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不満ではなくても、未消化 1月8日
  8時半起床は適切な寝坊。
 今年もやっと羽毛布団を使いはじめた。おかげで快適な眠り。このところ本格的な冬の寒さがやってきている。見事な冬晴れ。

 午前中は書類整理。
 総理みたいだ。年度末なので、書棚や書類置き場はゴチャゴチャしている。基本的に捨てて、一部は分類して保存する。予備校の授業は残り10コマくらいで、この整理が自動的に来年度の準備につながる。もうそんな時期なんですなあ。


 今日から将棋の王将戦
 例年のようにタイトル戦が開幕したわけだ。久保王将に挑戦するのは豊島六段。実に新鮮な組み合わせ。羽生だ森内だ佐藤だといった

「ブランド・チャイルド」がタイトル戦の常連

という状況は過去のものになったか。世代交代だ。

 それにしても豊島が挑戦者か、と思う。
 まだ若いし、関西所属(棋士は関東と関西に分類されている)ということもあって、なじみがない。もちろんタイトル戦も初登場で、僕は彼の棋譜を見た経験をほとんど持たない。上記中継サイトの解説から引用。

>豊島の通算成績は129勝47敗(0.7330)。
>現在100局以上指して勝率7割を超えている棋士は、羽生名人ただ一人しかいない。

 これはけっこうスゴイな。
 おおまかに言って勝率が6割を超えると「有名な棋士」になる。勝ち星を1つのタイトル戦に集中させる必要はあるけれど、それくらい勝てば僕のようなド素人ファンでも棋譜を観る機会が増える。2日制ということでゆっくりした進行。ほぼ1日観戦した。


 お昼前から午後までダラダラと過ごす。
 勉強とか、スーパーとか、昼食とか。最後のは今日で3回目の中華料理店。開店当初は「こりゃ半年もたない」んじゃないかと思ったけれど、1年以上続いている店だ。すこしは味がよくなっているかと期待して試してみたら、あれ珍しい、ほんのわずかだが改善されていた。料理の腕って、

1年くらいではそれほど上がらない

ものだから、頑張ったんだろう。マーボー豆腐定食が500円というのも好感。ここで唐突に読書感想文。


 『向田邦子の遺言』向田和子を読了。
 邦子の妹である著者によるエッセイ。
 遺言にまつわる家族の解釈や行動がおもしろかった。

 向田邦子に興味があると、以前にも書いた(ヒマここ)。
 本人の著書より先に妹の本を読むとは、どういうことだろうか。

狙った女の妹をまずは口説く

ということに似ているような気がする。アブなくないか。犯罪の匂いもする。それはともかく感想文ね。

 邦子が残したのは正式な遺言状ではない。
 ごく大まかに、自分の財産をどのように処分するかを書いた、2通のメモ書きに近いものである。お金やマンションや愛した猫たちを、

家族の誰がどの程度引き取るか

を曖昧に指示している。しかも1通目と2通目でつじつまの合わない個所があったり、記載されている預金額が実際と異なったりしている。この記述を著者と家族がどう解釈したかが描かれている。かなり変わった内容で、一読する価値はじゅうぶんにあった。僕もこういう遺言を残しておこうかな、といった感想だ。


 夕方に出勤。
 ウナギ屋も多角経営。そろそろ世間様も僕も日常モードに戻ったので、通年スケジュール的なシフトに戻る。来週からは正式にそうなる。職場に着けば、更なる仕事のオファー。ありがたいことだが、

僕の通年スケジュール的に無理

なので泣く泣く断る。

 断ってばかりで心証を悪くしないかと心配。
 時代小説家の山本一力は「依頼された仕事はすべて引き受ける」そうだ。どれほど過労になっても、仕事のオファーがあるうちが華、という考え方らしい。しかし僕はそうではない。仕事量は

自分の生活を壊さない程度まで

と決めている。これを守れなかったのは30歳のときと40歳のとき。2度と同じ失敗はしないと誓って、キッチリ繰り返してしまうのが人生だろうか。今日の仕事は無事に終了。


 夕飯は昨日の続き。
 他には高野豆腐の煮つけ。昨日のイマイチな「高くて安いが味は今一つ」なブリは、大根と一緒に煮つけた。アラではなく刺身にできる部位を使ったブリ大根だ。料理好きの読者様は思うだろう。

>ブリ大根はアラで作るから旨いんだよ

そうだね、その通り。

 日本酒は北海道の『千歳鶴 純米』。
 いつだったかどこだったか、この酒をメインにしているところがあった。冷でも燗でも旨くないので何でだろうと思っていた。という事情を経て買ってみた(めったに見かけないんだな、北海道だからかね)。

 まずは常温で。
 中辛だが味にドスがない。やっぱ外したかとヌル燗に移行。辛さは増したが、味にコクがない。まずくはないけれど、とくに飲みたいと思う酒ではない。今日という1日を象徴するかのような酒だった。
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