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日記は時系列タテスクロール 3月11日
  8時半起床。
  昨日から本格的に新年度が開幕したかのように見えるが、市進の開講は曜日繰 りの関係で明日の木曜日から。したがって水曜日にも通年授業があっても今日は まだ休み。トクしたような損したようなエンジンがかかりきらないような。


  僕の父がケータイでメールを始めたそうだ。
  今さらかよと思えるけれど、戦前生まれだからそんなもんだろう。戦後直後生 まれの「団塊の世代」とは違って、生きても生きても世の中が進歩していく時代 を生きた・ているのが彼の世代なので、「新しいものについていけない」という のは想像できる。

  もっとも、彼はケータイ自体をもう15年くらい使っている。
  ケータイ初期からのユーザーということで、かえってメールのような「通話以 外の手段」への適応が難しかったのだろう。電話って、つまり話すための道具だ からね。そうは言っても世の中そういう時代ではないわけで、また

パソコンでメールをするのが面倒

と感じはじめたようで、こうなった次第。昨日から練習用に「おはござ」メール をおくると、ちゃんと返事が来る(普通かw)。操作がスムーズになるまで、毎 日送ってあげよう。良い息子である。


  それにしても、おととい実家に帰って驚かされたのは彼の電話帳の使い方だ。
  息子である僕は「たけし」と登録されている。それを呼び出すのに(つまり電 話なりメールなりのアクションを起こすとき)、電話帳の名前を1つずつスクロ ールしていくのである。説明がわかりにくいな。

  ケータイの電話帳は、リアル社会の電話番号簿と同じ作りになっている。
  最初のページに「ア・カ・サ・タ・ナ・・・」という横軸のリストがあって、 そこにはタテに「相川・相田・麻生・犬上・・・」のようにリストがならぶ。普 通は「ア・カ・サ・タ・ナ・・・」のページを横にスクロールしてタ行の「たけ し」を呼び出すものだろうが、彼は

「相川」から「たけし」までタテにスクロール

していくのだ(・_・;)

  若い人からすると笑ってしまう話だろうが、アナログ世代というのはそういう ものである。
  僕くらいはアナログ世代とデジタル世代の中間に位置するから、「まあそんな こともあるんだろうな」と思える。年配者は若者をガキ扱いするものだし、若者 は年配者を年寄り扱いする、これは世の慣わしにてやむをえない、と徒然草にも 書いてあるくらいだ・・・たぶん・・・。


  午前中はもろもろ雑用とか勉強とか。
  お昼前からプールへ。この2週間くらいは泳ぐ気力がなくてサボリがち、なん てことはなくて、気力がないのは本当だけどあまり真剣に泳いでいない。もちろ んサボったりはしない。こういう

不調というか無気力の波

がときどき来ることはわかりきっているし、この話題は今までに10回くらいは書 いてきたと思う。

  このところやや暴飲暴食の日があったせいもあり、体重は重め。
  せっかくのオマケ的休日だから自分にムチをくれてやろうとちょっと頑張って 泳ぐ。苦手なクロールを減らして、そのぶん平泳ぎを増やして合計で900メートル 。プールを出てから計測すると65.3キロで平常より1キロ重い。昨日よりは150グ ラム減少。来週末までに64キロ台に戻しましょ。


  スーパーの買い物を終えて帰宅。
  昼食はコロッケカレー。カロリーたっぷりなのね。食べる量を減らすといった ロコツなダイエットはしない主義なので問題なし。だいたいは、夜のオツマミの 食べすぎが原因とわかっているから。食後に読書。


  『旅々オートバイ』素樹文生を読了。
  日本一周のオートバイ旅を描いたエッセイ。
  20代後半という、それはそれで悩みの多い年代の心の揺れを描くという意味で 良書。

  仕事をやめて、恋人も置き去りにしていく。
  アパートの契約を解除して、オートバイのバックシートに荷物を全て載せて、 特別な目的もないのに北に向かう。足りなくなった旅費は旅先でときどき働くこ とで得る。まともな社会からのほぼ完全なドロップアウトの記録であり、そうす ることができない、その勇気も持てない読者(たとえば僕だ)はハラハラしなが ら読み進める。また同時に「こんなことしてていいのか」というアンビバレンス な感想も持つことになる。

  記述はエッセイと日記のサンドイッチ。
  日記はたんたんと、エッセイは熱く語られる。「おわりに」から。

>誰もが青年期を過ぎて、「気持ちいい」よりも「いい気持ち」とでも言うべき 持続性のある快感が望ましくなってくる。この変化に当面は驚き、挫折感や失力 感さえ味わうこともあるけれど、じきにその性向も好ましく思えてきて許容する ようになる。でも、それは青年期に誰もが考えるような「堕落」ではないと思う 。確かに瞬発的な力強さには欠けるかもしれないが、そのぶん寿命が延びた思い がする、人間にとってまさにほとばしるような情熱というものは、かけがえのな いものかもしれないが、命まですり減らしてそれを遂行するものでもないと思う 。その考え方を許容したからといって「ダメ」になったとは思えない。そもそも 「生きる」ということは大切だと思うし、その大切さを感じ得たことによって「 深み」が増すことだって多いのだ。

  誰だっていつかは青年期と決別しなければいけない。
  著者はちょうどその決別期にあるときに本書の旅をして、それを書くことで決 別できたのだと思う。青年ではなくなるという1つの時間的な線引きはできるも のではないけれど、

自分なりに線をここで引こう

と決めて書いたのだと思う。10代の人だと実感はないかもしれないし、40代の人 だともうこういう心もちは忘れてしまったかもしれない。悩み多き20代の人はぜ ひ読んでください。


  1時間半ほど昼寝。
  なんだかのどかな休日だねえと外出して新古書店へ。昼過ぎだけ何とか晴れて 、基本的に曇り。北風が強くて寒かったにしても、三寒四温の季節に入ってきた とも言える。古本とはよく目が合って、文庫7冊・新書5冊を購入。

  今日から将棋の王将戦
  1日目ということで感想は明日の日記に譲るとして、ウェブ中継でショッキン グな速報があった。

>本日、中原誠十六世名人の引退表明が昼ごろにあった。

  げー本当ですか(@_@)
  将棋連盟のHPで記事を確認。病気からの回復がかなわなかったとのこと。僕 としては特に思いいれのある棋士ではないが、一時代を築いた大棋士であること は間違いなく、また同時にいろいろエロエロと世間を騒がした人でもあった(ヒ マここ日記)。これも時代の変化なんだよなと思うばかり。お疲れさまでした。


  夕飯。
  食べたい肉が見つからず、珍しく高級なハムの切り落としを買ってきた。250グ ラムで500円って、けっこう高いですよね? レタスと一緒に何もつけないで食べ たら旨かった。脂が口の中でジュルっととろけた。上流階級の味がした。

  他にはサーモンの刺身。
  白菜の煮物。生キャベツは味付けなしで。なめたけオロシ・納豆・キムチ・ラ ッキョウ。カブの塩昆布和え。つまり日常のなんてことないお惣菜たちだ。明日 は市進の開幕で、初戦(なのか?)は柏校。これまた

「久しぶり」になるので武者震い

している・・・なんてことはあるわけもないわな。ではまた明日、ごきげんよう 。
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