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物語作りとしての「スタンド」 9月6日
  6時前起床。
 7時間近い睡眠を確保できて満足。やっと涼しい朝になって、汗をかかずに朝の雑事を済ませることができた。火曜日は1週間でいちばんラクな曜日だ。副業のみで本業はなく、労働時間もいちばん短い。こういう曜日がもう1日あれば助かるのだけど。

 15分ほど時間があったので、昨晩読んだ本の感想文を書く。
 今年も去年に続いて読書量は少なく、以下の紹介が今年の56冊目である。2桁で終わってしまうことは確定的だ。


 『ジョジョの奇妙な冒険 PART3 スターダストクルセイダーズ』荒木飛呂彦を読了。
 ジョジョが世間に認知されたシリーズだろうか。
 勧善懲悪を基礎とする少年マンガ定番の戦闘モノではあるが、この著者の巧みさが光る名作(リンク未発見)。PART1の感想文はヒマここ

 主人公は初代ジョジョの孫の孫、空条承太郎である。
 初代がイギリス人、孫が(たしか)アメリカ人、承太郎が日本人と、世代が下るにつれて国籍が変わるのがすごい。今はパート8あたりで、正確なことは知らないがイタリア人になっているそうだ。国籍ロンダリングなんてアリなのか、と思ってしまう。それはともかく。

 普通の戦闘モノ、とは何だろう。
 そう、いつもの同じ展開である。主人公は強い。敵も強いが主人公はもっと強い。次の敵はもっと強いが、さらに主人公は強くなる。さらにパワーアップした敵が出てくると、主人公は今まで封印していた新しい必殺技を繰り出す。新たな敵が新種の必殺技をもってくるならわかるけれど、

主人公はいつの間に新しい技の練習をしたんだ

と思わされてしまう。もちろん、そんなことはお構いなしに敵も主人公も強くなっていくのがお約束ではある。

 ところが、本書は違う
 主人公たち(ジョジョを含めて5人と1匹)は、登場したときと同じ技しか使えない。彼らも敵たちも同じ条件である。条件とは、「スタンド」という背後霊のようなものを1人1人が扱うことだ。この「スタンド」の特性で戦っていくところが類書とまったく異なる。たとえば、ジョジョのスタンド「スタープラチナ」は

力が強く目が良く動きが早いが接近戦しかできない

という特徴を持つ。戦うのはスタンドだが、それで傷つくのは使い手であり、それだけ危険が高くなる。

 だから、トリックが多用される。
 この著者のデビュー作『武装ポーカー』に見られたように、トリックがストーリー(とその決着)を支配していく。力ずく・大技・根性による決着ではなく、あくまで頭脳戦が展開される。それぞれのスタンドの弱点と長所をめぐる戦いである。こういうマンガが多いのか少ないのか知らないけれど、たいへん楽しむことができた。名作。


 おい、読書ってマンガかよ、という意見はあろう。
 マンガのほとんどはカスだけど、ごくまれに異様なまでの輝きを放つ作品があるのは周知の通り。好みはあれ、ある種のマンガに感動を見つけられない人は、

平凡の中に原石を探せない程度の人間力しかない

と想像する。自分という水脈の中に何もなければ、どんなマンガにも学びは得られない。そりゃまあ、マンガしか読まないとまでなれば考えものであるにせよ。


 シャワーを浴びて出勤!
 ウナギの花園はたおやかに。本業で見られるような本気を出さないくらいがちょうど良い。帰り支度にもたついて残業9分で退社となったのは残念。数分の時間を積み上げていかないと、回らない人生なので。

 寄り道して旨い魚屋さん。
 会計を済ませてから買いすぎに気がついた。今夜はともかく、水曜日の夜は呑んでいる場合ではないのだった。なにしろ火曜日はラクなスケジュールなので油断した。気をつけよう。昼食は餃子定食。ギョウザが2人前という売り文句に釣られて食べてしまった。12個は飽きます。


 帰宅して布団を干す。
 やっと天気は安定に向かいつつあるようで、空気も乾いてきた。ただし暑くて31℃くらい。朝に飲み残したコーヒーをあたためて一服。昼寝は20分ちょっと。スペインの生まれなので、シェスタですね。

 慌ててプールへ。
 寝起きの行動でももたついて、泳げる時間は10分足らず。まだ多忙生活にマッチするリズムが作れていないのだろう。スイミングのみ300M。体重は63.65Kで、

旅行中のラーメン生活による危険領域

から脱出したようだ。うわっ、時間がない。出勤時間まで残り20分じゃないか。どうする? 貧弱、貧弱ゥ!

>時間よ止まれ、ザ・ワールド!


 ・・・あれ、「スタンド」が出てこないな(-_-;)
 うん、「ザ・ワールド」は上記のマンガに出てくるジョジョの宿敵ディオのスタンドです。時間を止めて、自分だけ動けるという設定。

それってずるくないか

なんて思ったらファンタジーという文学が成り立たない。ま、スタンドは諦めて帰宅して、すぐに出勤。ウナギ屋も多角経営。

 無事に終了し、地元のスーパーへ。
 牛乳だの果物だのといった日常食品を補充した。このあたりの余裕のなさは、昼間の魚屋さん訪問に原因があったと見た。早く、日常生活のリズムを作らなければいけない。


 夕飯のメインはサンマ刺。
 これが絶品。脂ののり、太さともに刺身にピッタリ。半身で110円だから高いものではないが、たかがサンマでも良い店ではここまで違うのかと感心した。330円ぶんイッキ食い。他には自家製ナメタケおろし、納豆。自家製ピクルスでナスに挑戦したが、これは大失敗。原因は不明。

 夜は涼しくなったので日本酒を。
 べつに暑くたって飲んでいるわけだが。福島県会津の『花春 純米』。当地ではメジャーな銘柄だが千葉で売られていることは珍しく、スーパーの物産展で入手した。好きな銘柄なのである。

 常温でぐびり。
 辛さと甘さが同居して、ずっしりとした味。香りには少しだけ酸味があり、

まさに常温で呑む美しい日本酒の常道

といった印象。日本酒度はマイナス3で甘口に分類されるが、僕はもともと甘口がけっこう好きだ。文句なし。日本酒を冷やして呑んでいる程度の味オンチには、もったいなくて呑ませられない。これで4合1,000円とは。


 食事を兼ねて酒を呑みつつ、本を読む。
 TVも見なければ電話線も抜いてあるし、ケータイなんか鳴らない。秋の風の音を聴きながら、旨いツマミと一緒に日本酒を楽しむ。1字1句をなめるように本を読み進む。人生の至福の時間だ。ああ、

こういう時間がせめて1週間に2日とれればいいのに

と思うばかりだ。しかし、時間は作れないものだと知っている(何度でも書く。時間が作れるバカは初めからヒマなのだ)。僕のスタンドはどこにいるのだろう? 9時過ぎに激しい雨が降り出した。
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