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二日酔いで考えたこと 12月5日


  9時15分起床。
  今日からは珍しくやるべきことがある。さくさくと朝の雑事。おおむね、起床 してから1時間後には何かに取り掛かることが多い。今日もその例にもれず。もちろん直前講習の予習だ。


  1時間くらいで頭痛に気がつく。
  なんだろ風邪かなと考えてみれば、どうやら二日酔いらしい。これまた珍しい 。僕は1年に364日ほど酒を飲むヒトなので、あまりたくさんの量を飲まないよう に注意している。コトバで言えば「酔っても、酔っ払わないくらい」で、具体的 にいうと「飲んだあとでも問題なく家事ができるくらい」である。

  そうか、おととい実家に戻ったときに飲み過ぎたな。
  昨日は通常の量(ビール350ML、日本酒1合、ワイン3杯)だったから、一昨 日のぶんの肝臓の疲れが出てきたのかも。軽い二日酔いなら体を動かすほうが回 復が早い。したがって年末大掃除小規模編。どっちだよ。


  年末大掃除の趣味はない。
  しかし新居に移ったことだし、それらしいことくらいしたい、というのも今年 の本音。思想や信条なんてものは、状況でコロコロ変わる(からアテにしなくて も良い)ことの素晴しき例だ。とりあえず、壁、床、ドアなど目に見える平面全 てを水拭きするのが目標。

  寝室、洗面所、トイレ。
  いつものようにフローリングワイパーの先にゾウキンをくくりつけ、拭いて回る。 この3箇所では喫煙しないからたいした汚れではない。それでも少しゾウキンが 黒くなるくらいかな。予想されたように「平面全て」というのは量が多い。今日 はとてもよく晴れて空気が乾燥している。こういう日を確実に利用して、何とか 年内にカタをつけたい。

  1時間くらいで腰が疲れたので外出。
  2軒のクリーニング屋さんからピックアップ。英語の pick up は「〜を拾う」「 〜をクルマに乗せる(迎えにいく)」「(言葉を)覚える」と3つ確認しておき たい。ちなみに pick out は「〜を選ぶ」なので区別するように。かなり基礎です 。


  まだ二日酔いが抜けない。
  腹が空いてこないのだ。少々読書。

  『インドで考えたこと』堀田善衛を読了。
  1956年に「アジア作家会議」に出席するためインドを訪れた作家による手記。 おそらく名著。

  と書きながらも、どこが名著であったのか説明しにくい。
  本書はインドに訪問したときのことを題材にしながら、著者が訪問をしたとき に喚起した思考を記したものであるから。

>ここで本筋をはなれて――もっとも私のこの小さな本は、本筋というほどの筋 などまったくないお行儀の悪いものだが――詩のことを記しておきたい。

  このように、著者は直接にインドを語らない。
  1950年代ということを考えれば、インドを訪問したこと自体が特筆に価するこ とだと思われる。しかし、意図的なものなのか、本書は一切ルポルタージュのよ うな形を取らない。訪問の様子を描く部分は散見されるのだが、語られる内容は あくまで「インドで考えたこと」なのである。

  たぶん、内容は秀逸だと思う。
  恥ずかしながら理解というか体得できなかった部分が多かったのだけど、本書 には人間(または日本人)の有様を考える考察が頻出し、しかも時代を超えて的 を射ている部分が多い。今の僕では消化しきれないだけだ。

  と書くには事情がある。
  実はこの本は再読なのだ。手にしているのは1979年に出版されたバージョン(英語では edition )。しかし古本で、最終ページには「100円」の書き込みがある。カバーはない。1979 年の僕は小学生だから、さすがにそれよりは後のことだろう。

  古本屋さんに通ったのは中学生のころだ。
  たぶん、椎名誠の『インドでわしも考えた』を読んだあとだろう(これは1984 年出版)。椎名の『わし』は堀田の『考えたこと』をベースにしているから(そ ういう記述があったはず)、『わし』をキッカケにして、中学生か高校生の僕は 本書を買ったのだと思う。

  つまり、今回の再読はほぼ20年ぶりなのだ。
  さすがに中高生の僕には、よくわからない本だったと思う。ま、20年後の僕も 上記のように「体得できなかった」のだけど。一つわかったのは、もう50年も前 の本にしては、文章表記が非常に平明なことだ。難しい言葉や言い回しがほとん ど出てこない。現代の高校生でも、とりあえず表現を追いかけるのに苦痛を感じ ることはまずないだろう。

