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勝手に楽しんでろ、俺 |
10月3日 |
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10時起床は理想的な寝坊。
10月に入って、TVの将棋講座は新シリーズに入った。講師は高橋道雄九段で、内容は駒落ち戦。コマ落ちとは実力差がある2人が指すときの特別な形式で、こういう講座で扱われるのは珍しい。朝の雑用でちゃんと観ることができなかったので、感想はまた後日。
引き続いての対局を観戦しながら翻訳。
先週の今日の続きで、趣味のようなもの。けっこう集中して1時過ぎまで没頭して完成。こんなことをしても
何の実利もない
から、実に趣味らしくて良い。満足したので、しばらくはやらないだろう。これでは趣味にならないが。
新潟方面で地震が多発しているそうだ。
朝には震度5弱とか。千葉では揺れていないと思う。先日も福島県中通りで震度4があったから、少し気になるところ。食料品は3日分くらい用意してあるし、ガスコンロもある。水はえーと、
最低でも14リットル
あることが確認できた。この夏に全てのペットボトルの買い替えも済ませておいた。とにかく、最初の揺れで死傷に至るのを避けたいものだ。臆病だ。
外出して量販系酒店。
たまりにたまった(といっても5本だけ)日本酒の空ビンを換金するのが主な目的。合計で25円。節約になっとるんかのう。店は自転車で10分くらいのところにあるので、どちらかと言えば
運動不足解消というメリット
のほうが大きい。いや、リサイクルになるから、環境負荷軽減の効果がいちばん大きいのかな。
続いてメガネ店へ。
自宅用に買った3,500円のこれを調整してもらうのは2回目。すぐにユルくなるのはお値段なりってところだろうか。メガネは他に地元外出用と職場用があるから、かけている時間からすれば耐久性があるのかも。
続いて安い天丼屋へ。
半年に1度しか来ない。海鮮かき揚げ丼。「大盛りにしますか」と訊かれて断ったところ、直後に大盛りサービス中だということが判明。おい、だったら
>大盛り無料ですがどうしますか?
って訊いてくれよ。こういった
「説明している方はわかっているけど、されているほうはわかっていない事情」
の説明という機会は、僕の職業上でも多い。気をつけよう。かき揚げ丼は変わらずイマイチ。
帰宅してシャワーを浴びる。
1日中曇り空で、ときどき晴れ間も。夏日になるかならないかの気温は快適だ。ちょうど新聞屋が集金にやってきて、今日こなすべきタスクは終わったと感じる。仕事関係のことはしたくない。ゆっくりと読書。たまには小説。休日じゃないと読めない。
『勝手にふるえてろ』綿矢りさを読了。
26歳経理課OL、男子と付き合った経験はない処女、元おたくで今の趣味はウィキペディアで絶滅した動物の写真を見ること、という主人公が語る中編恋愛小説。
この著者らしい文体が光る。
芥川賞作家も、まだ4作目である(ヒマここ日記)。
19歳のとき第2作で受賞して、4年後に3作目、その3年後に本作だから、ずいぶんノンビリとしたペースだ。若い時から書き急ぐタイプもいれば、この著者のようにじっくりと自分を育てるタイプもいる。この先はわからないけど、長く追いかけていきたい作家の1人かもしれない。
まあ、内容はたいしたものではない。
ストーリーの稠密さなんてものは全く見られず、新幹線のぞみ号が新横浜を出て京都市内に入る前に読み終えることができるほど、ストーリーは薄い。見かたによっては、
恋のできない女がブツブツ独り言をたれる小説
などと言うこともできる。心の内面で考えていることを言葉に直すのがイヤになるほど上手で、そんなに雄弁だったら実生活でもアウトプットしてみろコラ、と言えなくもない。
しかしもちろん、それが良い。
登場人物の思考過程を独り語りさせるのは非常に難しい。説明的な文章になったり、逆に説明が足りなくて読者には意味不明といったことがよくある。読者は
登場人物の内面・思考を知りたいと思っている
のに、登場人物の中に入っていけないという小説は多い。このあたり、綿矢りさは抜群に巧みである。以下の引用の「ニ」は同僚の男性。
>ニと接するときは必死で経験のない女だとばれないように取りつくろっていたのに、初めからばれてた。しかもそれをニが上から眺めてかわいいなって思ってたってこと? 鳥肌が立つ。私と同じくらいの背丈の筆で筆先にいっぱい墨汁をふくませて、屋上のコンクリの地面に“馬鹿”と書きなぐりたくなった。
・・・なんだかすごい比喩だけど、ああそうかこのくらい冷めた怒りを彼女は覚えているのか、と感心してしまった。良い小説だと思います。
ところで、小説の感想文って。
上記の本のカスタマーレビューをざっと読んだ。小説のレビューになると、やたらと多いのが
感情移入できたかできなかったか
というネタ。一般的には「感情移入できなかった(から駄作だと思う)」という意見がほとんどだ。僕も以前と変わったのかもしれないと前置きする。で、反感を買いそうなことを書く。
感情移入って小説の価値にそんなに関係あんのか?
まったく関係ないってことはないだろう。
登場人物の中に自分を重ねていく(または、重ねてしまう)という読書はなくもない。でも、そんなのは読み方の一部だし、個体としての読者の1人が感情移入しようがしまいが、小説の成り立ちの評価とはほとんど無関係ではないのか。不思議なのは、感情移入できなかったからつまらなかったという意見があっても、
感情移入できたが下らなかった
という意見がほとんどないこと。まあ、感想なんてのはどう書こうが自由だから勝手にしてかまわないわけだが、その程度の感想文ならカスタマーレビューじゃなくて自分のブログに書けば、という気がする。感情移入の件については、2008年7月20日にも書いた。
夕飯前の入浴はソルトバス。
という入浴剤を入れただけ。「エステより気持ちいい」そうだが、行ったことがないので比較できない。体に良さそうな気はする。
夕飯のメインは小さな鍋。
鳥つみれと白菜とシメジとネギ。しめサバには「ほじそ」とスダチをふっただけ。しょう油を使わなくても旨かった。酒飲みは塩分の取り過ぎに気をつけたい(ソルトバスの件は関係ない)。昨日と同じナスの油炒めにもスダチをかけた。鍋のシメには少量だけ蕎麦を入れた。
今夜も夜の読書に備える。
洗濯物を干して、洗い物を済ませ、寝支度をする。ウイスキーはオンザロックで、チェイサーに水を用意。さっさと日記を切りあげよう。明日からは少しラクな1週間なので、秋の夜長を楽しみたい。
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