予備校講師でわるかったな!





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冷奴にこめた想い 3月5日
  9時起床。
  来客時のパセリが余っていたので、ピザトーストにのっける。果物は「さがほ のか」だったかな。イチゴは品種が多くて名前を覚えられない。ひさびさに朝か ら晴れている。


  午前中はコツコツ授業準備。
  ワセヨビぶん。どこまで進めても、授業展開のイメージが涌いてこない。英文 解釈のテキストは、古き良きというか、懐かしいというか、旧態依然というか、

ただ長文が載っているだけ

なので、カリキュラムという発想を講師個人が作らないといけない。まさか、ダ ラダラと単語の意味とか和訳とか言ってもしょうがないし。

  逆に言えば、講師の裁量次第ということになる。
  食材は用意するから、それで何を作るかはコックに任せる、みたいな。そうい うTVの料理番組も昔あったと思う。2回くらいしか観たことはないけど。また 裏の面から見れば、こういう表現もある。

>料理屋に行って「旨いものを食わせろ」というのは馬鹿だ。どういうものが食 いたいのか申し出て、その期待にかなう「旨いもの」を望め。

どちらにも真理がある。ま、こういうときは、事務的に準備を進めて、発想が浮 かぶのを待つばかりだ。


  お昼のニュースを観ようとTVをつけた。
  チャンネルはBS2になっている。なんでだろうと思ったら、3日深夜1時過 ぎまで将棋を観ていたからだった。TVを観る習慣がないとよく書いている。こ のように、

48時間くらいはスイッチを入れることもない

のが僕とTVの関係だ。ついでに、チャンネルを回すという行為も苦手だ。どう も、世間からズレているような気もする。

  外出してプールへ。
  すこし筋肉痛があるってどういうことだ。昨日の1キロで疲れてしまったのだ ろうか。スイミングは350Mでやめて、ウオーキングを600M。軽めということ。 体重は65Kで重め。これまたどういうことだ。昨晩のつまみ、プリングルスがい けなかったはず。あれ、ホントに太ります((+_+))


  気温はぐんぐん上昇。
  18℃くらいあったかも。出勤時もスーツの上にコートが必要なのか迷うくらい 。プールから出て自転車で10分ほどの酒店へ。また寒くなるようだし、自転車に 乗れる機会も減りそうだし、という判断。日本酒の一升ビンを2本買った。帰途 に昼食。


  午後には昼寝を1時間ほど。
  読書も。今年はペースが落ちていて、まだ20冊くらいしか(面倒なので数えな い)読んでいないような気がする。読書感想文。


  『秘密の花園』三浦しをんを読了。
  3人の女子高生を主人公とする小説。
  比喩や寓話がすこしわかりにくいという欠点があるけれど、女性あるいは少女 の視点の描き方が巧みでおもしろかった。

  この著者のエッセイを読んだことがある。
  あっけらかんとした面白さが良くて、本業の小説はどんなもんだろうかと思っ て買った。ある程度予想したように、エッセイとは逆に真っ暗な小説で良かった 。エッセイが余興ではなく、

本業である小説に対置するもの

としているのは、良い小説家に見られる現象だと個人的に思う。

  おもしろいのは、主人公が3人いること。
  美少女だが性的虐待の被害に悩む那由多。国語教師と恋に落ちて捨てられて失 踪する淑子。生まれなかった兄に架空の名前をつける翠(すい)。那由多と翠が 親友に近い仲で、その仲間に入れないのが淑子。3人がそれぞれに1人称を使う 3つの章から成り立っている。

  ストーリーそのものは、特に興味を引かなかった。
  那由多が痴漢の屹立したペニスを切るというシーンで第1章が終わり、第2章 にうつると主人公が淑子になる。ヴォイスも切り替わり、同じ世界を違った目が 見ていることがよくわかる。それぞれの登場人物が、互いをどう見ているのかと いう視点の移動と相違がおもしろい。第2章までは気づかなかったけれど、

第3章の主人公・翠はたぶん同性愛者

ではないか。本人の自覚があるのかないのかは不明。

  いただけないところは2つある。
  1つは僕の個人的な嗜好になるが、女性作家の小説にありがちな「湿り気」が あること。なにか湿ってるんだよな、という気分が僕を不快にさせた。もう1つ は、3人がそれぞれに持っている架空の場所が持つ意味。思考や世界観の比喩と して使われていることはよくわかるけれど、

どうしてその比喩なのか

が今ひとつ理解できなかった。再読すれば、また違った感想文になるかもしれな い。しかし全体としては、「他の作品も読んでみたい」という感想になった。た ぶん、良い小説だ。


  2日連続の千葉校、今日はFクラス。
  なんだかスサマジイ少人数なのね。市川校とちがって、千葉校には『Z会東大 マスターコース』というハイパークラスが設定されているからだろうか。このへ んの話題は、またゆっくり。今年は

市進ネタが週2回限定

ということもあるから、かえって慌てて語る必要もない。


  授業はスーパーハードに。
  昨年は持ち上がり、つまり2年生のときに教えさせて頂いた生徒様が中心層だ ったけれど、今年は全員が初顔あわせ。いろいろと調査しなければいけない。

・どれくらい知っているのか
・どれくらい知らないのか
・どの程度までは考えているのか
・どの程度以降は考えられないのか

細かく書けばキリがないからやめるが、そういうチェック事項がたくさんある。

  もちろん、予定通り。
  今日の160分で大まかなレベル把握はできた。具体的には、

全てをゼロ地点からやらなければいけない

ということだ。テキストの消化率は40%程度で、昨年度とは全く異なるスタート になった。去年の今日の日記は、ヒマここではなく生徒様「ここ」。やはり、

非受験学年の勉強である程度まで決まるな

とは思ったけれど、逆に言えば「どこまで取り返すか・取り返させるか」がポイ ントになる。おもしろいスタートになった、という感想。繰り返すが、予定通り 。


  帰宅して夕飯。
  メインは冷奴。ビンボーなことよの。冷奴は、(少し高級なつもりの)居酒屋 などで大きな器に氷を浮かべて大騒ぎで出てくることがある。氷水に浮かんでい て、

ヒシャクで掬うみたいな設定

だ。薬味も3種類くらい別盛りになっていることが多い。取り皿を含めて、テー ブルは冷奴関係で占拠されてしまう。

  あれって違うな、と僕は考える。
  冷奴って、あんなに冷さなくていいのだ。氷水に浮かべるほど温度を下げると 、味がわからなくなる。室温よりは明らかに低いが、冷たさを感じないくらいが 、食べるという行為に適した温度だ。

  もっと大切なことは、小さな皿に盛ること。
  豆腐のヘリが崩れちゃうんじゃないかと心配になるほど、皿の直径ギリギリに 納まるくらいで盛ること。薬味を少なめに載せて(多くても2種類だ)、しょう 油をタラリかけ、

「おっとっと、こぼれちゃう」

など言いつつ箸でつまみあげて食べる。ここでビールぐびり、あるいは日本酒の 熱燗をチビリ。これが、イキってもんじゃないか。どうなんだ、世間?


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