予備校講師でわるかったな!





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ウンチクが多い 1月29日


  8時起床。
  月並みですが、毎朝寒いですね。何もなければお昼まで布団の中にいたい気分 です。朝食は今日もうどん。油揚げと玉子とじ。

  ガス使用量のお知らせが来ていた。
  床暖房フル使用の日々で、例年の2倍くらいの金額。1ヶ月で9,000円くらい。 電気代は逆に1万円くらいだったのが、7,000円くらいに下がった。冬の光熱費全 体としては1割ほど高くなったのかしら。家が多少でも広くなったので、それな りに電気代も増えたためだろう。ウオッシュレットなんて旧居にはなかったし、 風呂場の明かりも2倍になった。


  午前中は予習そろそろ。
  時間があるので時間をかけて。逆に言うと時間がないときは時間をかけないか ら、効率はひどく悪いことになる。予備校の年度終了は2月一杯。残っている授 業は

・3年の直前講習2コマ
・2年の平常授業8コマ
・体験授業2コマ

となる。最後のぶんは教材未着で後回し。完全にヒマヒマモードに入ってきたよ うだ。

  お昼にそろり外出して回転寿司。
  なんか不味そうだなと思って敬遠してきた駅前店。予想を裏切らない味と値段 。回転寿司にもえらく優劣があるのだな、と今さら学んだりして。惣菜店で2回 目の昼食を買い置き。今夜はしのぎ飯ということでスーパーには寄らず。授業が 少なければ収入も少なく、支出を減らすには買い物の頻度を減らすのが重要。当 然なのに難しい。

  帰宅して来年度の準備をちらり。
  HPの作業も少し。読書もじっくり。2:1:7くらいの割合でしょうか。非 常に活動的です、脳が。


  『こんな男になりたい』馬場啓一を読了。
  男のダンディズムを語る本。
  実に嫌味でよろしい。

  一定の需要がある種類の本だ。
  大人の男はこうでなければ、と語るものがそれだ。こういう偏屈なオヤジども に「チョイワル」というニックネームをつけて、彼らを世間がもてはやしていた (本当は嘲笑していた)というブームが数年前にあったね。

  スノビズムの見事な具現。
  受験の世界だと snob で「俗物」、snobbery で「俗物根性」という単語を覚える ことがあるかも。いちいち嫌味なのだ。本書は10人のダンディな男たちを語り、 10章構成にして、それぞれに対応する(?)男の世界を語っている。たとえば、

・ジョン・F・ケネディ(ボタンダウンシャツ、帽子、ポケットチーフなど)
・白洲次郎(スポーツカー・Tシャツ・ライターなど)
・ケイリー・グラント(パイプ・タキシード・アロハなど)

とか。うわー、嫌味。きもッ。人物と事柄に対応がないものも多いが、それは許 してあげましょう。

  ハンフリー・ボガートに対応する「酒場」から引用。

>基本的に食い物は酒場に不要である。何か食べたければ、そういう店に行けば 良い。酒場では酒を飲む。それで何の不足がある。ボギーが酒場で何か食うだろ うか。

  ボギーはハンフリー・ボガートの愛称。
  この嫌味も行き過ぎた語り口が最高。何の不足があるって、ねーよ。だいたい 、お前はボギーじゃないだろ。

  とからかってはみたものの、これはこれで面白い本だと思う。
  この種の本の特徴(またはチョイワル親父の特徴)として、

トリビアというかウンチクがうるさい

のも良い。アタッシュケースの「アタッシュ」は本当は「アタッシェ」でフラン ス語だとか、靴は月給の10%の値段のものを買うのが相場だとか。どこからが事 実でどこからがスノッブの意見なのかわからない、というのも良い。4年に1冊 はこういう本を読みたいものだ。


  ところで、この感想文を書くために「アタッシュケース」を辞書で調べた。
  辞書には「アタッシェケース」だけ載っていて、「アタッシュケース」は載っ ていない。辞書というのは、こういうところが異様に正確で困る。たとえば会話 などで、あのカバンのことを

「アタッシェ」

と発音している人ってほとんどいないんじゃないか。何の違和感もなく

「アタッシュ」

と発音するだろうし、ふつうに文章を書く上でも「アタッシュケース」とするだ ろう。

  本来的に正しい言葉(アタッシェ)と慣用的に正しい言葉(アタッシュ)が異 なる良い例だと思われる。
  普通の感覚からすれば、本来的には誤用である「アタッシュ」のほうが通じや すいだろう。「正しい言葉遣い推進主義者」や「辞書原理主義者」は、こういう 話題を読んだり聞いたりすると怒り出す。本当に困ったものだ。僕はわりに言葉 の使い方にウルサイほうだと思うけれど、どちらの主義でもない。あえて言えば 、

「普通に通じる表記優先主義者」

というところか。ヒマなのでどうでもいいことを書いてみた。ああウンチクがう るさくなってしまった(^^ゞ


  プールと2回目の昼食を終えて校舎へ。
  2年生の3学期は今日で早くも折り返し。入試問題演習に入ってからペースが 大きく下がった。やはり項目別の授業だとどこかに甘えが出ているのだろう。項 目別の授業で扱った項目を、

その設問にあわせてサッと取り出す

のが必要になるけど、「サッと」の部分が抜けている様子。軽めの説教。対2年 生(非受験学年)ということを考慮してのこと。残り3週は少しハードにやらな いと。


  帰宅の道もしつこく雨。
  天気予報は外れたようで、僕も傘を持参していなかった。某講師と雑談しなが ら帰る。すでに発表された市進の新年度スタッフ人事が話題。

「あれがああなってああなんだ」
「それはあれでああいうことなんでしょうかね」
「でもあれはあれであれかなと思うんだけどね」
「んー、そうなんですかね・・・」

とか。我々はサラリーマンではないので気楽なものだ。実際に「あれ」とか「あ あ」とか言っていたわけではなく(それでは爺さん同士の会話である)、伏字で す。


  帰宅して、ヌル燗は富山県の『越中懐古 純米』。
  常温で呑むとドッシリした辛口で旨い。ヌル燗にすると重すぎる。辛さよりも 重さが目立ってしまう。赤ワインで言うところのフルボディに相当するだろう。 好きな人はやめられない、といったタイプかも。

  ラベルの記述が丁寧で良い。
  日本酒度(甘さ辛さのこと)、糖度、使用酵母、杜氏(酒造りの総指揮者)指 名、飲み口(味の説明;これは一般的な言葉ではない)、原料酒米(これは雄山 錦)、そして「よくあうお料理」。

>鰤の照り焼き、アサリの酒蒸し、和牛のタタキ、ブリーチーズのハチミツかけ

  なかなか潔いではないか。
  確かに味が重いから、それに負けないツマミを提案している。今日の僕が食べ たところでは、メロの西京味噌漬け焼きと納豆にはピッタリで、湯豆腐には全く あわない。


  日本酒は「食中酒」、つまり食事と一緒に呑むタイプの酒。
  料理との相性は検討されてしかるべきだし、消費者も検討するべきだ。味覚と いうのはどこまでいっても主観に過ぎないけれど、作り手が

「こうあって欲しい、こうありたい」

と信念表明をするのは大切なことだと思う。

  そうすることで消費者に固定観念を与えてしまうという危惧はもちろんある。
  でも、賢い消費者は自分の判断をするし、そうではない消費者は自分の判断す らできない。判断放棄の消費者なんて、どっちにしてもリピーターにはならない 。だから無視したほうが長期的視点からは得策になるのだ。たぶん。今年度は明 日が最終日。


追記:一話一膳「カブの炒め物」をアップしました。
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