフライパンで軽く炙
ってみた。また、皮を取るのが面倒なので皮をつけたままにした。鶏皮はほとん
ど脂なので、少し野性味が出る感じを目標にしたわけだ。もちろんハムなので冷
しておいた。
そのままで食べると、一息足りない。
ニンニクしょう油で食べると、まずまず。柚子コショウで食べるとピタリ決ま
った。鶏皮の脂くささと、柚子コショウの香りがマッチする。野性と知性が調和
するとでも言うのか。一つの到達点であり、同時に途上でもある。料理は、道だ
。
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