  そう、平明な言葉で非常に難しいことが書かれている本なのである。
  僕は10年くらいしたらもう1度本書にチャレンジしてみるつもりだ。文字が読 めることと内容を理解することは全く別のことだという、知性の基本を確認でき た。そういう意味で「おそらく名著」だったのだ。


  やっと昼食はうどん。
  脂っこいものを食べる気にならないので、白菜とシイタケとネギを入れて。温 かいものを口に入れると二日酔いは抜けやすくなる。食後に紅茶。やっと抜けて きたかな・・・と「休肝日」を過去日記で検索してみる。転居(7月1日)後は ゼロ。

  2月12日と5月29日。
  おお、2日間も達成している。デキル男だなオレ。大人になった。2004年から 2006年の3年間は、トータルで4日間。休肝日はあまりにも珍しいことなので、 ちゃんと記録しているのだ。そういう日記も去年の今ごろにあった(ヒマどうし ようもないここ)。今日達成すれば1年間で3日になるから、えーと、まあ過去 に比べて3倍くらいの達成率になる。

  と、ここまで書いたのは昼間のこと。
  今は2時過ぎ。これだけ書いたからには休肝日の達成が義務付けられた、と言 ってもいいだろう。もちろん、いままさに自分に言い聞かせているのだ。ちょう ど食材がほとんどないから、「夕食は弁当を買ってくる作戦」を指令すれば(実 行するのも自分だが)、きっと達成できる。ではプールに行ってきます。


  仕事を終えて帰宅しました。
  プールは15分でギブアップ。二日酔いは抜けたようだけど、まだ力が入らなか った。帰りにお茶屋さん(舞妓が出てくるほうではない)だかノリ屋さんだかを 発見。オニギリを買ったからたぶんノリ屋さんだろう。ノリ屋さん→オニギリ販 売という公式が一般的なものかどうかは知らない。鮭と葉トウガラシだったかな 。まずまず。

  教室へ。
  Qクラスは今日でおしまい。例によって講習がのちに続くので、特別な感慨な どはナシ。講習は演習+簡易解説なので精読の説明はしない。それを告知しなが ら、少し丁寧に精読の説明を入れる。まあ普通になごやかに。

  授業後に生徒様に聞いたところでは、僕が授業中に right を「左」と訳していたらしい。
  なんででしょうね。記憶はないのですが、もちろん「右」です。すいません。 重要なポイントですね。たぶん、教室では生徒様と向かい合うため、「右を見て 」というときに僕は左手側を指差すからでしょう。

  ちなみに、授業が下手な人は壇上で「あっち」とか「こっち」と言っています 。
  生徒様全員の視線が黒板に向いているときはそれでOKですが、ノート・テキ ストと黒板を見比べる展開のときは「みぎ」「ひだり」と言いながら指差す(と いうより腕を含めたアクションで示す)のが王道です。アルバイトで塾の先生な どやっている人は、自分をちょっと振り返ってみるといいでしょう(1回録音や できれば録画するとすぐにわかります)。それにしても、選択肢の訳で「左」と 言っていたとは、間抜けでござるな。


  帰宅途中で弁当屋さんに寄りました。
  これがわびしいんだこれが。この冬の寒い中、弁当のビニール袋をガサガサ言 わせて帰ってくるこのオレの姿が。♂負け犬一直線って感じ。ミスチルの唄に、 こういう感じのがありましたね。ちょっと失礼して。

♪そして you
  晩飯も社内で1人インスタントフード食べてんだ
  ガンバリやさん 報われないけど


  で、家についてシャワー浴びて洗濯して、レンジでチンして夕飯ですよ。
  しつこいけど、こういう侘しさが嫌いなんだよね。飯くらい作れよ自分で。い やもちろん、今日の僕は作らない。作ったら確実に呑んじゃうから。これだけワ ビシイ状況に自分を追い込めば、呑むわけないって。もしこれで発泡酒の1缶で も・・・プシィーッ(フタを開けた音)、なんてやってたら本当にミジメだもん ね。いやさりとて、今の状況を実践せざるをえない人もいるだろうしなあ、すま ぬすまぬ。僕はそういうのが嫌い、というだけのこと。

  おいおい、日記も書き終わるよ。
  これから歯を磨いて即座に寝るのかい、俺? まだ日付が変わってないぞ。弁 当だと洗い物がないから、本当にやることないぞ。シラフのままで眠れるのかし ら。これも自信ないんだよなあ。本当は飲酒時のほうが眠りが浅いって話だけど 、シラフで寝付けなかったら結局マイナスじゃないか。さてさてどうなることで しょうか、と誰に向かって書いているのがよくわからない日記でした。
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