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スケジュール管理シリーズ第2弾は講習について考えてみたい。
前々回紹介させていただいたスケジュールは「通年授業」であり(ここを参照)、それ以外に1年のあいだに3ヶ月ほどは「季節講習」という名前の授業をするわけだ。つまり「通年」がお休みになるかわりに講習がある。言い換えればスケジュールを講習バージョンで決めなければならいわけだ。
スケジュール管理の難しさの最北端(=とんでもなくタイヘンなこと)は講習の時期にある。予備校講師は複数の予備校と校舎を掛け持ちするのが普通なので、短い日程をどのように割り振るかで悩むことになる。しかも予備校によって1つの講座の期間が異なる。僕の場合で言えば城南は月曜から土曜の6日間が1単位で、市進は7日が単位でありながら休日が6日に1日入る変則スケジュールだ(ちなみに他の予備校は月曜から金曜で5日完成が多い)。
講習の出講に関しては以下の手続きがある。
1予備校が日程を決めて、講師に「ご予定伺い」を出す
2講師が勘案して「ここならできるよ」と返事をする
3予備校が講座と日程を決めて講義依頼書を出す
こう書けば簡単なのだが、講師としては2が最大の難関になる。ポイントは複数にわかれる。
1、重点にしている予備校を優先させたい。
2、自分の人気がある予備校ならムリを言っても講座をくれるだろう。
3、曜日と日程の兼ね合いがある(9時に千葉で終わって翌日が朝9時に藤沢で大丈夫だろうか)。
4、この予備校では人気がないから時間を空けてもコマが入らないのではないか。
5、こっちの予備校のほうが時給が高い。
6、でもあっちの予備校にも顔を出さなければ悪い。
7、あの校舎は行きたくないや。
8、この日はボランティア活動があるのだ。
9、この時期は彼女と旅行にいきたいなあ。
10、あの校舎には可愛い女子が多いしなあ。
キリがないほど思いは入り混じるが、「ご予定伺い」にだって締め切りがある。たぶん20個くらいの事情を考えて出すと思う。
わかりやすくするために僕の例を出そう。
1僕は決して人気がないが城南にも市進にもまずまず信頼されている(と毎日のように神様に願っている)。
2時給は城南が圧倒的に安いが、授業のやりやすさは勝る。
3しかし城南は遠いので(しかも休み時間が長いので)労働効率は悪い。
4自費でホテル暮らしは非常に損をする。
5だが一方で講習に参加しないのは生徒に失礼だ。
6市進では市川の担当が多いから市川中心にしたい。
7だからと言って千葉を粗雑にしたくはない。
城南も市進もたくさんの校舎があるが、城南では横浜のみ、市進では市川と千葉のみにしてもらっている(これだけでもこの業界では恵まれているのです)。どちらの予備校もメインに近い校舎なので講座はたくさんある。それでもなおかつ、期間を限定して「ご予定伺い」を出すしかないから難しい。予備校という巨大・・・というほどはないけど、それなりの組織で自分の意見と都合を通そうとする行動である。クビにならないといいな・・・。
結果を紹介しよう。
1→伺いにOKをつけた部分は全て授業が入った(願ったかいがあった)。
2→帽子をかぶっている・お茶を飲みだす生徒を叱らなくてすむ。
3→まあこれはどうにもならない。
4→ヒミツ。
5→一部のクラスの生徒様にご迷惑をおかけします。
6・7→少し市川に偏りすぎだ。
そう、結局は僕の力で決めることができるものは一つもないのだ。
いやあ、本当にキツイんですよ。だから「なんで俺の校舎にはあんまり来ないんだよう!」とか言わないで下さいよ。こういうことで喧嘩をして仕事を失うわけにもいかないんです。そして、そうやって教務サイドに無理難題を押し付け、さらに喧嘩になって、ついに消えていく講師は非常に多いのだ(関係者はここで爆笑すること)。
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